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サッカー日本代表 13日イラク戦に問題山積

2017.06.09 Vol.692

 サッカーの国際親善試合「キリンチャレンジカップ2017」(6月7日、東京・味の素スタジアム)で男子日本代表(サムライブルー)がシリア代表と対戦し、1?1のドローに終わった。6日後の13日に控える「2018 FIFAワールドカップ(W杯) ロシア」のアジア最終予選、イラク戦に向けたシミュレーションと位置付けられた試合だったが、攻撃の中心である香川が接触プレーで左肩を痛め、前半10分に早々にベンチに下がったこともあり中盤が機能せず低調な内容に。すっかり代表のレギュラーとなった原口、ここ数戦で本田から右ウイングのポジションを奪った格好になっていた久保、岡崎を押しのけ先発に名を連ねた大迫もほとんど見せ場を作ることができなかった。

 後半開始からその久保に代わり本田が登場。しかし後半3分にはシリアのジェニアトが上げた右クロスをマルドキアンにヘッドで決められ先制点を許してしまう。

 嫌なムードが漂ったが後半13分、左サイドでボールをキープした長友がゴール前に低いクロスを放り込むと中盤から走り込んできた今野が右足で決め同点に追いついた。

 本田以降もハリルホジッチ監督が井手口、乾、浅野と交代のカードを次々と切ると徐々にペースをつかみ始めた日本。特に乾が入ってからは攻撃のリズムが一変。中盤、あるいは右サイドの深い位置からの本田のロングパスが左サイド前線の乾の足元へぴたりと決まる場面も再三見られるなど、低調ななかでもいくつかのオプションが試された。

 試合後の会見ではハリルホジッチ監督は「試合の入りが良くなかった。(香川)真司のケガのあと、我々は自分たちの形ができなかった。特に中盤で問題があった。守備でも攻撃でも相手にコントロールされてしまった」などと不満を口にした。そして「ドローで終わることによって我々にとって警告となる」とし、イラク戦に向けて「何人かの選手とはこれから少し厳しく話さないといけないかもしれない」と話した。

なでしこ高倉監督が危機感 4・9コスタリカ女子代表戦メンバー発表

2017.03.30 Vol.687

 日本サッカー協会が3月30日、会見を開き「キリンチャレンジカップ2017~熊本地震復興支援マッチ がんばるばい熊本~」(4月9日、熊本県民総合運動公園陸上競技場)でコスタリカ女子代表と対戦するなでしこジャパン(女子日本代表)のメンバーを発表した。

 なでしこにとっては3月上旬に行われた「アルガルベカップ2017」で2勝2敗の6位に終わり、リスタートとなる一戦。

 高倉麻子監督はアルガルベ杯について「新しい選手もおり、選手の可能性を探りつつ、さまざまなポジションや組み合わせを試したりするなかで、なかなか私が想像するようなゲーム展開にならずに、結果としては残念だなと感じている。しかし新しい可能性を見せてくれた選手もいた」と振り返った。

 そして「アルガルベ杯を戦って、日本の現在地が見えた。このままでは勝てないという危機感を選手、スタッフともに持って帰ってきました。この選手たちで大会に臨んだのが初めてだったので、まず守備の約束事を決めながらプレーしたんですが、連動という部分ではまだ足りない部分があると感じたし、強度というのも普段の強度だとやられてしまう部分もある。オフ明けということもあって、ちょっとずつの甘さが出てやられてしまった試合が多かった。日本は技術的に高いと世界では言われていますが、非常に甘さがあって相手のプレスがちょっと早くなると、やはり技術もぶれていますしサポートも非常に遅い。そのへんを選手は危機感を持ってやっていかないと、パスサッカーとか言っていられる段階ではないということを感じている。自分たちのミスからの失点も多かった。もうひとつ上の集中力を身に付けていかないといけないと感じている」と危機感をあらわにした。

