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〈新企画〉二十歳の視点Vol.5
こんなサークルまであるの?
早稲田大学のおもしろサークルに潜入!(前編)

2013.03.28 Vol.588

 大学時代の思い出と言えば何を思い浮かべる人が多いのだろう。留学、専門の勉強、ゼミ、アルバイトetc…、現在では「就活です(笑)」という人も多いかもしれないが、「サークル」をいちばんの思い出に挙げる人は多いのではないだろうか。

 都の西北・早稲田大学(東京都新宿区)は、日本一のサークル数を有している。中には100年以上の伝統を持つものも。大学側から公認されているサークルだけで500団体あり、非公式のものは把握しきれてないものの2000〜3000団体ほどあると言われている。学生のサークル所属率も7割を越えているとされており、サークル活動がどれほど盛んであるかお分かりいただけるだろう。

 そんな早稲田大学の中でも一風変わったサークルを紹介したいと思う。

最初は「資格ゲッターズ」。

 その名の通り、みんなで勉強してさまざまなジャンルの資格をいっぱい取るサークルだ。部室に入ると参考書がずらり。

 幹事長(早稲田大学ではサークル代表者を幹事長と呼んでいる)の皆川さんは高校時代は水泳部だったそうだが、新しいことがしたいと思いこのサークルに入った。珍しいサークルゆえ、他の大学の学生も多く所属している。

 サークルに入った当初は2ヶ月かけてひとつの資格を取得していた皆川さん。今では2週間にひとつのペースで資格を取れるようになっている。「いくつかの資格を並行して取る人もいますよ。寝る時間も削って詰め込んだり。でも、やっぱり計画性がある人が強いです」。現在2年生は平均20〜25個程度資格を持っているそうだ。

 男子は毒物劇物取扱責任者や危険物取扱者など、女子はメディカルハーブやアロマセラピーなどの資格を取る人が多い。また理系メンバーには、基本情報技術者という記者にはちょっと理解不能な資格を目指している人もいる。人によって受ける資格の難易度もジャンルもさまざまだ。ちなみに初心者にお勧めなのは秘書検定2級。「簡単すぎず、難しすぎない資格です。会場の9割が女性だったので、すごくアウェーでした(苦笑)」。今回の取材で見せてもらった検定書の中で一番目を引いたのは、水木しげるの妖怪検定。もともとは島根県のご当地検定だったそうだが、『ゲゲゲの女房』のヒットを受けて調布でも年に1回受験できるようになった。受けられる場所や日にちがきわめて少ないため、かなりレアな資格である。

 資格は、大学生にとって大きなイベントである就活でも役に立つ。「面接官は資格に目が肥えてます。趣味系の検定を取る学生はあまりいないので、おもしろい資格をワンポイントとして書くことで話題づくりになる。履歴書におもしろい資格をいっぱい書きたいというのもサークル理念の一つですね」。

 新歓イベントや合宿などの行事は、みんなで一緒の資格を取ることを目的として企画される。スキー、スノーボード、パラグライダーなどのアウトドア系合宿から池袋のナムコナンジャタウンでの日帰り行事までさまざまだ。「みんなが楽しく資格を取得して帰ってくることを目標としているので、難しくない資格を選んでいます。せっかくなら、皆でちゃんと合格して帰ってきたほうが気持ちいいじゃないですか。でも滋賀県で受けた忍者検定はペーパー試験がかなり難しかったんです。僕は手裏剣を投げる実技試験の出来がよくて合格したんですよ(笑)」。

 幹事長として100人ものメンバーを支えている皆川さん。「これだけ人数がいるから、人によって取りたい資格のジャンルはぜんぜん違う。簡単な資格を数多く取りたい人もいれば、難しい資格をじっくり取りたい人もいる。皆が満足してくれているかどうかということを常に考え、幹部同士で相談しています。下の学年の子に面白いなって思ってもらえるように、日々勉強しています」と笑顔で語った。

