先月27日、「東京がひとつになる日。」――東京マラソン、東京大マラソン祭りが開催され、コース沿道を中心に150万人以上がこの日を楽しんだ。
今大会で、開催以前から注目を集めていたのがチャリティーランナーだ。2月25日までの集計で、寄付総額は7184万5000円、694人が出走した。当日スタート前には、チャリティーランナーの代表30名へ、寄付金支援先団体と都知事からお礼と激励の言葉を贈るセレモニーを実施。石原都知事はお礼の言葉とともに「日本にはチャリティーの文化がないが、これを突破口にして広まってくれれば」と話した(写真)。
マラソンレースでは、日本人1位に輝いた市民ランナー、川内優輝選手(埼玉陸協)が話題をさらったが、沿道で繰り広げられる「東京大マラソン祭り」では、例年通り28会場の応援イベントのほか、いくつかの新しい取り組みが実施されていた。
ひとつは屋形船による応援者の無料搬送だ(主催:屋形船東京都協同組合)。午前中から浅草橋駅周辺で無料搬送のチラシを配布。およそ1時間間隔で8便が浅草橋からビッグサイトへと渡る。船内では、リバーガイドボランティアのスタッフが船内のテレビでマラソンの展開を見ながら川やコースの見所などを解説。無料でソフトドリンクもふるまわれたほか、お弁当の販売などもあり、大人も子どもも大満足の船旅だった。
もうひとつは、フィニッシュ近くの防災公園で開催されたスポーツ体験イベントだ。同公園は、親子で走る「ファミリーラン」のスタート地点にもなった。そのファミリーランスタートの前に同イベントを開催。これは、パドルテニス、ローラースポーツ(ブレイブボード、ローラースケート)、グラウンドゴルフ、サッカー、ティーボールの5種を無料で体験できるというもの。各エリアには、各スポーツを担当する団体の指導員が付き、初体験する子どもたちに基本から優しく指導。団体側としては「競技を知ってもらう良い機会」(団体関係者)。一方の参加者にとっても「子どもと楽しめるいい機会だし、子どもが興味を持てば新しく何かを始めるきっかけにもなる。あれもこれもやりたくて楽しい」と好評だった。参加者からは「もっといろいろな競技を」「都内で分散開催してほしい」「もっと積極的に案内を」と熱心な要望の声が上がっていた。
「東京がひとつになる日。」。この日は、東京マラソン・東京大マラソン祭りをきっかけに、東京を舞台に“積極的に何かをする日”へと成熟しようとしているのかもしれない。来年は一体どんな1日になるのか。それを作り上げるのは東京にいるあなた自身だ。