 今回のメンバーにはDFの石井咲希、MFの隅田凛、FWの大矢歩、上野真実の4人が初召集された。この4人の選考理由について高倉監督は「未知数」「新しい風を期待」「女子ではなかなかいないタイプ」「まだ粗削りな部分もあるが」といった言葉を交えながら説明。4人のポテンシャルの高さとそれによるチームの変革に期待をかけている様子だ。

 また今回の試合は高倉監督誕生後、国内では初の試合となるのだが「怯んだ戦いはしたくない。選手一人ひとりが個性を発揮しながら勇気あるプレーができればいいと思う」と話した。

 この日は今回の試合に伴い熊本で実施する、女子サッカーの普及活動についての説明が今井純子女子委員長からなされた。

「女子サッカーレガシープログラム in 熊本」と銘打ち、すでに3月11日からイベントが開催されているのだが、これはキッズ年代を対象にしたトレーニングといったプレーヤー向けのものもあれば、審判に興味のある女性に向けたプログラムなど多岐に渡ったもの。

 日本サッカー協会(JFA)では女子サッカーの普及を進めるための施策のひとつとして各地に「普及コーディネーター」を置き、イベントなどを単発に終わらせることなく育成・普及活動を計画的に行う考えを持っている。

 その各地で行われる活動を点で終わらせることなく連携していくために、今年5~6月から47都道府県で「普及コーディネーター」展開していきたいと考えているのだが、今回の熊本のレガシープログラムは普及コーディネーターのロールモデルとなるようだ。

サッカーW杯アジア最終予選 本田招集 今野が復帰

2017.03.16 Vol.686

 日本サッカー協会が16日会見を開き、2018年サッカーワールドカップ(W杯)ロシア大会のアジア最終予選、UAE代表戦(3月23日、アルアイン、Hazza Bin Zayed Stajium)とタイ代表戦(3月28日、埼玉・埼玉スタジアム2002)の日本代表メンバー25人を発表した。

 所属クラブでの出場機会が減っていることから招集が危ぶまれていたFWの本田圭佑、DF長友佑都が選出された。

 ハリルホジッチ監督はこれまで多くの若手を登用してきたが、今回はベテランのMF今野の復帰をはじめ経験値の高い選手を多く選出。「若手と経験を積んだ選手の融合」(ハリルホジッチ監督)した布陣となった。

 監督は冒頭「まずは1試合目のアウェーのUAE戦で勝利すること。会場がアブダビからアルアインに会場が替わり、小さい会場の独特の雰囲気の中で大きなプレッシャーを感じながらのプレーになる。どんな形でも勝利を収めるということを考えなければいけない。私の頭の中ではもう準備はできている」と語ったうえでメンバーを発表。

 GKは西川、川島、林の布陣。11日のJリーグFC東京戦で負傷した東口順昭(ガンバ大阪)は招集されなかった。ハリルホジッチ監督は「東口を呼べなかったのは悲しい出来事」と話した。

 DFでは「佑都が少し心配。あまり試合に出ていないがクラブの中で激しいポジション争いをしている。ゲームには出ていないがトレーニングで補おうとしている。代表で戦いたいという意欲も持っている」と選出の理由を語った。

 MFでは前回のW杯で主力だった今野が復帰。監督は「コンディションが良さそうに見えた。プラス経験値が高い選手。次の試合は経験が必要な試合になる。最近の試合では若い選手を何人か呼んだ。そこで感じたことは、もしかしたらまだメンタル面、精神面で準備ができていないのではということ。今野のような選手はそこで有用な選手かもしれない」とし、清武についても「怪我でトップコンディションではないが、彼の質と経験値を考慮しリストに入れた」と話した。また高萩が2013年以来、倉田が2015年以来の代表復帰を果たした。

 FWでは海外クラブに所属する6人を招集。最近レギュラーに復帰した岡崎をはじめ、クラブでコンスタントに出場している大迫、原口、久保、浅野が選ばれた。

 本田については「試合に出ていなくても今の代表は本田を必要としている。20試合戦ってきたが常に彼の存在があった。トップスコアラーでもある。もちろんミランでより多くの試合に出てはもらいたいが、激しいポジション争いの中で使われていないという状況。しかし彼の代表でプレーするという意欲は常に高い状態にある。この代表は彼の存在を必要としている」と話した。しかし「彼が試合に出るのか、何分出るのか、というのはまた別の問題」とも付け加えた。