資格ゲッターズ 公式ホームページhttp://license-getters.com/

つづいて「早稲田大学ジャグリングサークル〜infinity〜」。

 さまざまな道具を操るジャグリング、大道芸をどこかで一度は見たことがあるという方も多いのではないか。

 お手玉のような「ボール」、ボーリングのピンのような「クラブ」、中国ゴマ通称「ディアボロ」、複数の箱を回転させたり投げたりする「シガーボックス」、輪っかを投げる「リング」、水晶玉のような「クリスタル」、バトンのような棒を何本も操る「スティック」等々さまざまな道具がある。ひとつの道具を極める人もいれば、多くの道具を操る人もいる。皆それぞれとても楽しそうにジャグっている(※ジャグる=ジャグリングをする)。

 メンバーはここ数年で一気に急増し、今では50人程度の現役生が活動している。メンバーの大半を理系男子が占めているのが大きな特徴だ。引退した先輩方も時折練習に顔を出してくれて、練習場所はいつも多くの人とたくさんのカラフルなジャグリング道具でにぎわっている。

 公式な練習は週に2回、大学近くの公園で行われている。練習をしているとお年寄りや小さな子供が寄ってきて交流の場となることもあり、とてもオープンな環境が築かれている。公式練習日以外にも、授業の合間の空き時間には自然と公園に人が集まって練習をしている。それだけ皆ジャグリングが好きなのだ。多くのメンバーは公園練習だけでは事足りず、学校の施設や体育館で自主練に励んでいる。練習の成果はジャグリングの大会や早稲田祭などのイベントや、出演依頼を受けて披露することが主。競技人口の少なさゆえ横のつながりも強く、他の大学のジャグリングサークルやプロのパフォーマーと交流する機会もある。海外大会への出場も頻繁に行われているというから驚きだ。

 そんなジャグリングサークルの幹事長yuさんは高校1年生のころ、先輩のパフォーマンスに一目ぼれしてシガーボックスを始めた。来る日も来る日も練習を重ね、高校3年生の時には高校生大会において見事優勝。「高校の入学試験に合格したときよりもうれしかった」と語るyuさんは、現在は同じ道具を操る仲間とチームを組み、多くの大会で目覚ましい記録を残している。これに関しては「仲間と助け合って入賞しました」と非常に謙虚。「何より、ジャグリングの大会が増えてきていることがうれしいですね」。ジャグリングをはじめてもうすぐ6年が経とうとしているyuさん。つらかった事、やめたいと思ったことはないのだろうか。「出演依頼をいただいたら、いろんなところへ行ってジャグリングパフォーマンスをするんですけど、本番で大失敗すると相手に申し訳ないし嫌になりますね。でも、成功すると本当に楽しい。知らない人から拍手もらえるってすごいことじゃないですか。ありがとう、と言われたら本当にうれしいですよね」と少年のように語ってくれた。

「サークルに入ってくれた人に、ジャグリングを好きだなって思ってもらいたい。楽しいなと思って続けてほしいです。でも、楽しくなかったら続かないか(笑)」。そんな後輩想いの幹事長。「みんなをいいパフォーマーに育てて、infinityを有名にしたい」とまっすぐに語る姿が印象的だった。

出演依頼はこちらから。愉快なメンバーが駆けつけます。
http://www.geocities.jp/juggling_infinity/

後編へ続く

世界最大のUTストアが東横線渋谷駅跡地に出現!

2013.03.28 Vol.587

20130328c.jpg  200坪という巨大な敷地に1000種類以上、1万2000枚ものTシャツが展示・販売される、世界最大のUTストアが、東横線渋谷駅跡地「SHIBUYA ekiato」にオープン。4月7日までの期間限定で『UT POP-UP!TYO』というイベントを開催する。


 今年3月、同路線が地下化のため使われなくなった駅のホームにTシャツがずらりと展示。枚数もさることながら、2週間前まで、多くの人が利用していた駅が丸ごとストアになっている様子は圧巻だ。


 また、同イベント開催に合わせて、ユニクロが新開発したスマートフォンの動画アプリ「UT CAMERA」もリリース。アプリをダウンロードしてムービーを撮影すると、ユニークなアニメーションに変換される新感覚のカメラアプリだ。撮影したムービーはその場でUTのオフィシャルサイトにアップロードして、世界中の人へ向け発信できる。


 さらに、会場内には「UT CAMERA」の巨大な撮影ブースを設置。会場での撮影に参加すると、生成されたムービーが会場の壁面にすぐにプロジェクションマッピングされ、自分がキャンペーンビジュアルの一部になっていることが体験できる。

