Farming Garden in 生命の森リゾート
都市生活者と農業をつなげる、農業を楽しみながら実践する、ファーミングプロジェクトが、まもなくスタートから1年を迎える。今回は、1月30日に、同プロジェクトの体験型農園「Farming Garden in 生命の森リゾート」(千葉県市原市)で行われたイベントの様子をリポート。寒さで農閑期となる冬の畑に、にんじんとファーミングへの情熱で挑む。
芽は出るか!? にんじんで冬の寒さに挑戦!
あの夏の暑さはなんだったのか? ダウンジャケットは必須アイテムに、ぐるぐる巻きのマフラーで首はなくなり、コートのポケットには使い捨てカイロといった佇まいが、この冬は至って普通になった。そんな厳しい気候でも、止まらないのがファーミングだ。
台場では雪も散らついた1月30日、ファーミングプロジェクトの体験型農園「Farming Garden in 生命の森」には40人超の都会のファーマーたちが集結。見上げた空は真っ青と天候には恵まれたものの空気はキリッと冷えている。そんな畑で行われたのは、チャレンジのファーミングだ。
一般的に、この時期は農閑期にあたる。畑に種や苗を植えても、寒さのために発芽もあまり期待できないためだ。良いとはいえない環境の下だが野菜は育つのだろうかと、知恵を絞って行う畑作業。それがチャレンジのファーミングだ。
今回のテーマ野菜はにんじん。この時期にも種まきができる種類を選んだ。
まずは、畑を耕す作業から。参加者は慣れない手に鍬を持ち、交代しながら少しずつ耕す。白茶けた茶色だった畑が少しずつ鮮やかな土色になっていく様子は壮観だ。その後は、種を蒔くための畝(うね)づくり。畑の区画の端から端までロープを張り、畝の幅となる約1メートルを取って大きな長方形を作り、高さ約10センチぐらいになるように土を寄せていく。途中、プロフェッショナルによる手取り足取りの鍬使いアドバイスも受けながら、この作業を2本分。終わるころには、参加者の額にはじんわりと汗がにじんだ。
しかし、工程としてはまだ準備が終わったばかり。ここから畝ごとに違った方法で種まきだ。1本目は、畝に細い竹を使って3本の並行する筋をつけて蒔いていく方法(写真〈1〉)。まいたあとは軽く土をかける。2本目は、土の温度を温かく保つ作用がある「マルチ」というビニールを使った方法(写真〈2〉)。畝全体を「マルチ」でピタッと覆い、両端と畝の両端を土をかけて抑え、穴の開いている部分に種をまいていく。さらに、それぞれの畝にCD-Rなどの収納に使われる不織布のシートで畝を覆った上で、「トンネル」と呼ばれる小さなビニールハウスを作った(写真〈3〉)。「トンネル」を作る作業はこの日のハイライトともいえる声を掛け合って行う共同作業だったが、「農家の人たちは普通この作業を何人でやっているんだろう」という声も漏れていた。
一見、過保護なまでに守られた、にんじんの種たち。チャレンジのファーミングの日以降、関東地方は大雪に見舞われたが、そろそろ芽を出してくれてもいいころ。にんじんたち、そして都会のファーマーたちは寒さに勝てたのか。その結果は来月のこのページで。
汗しておいしい! ファーミングカレーファーミングプロジェクトのイベントでは、畑で収穫した野菜を使った料理を、みんなでほお張るのも楽しみのひとつ。この日のメニュー、畑で育ったじゃがいもなどを使ったカレーやグラタン、白菜の一夜漬けなどがテーブルに並んだ。ほくほくのじゃがいもがどかんと入った大人も子供も笑顔になったランチタイムを過ごした。 |
春に備えるTOKYO HEADLINE 畑TOKYO HEADLINEの畑も、来る春の種まきに備えて、準備をスタート。この日は、畑の近くにある乗馬クラブから分けてもらったたい肥を畑いっぱいに広げて、土に混ぜる土作りの作業。赤ボールペンを鍬に持ち替え、一丸となって耕す。社内でもめったに見られない(?)集中ぶりに、社長はあきれ顔だったとか…? 次のイベントが行われる時には、じゃがいもをはじめとしたいろいろな野菜づくりを本格始動させる予定。「弁当のいい材料になる」と、社内の弁当派たちの目はギラついている。 |