 宇佐美については「彼の質の高さ、能力を信じている。1戦目では難しいかもしれないが、2戦目のタイ戦ではよいジョーカーになってくれるのではないかと思っている。ジョーカーとしては彼が最適と判断した」と話した。

中村俊輔が磐田移籍

2017.01.20 Vol.683

 サッカー元日本代表で、長く横浜Mの中心選手として活躍した中村俊輔がジュビロ磐田に移籍。13日に静岡県磐田市で行われた磐田の新体制発表会見に出席し、「いて良かったと言ってもらえるよう、ジュビロのために身を削っていきたい」と話した。会見には名波監督も同席。ともに2000年アジア・カップ優勝メンバーで、監督は「身震いする。期待しかない」と笑顔を見せた。

原口が4戦連続弾! 日本が勝ち点10で2位浮上

2016.11.24 Vol.679

 サッカーの「2018年サッカーワールドカップ(W杯)ロシア大会」のアジア最終予選、日本代表vsサウジアラビア代表戦が15日、埼玉・埼玉スタジアム2002で行われ、日本が2?1で勝利を収めた。

 日本は5試合を終え、3勝1敗1分けの勝ち点10。この試合まで無敗でB組トップだったサウジアラビアも3勝1敗1分けで同じく勝ち点10。得失点差でサウジアラビアが1位をキープ。日本は2位に浮上した。2位につけていたオーストラリアはここまで4戦全敗だったタイにまさかのドローで3位に後退した。

 最終予選はこれで半分を消化。日本の次戦は来年3月23日のアウェーでのアラブ首長国連邦(UAE)戦となる。

 この日、日本代表のハリルホジッチ監督はこれまで不動のレギュラーだった、本田圭佑、香川真司、岡崎慎司の3人をスタメンから外し、久保裕也、清武弘嗣、大迫勇也を起用。攻撃陣は大迫をワントップに置き、その下に右から久保、清武、原口と並ぶ布陣となった。

 日本は試合開始から縦に早い攻撃を見せ、エンジンのかかりの遅いサウジアラビア陣営に攻め込む場面が目立つ。いらだつサウジアラビアDF陣が激しいファウルで立て続けにイエローカードをもらうなど、試合は序盤から荒れ気味。日本がチャンスは作るものの、なかなか決めきれないといういつもの展開が続くうちに、徐々に攻撃のリズムを取り戻すサウジアラビア。

 サウジアラビアの攻撃が激しく、日本は両サイドバックが上がるに上がれない状態となり、左サイドでは原口が攻守に激しく動き回る展開となった。

 しかし日本は前半終了間際の45分、ペナルティーエリア内で放った清武のシュートがサウジアラビアMFアルハイブリの手に当たったとされ、PKのジャッジ。ここでサウジアラビアの選手たちが主審に詰め寄り、そのさなかに日本のキャプテン長谷部が突き飛ばされるという場面もあり、会場は騒然。

 そんな異様な雰囲気のプレッシャーのかかるなか、清武はGKの動きを冷静に見極め、左隅にPKを決め、待望の先制点。1?0で前半が終了し、新布陣は最低限の結果を出した。

 後半開始から久保と交代し、本田がピッチへ。後半開始早々に激しいタックルで清武が削られ、ハウサウィにイエローが出るなど、インターバルが入っても荒れ模様は変わらず。これで得た清武のFKはゴール前の本田へ。しかし混戦となりシュートには至らず。後半8分には左サイドから長友が低いクロスを送るが、DFに阻まれ、本田には届かない。本田はその後も、シュートがGKの正面にいくなど、いつもの動きは見られない。