 世界一新しく、世界一クールな空間で、渋谷と世界をつなぐイベントに参加しよう! 詳細は特設サイト(http://ut.uniqlo.com/tyo/)で。

大人気のシロクマくん 新宿に期間限定ショップ

2013.03.26 Vol.579
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   人気テレビアニメ「しろくまカフェ」のキャラクターイベントショップ「しろくまカフェ テラスショップ produced by ナムコ・ナンジャタウン」が、30日に新宿マルイワン1階にオープンする。4月19日までの期間限定で、限定デザインのグッズが当たるショップ限定アトラクションや、エプロンやコースターなど限定デザイングッズの販売コーナー、等身大のシロクマくんたちと写真が撮れるフォトスポットなどが登場する。

   営業時間は11~21時まで。日・祝のみ20時30分まで。入場は無料。詳細は特設サイト(http://www.namco.co.jp/ar/shirokumacafe/)で。

ユネスコ世界記憶遺産日本登録第1号の作品を創った
「世界記憶遺産の炭坑絵師 山本作兵衛展」

2013.03.25 Vol.587

「アンネの日記」や「ベートーベン交響曲第九番の自筆譜」などが登録されているユネスコ世界記憶遺産の日本登録第1号を描いた山本作兵衛の展覧会が東京タワーで開催中。明治25年に日本有数の炭坑町・福岡県筑豊に生まれた山本作兵衛は7〜8歳から約50年、石炭採掘の現場で働き、退職後の60代半ばから炭坑生活の様子を絵と文章で記録。没後20年以上を経て2011年に炭坑画や日記などが「歴史的に重要な時代を記録している」とされ、その資料697点が国内初のユネスコ世界記憶遺産に登録された。世界記憶遺産の登録物件は、外部への出品・展示が厳しく制限されているため、今回は登録後に奇跡的に発見された作品など秘蔵の原画59点と登録作品の複製画10点を東京タワーの1階特設会場に展示。山本の描く作品は、温かな色味と絵の中に文字で説明が書かれているのが特徴。自身の経験に基づいており炭坑町、炭坑労働者の歴史の中でもなかなかうかがい知ることができなかった一面を見ることができる。ある時期日本を支えてきた炭坑について、より理解を深めることができるまたとない機会となる同展覧会、その時代を生きた人はもちろん、若い世代にもぜひ見てほしい。

 また、第2会場では山本が本格的に絵筆を握り始めた1958年(昭和33年)の東京の風景を等身大で再現。同年は東京タワーが開業した年でもあり、日本が新しい時代を迎える転換期ともいえる年。「三丁目の夕日」に見られるような懐かしい日本の原風景が体験できる。失くなりつつある炭坑町と東京タワーの建設で発展の希望にあふれる東京。どちらも日本の重要な歴史であり、今の日本を生きる者がしっかりと記憶しておくべき日本の姿だ。

マリンレジャーの魅力満載

2013.03.25 Vol.587

 3月7日(木)から10日(日)までの4日間、パシフィコ横浜と横浜ベイサイドマリーナの2会場で「ジャパンインターナショナルボートショー2013」が開催された。今年は昨年を上回る3万8000人以上が来場、大盛況のうちに幕を閉じた。

 第一会場のパシフィコ横浜では、ボートやヨット、水上オートバイのニューモデル、さらにカヌー、フィッシングなどの関連用品やアパレルを展示。さかなくんをはじめ海やボートフィッシングが好きなゲストによる「安全講座」、「ボートフィッシング講座」をはじめとするトークショーやマリンレジャーに関する各種講座も行われた。

 また第二会場の横浜ベイサイドマリーナでは、大型ボートやヨットのフローティング展示をはじめ、ボートやヨットの楽しさと魅力が分かる体験乗船会を開催。海、そしてマリンレジャーの魅力を存分に満喫できるイベントとなった。

〈新企画〉二十歳の視点Vol.4 「ダブルダッチ」

2013.03.22 Vol.587

縄とダンスのパフォーマンス「ダブルダッチ」の魅力

 これを『なわとび』と言っているようでは、もう遅い! 今や『ダブルダッチ』とカタカナ表記になり、『二重とび』や『あやとび』ではなく、2分間でどれだけ多く飛べるか競う『スピード競技』や、音楽とダンス的要素を取り入れた『フュージョン』といった新たなジャンルを確立している。

 縄2本でアクロバティックに繰り広げられるパフォーマンスは、見る者の視線を釘付けにして離さない。個人の能力と縄のタイミングから成る、ある種の「曲芸」。なわとびの域を超えた「新境地」。今注目のスポーツのひとつだ!