 後半20分には清武に代わり香川がピッチへ。

 35分には左サイドでボールを持った本田を起点に長友が切り込んで低いクロスを入れると、香川が後ろにいた原口にヒールで流す。ペナルティーエリア内のほぼ中央でボールを受けた原口が左隅にゴールを決め2?0とサウジアラビアを突き放した。原口は最終予選史上初の4戦連続ゴールとなった。

 このまま試合を終わらせれば、得失点差でサウジアラビアを上回りグループトップに立つチャンスだったのだが、終了間際にはサウジアラビアが波状攻撃。GK西川が好セーブを見せるも、最後はオスマンがゴールを決め2?1と詰め寄られる。

 ロスタイムが3分と、まだまだ同点が狙えるサウジアラビアはなおも猛攻。

 しかしハウサウィが2枚目のイエローをもらい退場となるなど、最後の最後でまたまたひと悶着。それもあり6分という長い長いロスタイムとなってしまい、シャムラニのヘッドで冷やりとさせられる場面もあったが、西川が好セーブ。やっとロスタイムが終了し、日本が逃げ切った。

サッカーJ2で札幌が優勝

2016.11.24 Vol.679

 サッカーのJ2リーグの最終節が20日に行われ、首位のコンサドーレ札幌がツエーゲン金沢と0?0で引き分け、勝ち点85で優勝を果たした。勝ち点3差で札幌を追っていた2位の清水エスパルスは徳島ヴォルティスを2?1で破り勝ち点84で2位。札幌と清水の来季J1自動昇格が決まった。札幌は5季ぶり、清水は2季ぶりのJ1。

 札幌は今季、5月に5年ぶりに首位に立つと順調に勝ち点を重ねた。優勝が見えてきた10月に2連敗を喫するなど足踏み状態が続いたが、第41節で千葉相手に後半ロスタイムでの決勝ゴールで劇的勝利を収め踏みとどまり、最終節で優勝を決めた。

日本は劇的勝利と惜しいドローでB組3位に浮上

2016.10.21 Vol.677

サッカーW杯アジア最終予選 

 サッカーの2018年ワールドカップ(W杯)ロシア大会への出場をかけたアジア最終予選のイラク戦(6日、埼玉・埼玉スタジアム)とオーストラリア戦(11日、メルボルン・ドッグランズスタジアム)が行われた。日本はイラクに2-1で勝利し、オーストラリアとは1-1の引き分け。勝ち点7としB組の3位に浮上した。

 イラク戦は所属クラブで出場機会が激減している香川、長友が控えに回り、清武がトップ下で先発。前半26分に、その清武からのパスを原口がヒールで技ありのゴールを決め先制。しかし後半15分にヤシーンのフリーキックからアブドゥルアミールに頭で決められ失点。

 その後、何度もイラク陣内に攻め込むものの決められず、ロスタイムへ。試合後半、時間稼ぎでピッチに倒れ込むイラク選手が多かったことからロスタイムは異例の6分。最後の最後に途中交代で出場していたMFの山口蛍が清武が放ったフリーキックのこぼれ球をダイレクトボレーでゴールにたたき込み、薄氷の勝利を収めた。

 続くオーストラリア戦はイラク戦から先発4人を入れ替え、本田をワントップに置き、香川がトップ下に復活。しかしサイドバックで起用の予定だった長友が練習中の接触プレーで脳震とうとなり、出場不可能。これまで先発していた酒井宏樹が警告の累積で出られないなど、サイドバックに不安を抱えてのスタートとなった。

 日本は前半5分にカウンターからポスト役の本田がボールをキープし、走り込んできた原口が3試合連続ゴールを決め先制。理想的な形での得点に一気に勝利の機運が高まったが、後半7分、ディフェンス面でも積極的に仕事をしていた原口がペナルティーエリア内でユリッチを倒してしまい、痛恨のPK献上。これを決められ1-1の同点に。

 ハリルホジッチ監督はその後、清武、浅野を投入し勝ち点3を取りにいくが、ロスタイムにはDFの丸山を投入しドローで試合を終わらせ勝ち点1を死守した。

 日本が戦うB組は4試合を終えサウジアラビアが勝ち点10で首位。日本は11月15日に、そのサウジアラビアとホームで対戦。この試合ばかりは文字通り、負けられない戦いとなる。

サッカーW杯最終予選メンバー発表 “精神的支柱”川島が復帰

2016.09.29 Vol.675

 

 日本サッカー協会は29日、2018年サッカーワールドカップ(W杯)ロシア大会のアジア最終予選、イラク戦(6日、埼玉・埼玉スタジアム)とオーストラリア戦(11日、メルボルン・ドッグランズスタジアム)の日本代表メンバー26人を発表した。本田、香川、長友といった常連組が選ばれるなか、DFの植田、MFの永木といったフレッシュな顔ぶれも見られた。

 またGKの川島が代表に復帰した。川島は現在、フランス1部のメスに所属するも第3GKの扱いで試合出場はないのだが、ハリルホジッチ監督は「エイジはプレーはしていないが、プレーしていないのは残念ながら彼だけじゃない。エイジにはグループの中で特別な役割を担ってもらわなければいけない。発言力もあるし、チームに良いスピリットをもたらせるんじゃないかなと思っている。そしてリーダーの一人でもある。経験もある。厳しいこの戦いには、彼のグループの中での存在感が必要になってきます」と精神的支柱としての役割を期待しているようだ。

 監督はかねてからクラブで試合に出ていない選手は使わないと言っていたが「川島、長友、吉田、長谷部、香川、清武、本田、岡崎、宇佐美、武藤を除いてしまうと、誰と交代しますか? かなり難しい。だからこのような選択は私にはできないということです」と説明。しかしドイツで活躍中の大迫の名が上がった時には「岡崎よりもいいプレーをしていれば、岡崎を呼ばずに大迫を呼ぶことになるだろう。岡崎がキャップ数100を超えていても、そこは関係ない。それは皆さんに公言できるし、これは全選手に対するメッセージでもある」と話した。また海外組については「3カ月も4カ月も先発を取れない状態が続いたら、それは全く違う問題が起こる。それは起きてほしくないことだが」とも話した。

いきなり背水の陣もタイに2−0勝利 サッカーW杯アジア最終予選初戦敗退国はW杯に出られない? そんなジンクス吹っ飛ばせ!

2016.09.11 Vol.674

 サッカーの2018年ワールドカップ(W杯)ロシア大会出場へ向け、最後の戦いとなるアジア最終予選が始まった。

 6大会連続出場を目指す日本はB組でオーストラリア、サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)、イラク、タイと戦う。グループ2位までが無条件で本大会への出場権を獲得。各グループの3位はホーム&アウェーの2試合を行い、その勝者は北中米カリブ海の最終予選で4位なった国との大陸間プレーオフに回る。

 日本は9月1日、初戦でUAEと戦い1−2で敗れた。1998年フランスW杯以降、アジア最終予選の初戦に負けたチームが本大会に出た例はない。

 中4日空けて、6日にはアウェーでタイと対戦。ハリルホジッチ監督はUAE戦からFW岡崎とMF清武、大島に代わり、FW浅野とMF原口、山口蛍を先発で起用した。日本は前半18分右サイドから酒井宏の鋭いクロスを原口がヘッドで合わせて先制点。その後も地力で勝るタイを相手に再三チャンスを作るものの、決定力に欠き、1−0のまま前半終了。

 後半には9分にペナルティーエリア内での相手DFのハンドが認められないなど、不可解ジャッジが続いた初戦を思い出させるシーンもあり、何とも嫌なムードが漂ったが、30分に長谷部の浮き球のスルーパスに走り込んだ浅野がDFを振り切りシュートを決め2−0と突き放し勝利を収めた。