 今回は「ダブルダッチについて広く知ってもらう!」をテーマに、その魅力を存分に紹介。この記事を読んだ後、きっと身体がウズウズしているはず。

 2月中旬と3月中旬に都内小学校で行われた、ダブルダッチの普及を目的とする講演会を取材。そこでは、日本体育大学のサークル「乱縄(らんなわ)」に所属する学生たちが招かれ、その魅力について話していた。このような講演会は、春休みなど学生の長い休みを利用して、1人20回以上行くときもあるという。

 これが実際に使われている縄。写真・左は登山用ロープを少し加工したもので『フュージョン』のときに使われる。右はスポーツメーカーから出されているもので、主に大会指定として使われる。チームによって縄の使い方は異なるようだ。ちなみに、縄を飛ぶ人のことをジャンパー、回す人をターナーと呼ぶ。

『フュージョン』には構成にもこだわりが。「掴み」や「山場への持っていき方」、「音楽との兼ね合い」を考えながら、入念に組み立てていく。男女に限らず、メンバーそれぞれの「見せ場」もあるという。

  しかし、より質の良いパフォーマンスにするには「女子のチカラ」が欠かせない。どこのチームも一定のレベルに達してしまうと、男子のチカラは拮抗するようで、そこで身軽な女子をいかに「華」として組み込むかが鍵となるらしい。

 女子のパフォーマンスには「しなやかさ」が出る。構成全体にも、男子の気迫あふれる動きに、女子のしなやかさが加わることにより、メリハリが生まれる。また、その身軽さを生かし、より難易度の高い技を取り入れることもできる。結果、チームの底上げにつながるようだ。

 講演会中、子どもたちに楽しくレクチャー し、運動が苦手そうな子にも優しく接していたのが印象的だった。2月の講演会終了後には、すっかりダブルダッチの虜になった子どもたちが、控室に戻った彼らにサインを求め、押しかけてきた。

 5月にはニューヨークで世界大会が開催され、乱縄のチームである惚翔魅(クウカイ)の5人も出場が決定している。大会はシングルス(ターナー:2人×ジャンパー:1人)とダブルス(ターナー:2人×ジャンパー:2人)の合計点で競われる。大会の進行について「予選を勝ち抜いた上位チームが…」と説明されるが、理解に苦しんでいる記者に「陸上の大会みたいな感じだよ!」と、さすが体育大生らしい例え。

 このチームのリーダー、淵貝くんは、まだダブルダッチを知らない人に向けて「ここの5人みんな大学から始めたし、いつから始めても遅くないので、興味を持ったらぜひやってください!」と初めてのインタビューにやや緊張気味に答えてくれた。

 運命の赤い「縄」で結ばれた5人が世界へ飛び立つ。ぜひ世界大会では1位になって帰ってきてもらいたい! そんなエールも込めて。

(本紙インターン・川合健悟)

六本木で一夜限りの”アートの祭典”開催!

2013.03.22 Vol.587

20130322a.jpg 六本木の街を舞台に一夜限りのアートイベントを繰り広げる『六本木アートナイト2013』のプレスプレビューが21日、六本木ヒルズにて行われた。


 六本木アートナイト実行委員長を務める南條史生氏は「日本中からだけでなく世界中からアートファンが集まるイベントになった。昨年延べ70万人を動員したが、4回目となる今年は、それを上回る100万人を目指す」と発表した。


 アーティスティックディレクターを務める日比野克彦氏は、今回のテーマ『TRIP→今日が明日になるのを目撃せよ。』への思いや、今年の目玉の1つとなる高さ約8メートルのガラスのモニュメント『TRIP→プロジェクト』誕生のいきさつのほか、今年の見どころを解説。また、灯台で灯される火は、津波の被害を受けた陸前高田の煙害杉からできていることなどを明かし、復興を願う気持ちを語った。