 長谷部とともにWボランチを務めた山口蛍も安定した守備を見せ相手の攻撃の芽をしっかりつぶす。ハリルホジッチ監督の選手起用がズバリとはまった。

 勝利が至上命題だった試合できっちり勝って勝ち点3を獲得したが、シュート数で23本対3本と上回り、後半、足が止まったタイを相手にもっと点が取れたのでは?という内容でやや不安を残した。

 日本の次戦は10月6日、埼玉スタジアムでのイラク戦。そして11日にメルボルンで豪州と対戦する。

不可解判定にハリル監督は「審判に聞いてみてほしい」

2016.09.09 Vol.674

 サッカーの2018年ワールドカップ(W杯)ロシア大会アジア最終予選の初戦で日本は1日、埼玉スタジアムでアラブ首長国連邦(UAE)と対戦。1?2で逆転負けした。

 日本は前半11分に清武のフリーキックを本田がヘッドで合わせ先制点。上々のスタートを切ったが、19分には吉田がペナルティーエリア際の正面でFKを献上。これをUAEのハリルがゴール右上に直接決め、同点。後半8分には、この日A代表デビューで先発に抜擢されたMF大島がペナルティーエリア内でアルハンマディを倒してしまいPKを与えると、これをハリルがきっちりと決めリードを許した。

 まだ試合時間は30分以上残っており、日本も反撃したが、32分の浅野のシュートがゴールラインを割っていたにもかかわらずノーゴールと判定されるなど、最後まで不可解な判定に泣かされた。23分に宇佐美がペナルティーエリア内で倒れた場面で笛が吹かれなかった時は、ハリルホジッチ監督がピッチ内にまで入って怒りをあらわにした。

 試合後、ハリルホジッチ監督は「心の底からガッカリしている。この結果で我々の実力が示された。これを受け入れるしかない。ボールをより早く動かしてほしいと要求したが、残念ながらできなかった。我々が望んだプレーを実行できなかった。相手のほうがリアリストだった」と振り返った。そしてノーゴールと判定された浅野のシュートをはじめ審判のジャッジについて問われると「私は誰が笛を吹くのか知りたいと常に要求していた。しかし、我々の関係者は誰も直前まで誰が笛を吹くか把握していない体たらくだった。我々はしっかり点を取った。しかし、受け入れられなかった。彼らはPKを吹いてもらって、我々も吹いてもらえる状態ではあったが、あのようなジャッジで残念だ。普通はラインを越えたらゴールだと思う。それは審判に聞いてみてほしい」とジャッジへの不満を口にした。

 マンオブマッチに選ばれた本田も会見し「この1試合ですべてが終わるわけではないことをポジティブに受け止めたい。残り9試合、すべて勝つつもりで気持ちを切り替えたい」と語った。そして問題の浅野の幻のゴールについては「真横で見ていて入ったのが分かっていた。ピッチ上では覆るかな、と思って言いましたが、今からは覆らないので、どうこう言うつもりはない。この先こういうことが起こらないように。例えば疑問に思ったのが第4の審判がなぜいないのか。すぐに探したんですけど、ラインズマンしかいなかった。そこにまず疑問を感じた。言い訳をするつもりはないが、どこのチームも強くなっている中で、簡単にいかない試合がこの先もあるということを分かったうえで、そういうところのレベルも求めたい」と話した。

Jリーグ放送権売却 10年総額2100億円

2016.07.22 Vol.671

 

 Jリーグは20日、2017年以降の放送権について、英国の動画配信大手、パフォーム・グループと、10年間の長期契約を結ぶことで合意したと発表した。放送権料は総額約2100億円。スカパーJSATなどと結ぶ現行の年推定約50億円から大幅増となり、Jリーグによると、日本のスポーツ放送権料で過去最高額となる。

 パフォームでは、スポーツの新規動画配信サービス「DAZN(ダ・ゾーン)」でJ1、J2、J3のリーグ戦全試合を生中継し、スマートフォンなどで定額で視聴できるようにする。地上波やBS放送については、今後協議する。今季で契約が満了するスカパーは、パフォームからサブライセンスを取得して放送する可能性がある。

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