『六本木アートナイト2013』は23日10時から24日18時まで(イベントが盛り上がるコアタイムは23日日没から24日の日の出まで)六本木ヒルズ、森美術館など六本木エリアで行われる。

『俺の―』シリーズ和食に進出!『俺の割烹銀座本店』登場

2013.03.21 Vol.586
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 立ち飲み感覚で本格料理をリーズナブルに味わえると人気を集める『俺の―』シリーズの新業態『俺の割烹銀座本店』(中央区銀座8丁目8番17号伊勢萬ビル1F)が15日、オープンした。イタリアンやフレンチなどで大成功を収めている同シリーズが、満を持して和食に挑戦。同社によれば、ニューヨーク進出も視野に入っているという。

「麻布幸村」「菊乃井」「銀座うち山」「あざぶ一期」「青山えさき」などミシュランで星を取った料理店を経験した、選りすぐりの和の料理人たちが腕を振るう。季節の魚の揚げ出し(1200円)、鯛付け焼き割烹風(1200円)、カニクリームコロッケ(500円)、おでん(380円~)など定番メニューのほか、季節やその日の仕入れに合わせたメニューも提供していくという。

 勢いのある同シリーズの新たな挑戦とあって、オープン前日に行われたレセプションには、予想以上の人数が来店。隣りの人と袖触れ合う距離で料理や日本酒を味わい、店は和気藹々としたムードに包まれていた。

 店舗は、銀座・金春通りの、『俺のフレンチ』からほど近いロケーション。2階建てで、1階はすべて立ち席で37席、2階は座り席35、立ち席31の構成で、全103席。2階はキッチンカウンターがフロアのほぼ中央に位置しており、選りすぐりの料理人たちの技を、ほぼ全ての席から見られるのもポイントだ。

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写真上左:ボリュームたっぷりの子羊味噌鍬焼き(1280円)
上右:繊細な味付けでどんどん箸がが進むおでん
下左:シメにぴったりな鯛茶漬け(680円)
下右:豪華な和風アクアパッツア(1280円)は優しい味付け。寒い日でなくともオススメの一品だ!

〈新企画〉二十歳の視点Vol.3
学生フリーペーパーの現場!「Seel」

2013.03.19 Vol.586
学生フリーペーパーの限界 kawa_CIMG0412.jpg このサークルに入るには、まず面接があり、そこをパスしなければならない。その後、希望の部署に配属される。入ったはいいものの、あまりにも芳しくないと辞めてもらうこともあるという。だが、サークルとしての活動なので、義務が発生するということでもない。しかも、相応の「見返り」が期待できないとなれば、足並みを揃えることすら難しいようで、『Seel』代表の江辺くん、苦悩の表情。
 全国のフリーペーパーを作る学生を支援する学生団体があり、そこが主催する講演などで、業界関係者の話が聞ける機会もあるという。アンケートに、ここで話されたことに影響を受けたと書いたメンバーもいた。また、そこでは年に1度、学生フリーペーパーの日本一を決めるイベントを企画するなどしている。だが、これらを積極的にやったところで、メディアへの就職で有利になるといったこともないようだ。
 記者を含め彼らより上の世代では、メディアで仕事をしたいと思った場合、出版社にバイトで入って、そのまま社員として採用されるケースもあったらしい。こうしたサークル活動だけでは、「セミプロ」感覚に陥ってしまう可能性もある。
 また、自分たちの「面白い」と思っていることが、読者には「伝わらない」ということに「割に合わなさ」を感じるとアンケートに回答したメンバーもいた。自分たちのスタイルを追求すればするほど、彼らとメディア、あるいは読者との距離は、近づいているようで遠くなっているのか。
 最後に、この記事のテーマでもある「何でフリーペーパーを作っているのか」と聞くと、「結局、紙が好きだからとか、実際に手にとれるものを作るのが好きなんですよね」と話す。ウェブにアップする場合、1人でもパソコン1台あればできるが、紙媒体となると、「営業」「デザイン」「印刷」「ラックに配置」と、人の介入があってこそ。こうして手間暇かけることで、愛着に似た「温かみ」が生まれるのかもしれない。
 毎回、彼らはミーティング後、いったん外へ出て、必ず一本締めで締める。この光景もまたどこか、互いを労っているようで、温かい。
 よぉ~、パンッ!
『Seel』最新号は4月2日発行。配置場所についてなどの詳細は、サイト(http://seel-magazine.jimdo.com/)で。 (本紙インターン・川合健悟)

〈新企画〉二十歳の視点Vol.2 文京区・森鷗外生誕150年記念事業 甘党鷗外にちなんだ銘菓でまちあるき 

2013.03.13 Vol.586

 文学にほぼ興味がなくても『舞姫』を読まされたことがある、という人は多いのではないか。読んだことがなくても、「森鴎外」という名前はご存知なのではないだろうか。

 明治の文豪・森鴎外は、昨年で生誕150年を迎えた。これを記念して鴎外ゆかりの地である文の京(ふみのみやこ)・文京区では、昨年から多くの催しがなされている。オペラや講演会、展示会等多岐に及んで鴎外にまつわる事業を展開。これらの催しは総計37000人もの参加を得るなど、大盛況であった。

 そんな50以上にも及ぶ多くの催しのうちのひとつが「文の京ゆかりの文人銘菓」。いま流行りのスイーツ企画かと思いきやお門違いもいいところ。文京区の知名度やイメージをアップさせるためのガチなイベントだ。

 文京区は、文京区でしか味わえないものを文京ブランドとして打ち出し、まちあるきを楽しむという観光スタイルを展開している。以前にも「食の文京ブランド100選」として、様々なジャンルの選りすぐりの食で大きな反響を呼んだ。そこで今回も「食」をテーマに事業を開始し、「観光土産品」の開発に乗り出したのだ。なぜ「菓子」に焦点を当てたのかというと、お土産として持ち帰ったり広めたりすることが比較的しやすいから。私自身も楽しく食べ歩きをし、お菓子を持ち帰っては家族と文京区の話題で盛り上がった。

 歴史と文化が豊かな文京区には、ゆかりのある文人も多い。今回は森鴎外、夏目漱石、樋口一葉にちなんだ銘菓の製作販売が行われた。文京区内の菓子製造業者に呼びかけ、銘菓を制作・販売する店舗を公募。いくつかの条件を満たした17種類の菓子を 「文の京ゆかりの文人銘菓」と認定した。森鴎外に関する銘菓は11種。このうちのいくつかを紹介していきたい。

 突然ですが、皆さんは森鴎外にどのようなイメージを抱いていますか。
 教科書に載ってしまうくらいだから、お堅いイメージを持っている方も多いのではないだろうか。しかしそんなイメージからは想像し難いことに、彼は超甘党のおじさん。特に好んで食べたのが「饅頭茶漬け」…想像しただけで口の中が甘ったるくなってくる。あっさりしたお汁粉のようでおいしいらしいが、自他共に認められている甘党の私でもこれには驚きを隠せなかった。

 この饅頭茶漬けをイメージして創った銘菓は、松右衛門の「鴎外餅」と本郷三原堂の「抹茶漬け」。あくまで茶漬けの「イメージ」であり、ごく普通のお饅頭である。さすがにお茶漬けにして売るチャレンジャーな店はなかったが、イートイン限定でお茶漬けにしたらどのような反響があったのか・・・と考えてしまった。松右衛門の店主さんは「よくテレビの取材が来る」とうれしそうに話していた。本郷三原堂の店内には、「お茶をかけないでね…」という但し書きがされており、面白い。さらに鴎外は、杏や梅などを煮て砂糖を掛けて食べるのも好きで、TIESの「ケーク・アンジュ」はそんな嗜好をイメージして作られた。ラム酒がよく利いている杏がアクセントで、シンプルながら飽きが来ないおいしさだ。

 ドイツ留学という視点から創作された、パティスリーシモンの「エリス」。店内に入ると甘い香りが広がり、幸せな気持ちになる。「エリス」はハートの形をした洋菓子で、ピンクのパッケージが可愛らしい。美少女エリスを髣髴させる。

 鴎外の住居「観潮楼」をイメージして創られた「観潮楼のいちょうサブレ」は都営三田線・白山駅を出てすぐの洋菓子店ル・ボン・ヴィヴァンで売られている。バタークリームサンドのクッキーにオレンジピールを混ぜたもので、他にはない味わいを堪能できる。

 作品からインスパイアされたお菓子もある。あめ細工吉原の「お玉」は、『雁』に出てくる登場人物、ゆかりの地をイメージして作られた飴ちゃんだ。入れ物は鳥かごのようで、細部にまでこだわりがありとても可愛い。

 そして和洋折衷されたお菓子「The Vert-鴎外(テベールおうがい)」。饅頭、くず餅、焼きいも、チョコレートなど鴎外にまつわるお菓子が盛り込まれている。東京ドームホテルのガーデンテラスで観覧車を眺めながら食すことができる贅沢な逸品だ。

 鴎外ひとりからこんなにも幅広く和洋菓子が考案されたということに、文人への思いの強さを感じる。いくつかのお店によると「これらの文人銘菓を目当てに来店される方も多いです。広い年代層の方々に好まれてはいますが、やはり多く来店されるのは50~60代くらいの女性ですね。家族連れで来られる方もいらっしゃいます」とのこと。

 先月までは文京区にちなんだ豪華商品付きのスタンプラリーも行われており、まちあるきをしながらお菓子を楽しむ方々から多くの応募があったそうだ。私も参加して、銘菓商品券を当てた。「文の京ゆかりの文人銘菓」の企画自体は今月31日までの実施だが、店舗によっては今後も継続して発売される。

 文京区はアップダウンが激しい地形が特徴。歩くのは大変だが、その分見ごたえのある「鴎外ゆかりの地」がたくさん。さまざまな場所から現代と明治時代が交差していることを体感でき、実に贅沢な散歩を楽しめるところなのだ。

 鴎外生誕150年を記念して建てられた「文京区立森鴎外記念館」。ここでは鴎外の多彩な活躍にならって様々な鴎外普及活動が行われており、文京区の新たな文化交流地点として期待が高まっている。今後もこの記念館を中心とし、他の博物館等とも連携して展示や講演会を行っていく。さらに鴎外だけにとどまらず、他の文人たちの情報発信も進めていく方針だ。

 区民の目線に立った面白い事業を日々展開し続けている文京区。今後が楽しみだ。(本紙インターン・沢井めぐみ)

東日本大震災から2年……日比谷公園で3000人が黙とう

2013.03.12 Vol.586
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  東日本大震災の発生から2年となった3月11日、都内各所でさまざまな追悼イベントが行われた。

   日比谷公園では「311 東日本大震災 市民のつどい Peace On Earthステージ」が開催され、大地震が発生した午後2時46分、坂本龍一や加藤登紀子、後藤正文(ASIAN KUNG-FU GENERATION)らが約3000人とともに、黙とうを捧げた。

 この日は平日にも拘わらず、多くの人が集まった。2時40分を過ぎたころには人で埋め尽くされ、2時46分に集まったのは老若男女約3000人に及んだ。場所柄、スーツ姿のビジネスマンと思われる人たちの姿も多く見かけられた。

 加藤が、「亡くなった人のことを思いましょう。その命のひとつひとつがとても大切だったことを思いましょう。みなさんの命がとても大切だってことを思いましょう。みんな頑張って素晴らしい人生を送りましょう。心から亡くなった方に追悼の想いをこめて。私たちの人生に、私たちの命に感謝の意を込めて、黙とうを捧げましょう」と、呼びかけ、C.W.ニコルの「黙とう」の声が響くと、公園は静けさに包まれた。

 たった2年。今もなお、多くの人が厳しい生活を強いられている。後藤は「3月11日の2時46分だけを記念碑みたいにしてしまうのは違和感がある。その時だけ思い出すんじゃなくて、日々のなかで、いつでも思った時が黙とうの時間であればいい」と、静かに語っていた。

 イベントは、東日本大震災の被害にあわれた方々を追悼するとともに、これからの未来を共有する場を作ることを目的に行われたもので、今回が2回目の開催。10、11日の2日間にわたって行われ、佐藤タイジ、難波章浩-AKIHIRO NAMBA-らアーティスト、映像作家の鎌仲ひとみ、被災地でさまざまな支援活動を展開している人たちなどが登壇。市民アピールやトーク、音楽ライブなどが行われ、被災地の現状や、自然エネルギーへの新たな可能性や転換を図っている最新の事例なども報告された。

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