夏休みも中盤に入り、見回せば日本各地で夏フェスが開催されている。7月22日から3日間、日本の夏フェスを代表するフジロックフェスティバルが新潟の苗場スキー場で開催された。20回目のスペシャルなフジロック。音楽、人、カルチャー、さまざまな要素が入り混じりあったフェスの模様をリポートする。
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夏フェスシーズン到来! まずは気持ちからアゲていこう!FUJI ROCK FESTIVAL 20TH ANNIVERSARY COLLECTION (1997-2006) FUJI ROCK FESTIVAL 20TH ANNIVERSARY COLLECTION (2007-2016)
日本の夏フェスを代表するフェスの1つであるフジロックこと、フジロックフェスティバルが 20回目の開催というア二バーサリーイヤーを迎える。それを記念し公式コンピレーションアルバムがリリースされる。最初の10年をまとめた〈1997-2006〉、それ以降現在までの〈2007-2016〉の2作品。それぞれ異なるレーベルからリリースされることになっていて、それぞれのコンピ盤がレーベルの垣根を超えて、フジロックを彩ってきたアーティストによる楽曲を収録。
前者は、フジロック常連であるうえに、昨年骨折をおして出演し玉座でロックしたフーファイターズの『Everlong』、今年ヘッドライナーを務めるベック『Where It’s At』、そしてザ・ケミカル・ブラザーズの代表曲『Hey Boy Hey Girl』、今年出演するクーラ・シェイカー『Hey Dude』など全18曲を収録。後者は、今年のヘッドライナー、レッド・ホット・チリ・ペッパーズ『Dani California』でスタートし、JET『Are You Gonna Be My Girl』、ファン『We Are Young (feat. Janelle Monae)』、コールドプレイのアンセム『Yellow』と世界的に大ヒットを収めたナンバーが並ぶ。ザ・フレーミングリップス『Do You Realize??』、そしてザ・ポーグスの『Fiesta』まで全20曲のボリュームは聴きごたえたっぷりだ。
[COMPILATION]FUJI ROCK FESTIVAL 20TH ANNIVERSARY COLLECTION(1997-2006)はワ−ナー、同(2007-2016)はユニバーサルより 6月29日(水)発売 各2500円(税別)
猛暑、酷暑も吹き飛ばせ! 夏フェス沸騰中!
猛暑日が続くなか、音楽シーンはさらにその上を行く熱を帯びている。毎週末、各地で夏フェスが行われ、国内外のアーティストがエネルギッシュなライブを繰り広げている。
いわゆる夏フェスが夏祭りのように親しまれるようになるなかで、音楽のパワーやロックのすごさを味あわせてくれたのが、フジロックフェスティバル(以下、フジロック)のヘッドライナーを務めた米ロックバンドのフー・ファイターズだ。初日となった7月24日、ヘッドライナーとして登場したバンドは、迫力のロックパフォーマンスと、ちょっとした笑いも含む唯一無二のショーで、一番大きなステージを沸かせた。
ボーカルのデイヴ・グロール(写真)は、6月にスウェーデンで行われたコンサートでステージから落下し、右足を骨折。英国のグラストンベリーフェスティバルを始めいくつかのフェスの出演は見送り、7月からライブに復帰した。とはいえ、フジロックでもギプスに松葉杖姿。ただ、そこはエンターテイナーでもある彼ら、その骨折をネタにオンリーワンのライブを展開したのだ。
まずは、ステージ中央に設置された玉座を思わせる椅子。デイヴはこの前後に移動するこの椅子に座って、たっぷり2時間、歌い、激しくギターをかき鳴らした。楽曲も冒頭から『Everlong』『Monkey Wrench』、そして『Learn To Fly』と盛り上がらずにはいられない楽曲を並べた。途中、松葉杖で歩く場面もあったが、ほとんどは椅子の上で、怪我をした右足の上にギターを置いてプレーするようなシーンは印象的だった。
さらに、デイヴは、スウェーデンでのライブ映像をモニターに映し出し問題のシーンを検証したり、レントゲン写真も披露。そのうえ、「どうしたらライブができるかって思いついたのが…玉座だ」(デイヴ)と、自ら描いたというラフなデザインスケッチが大写しに。オーディエンスは盛り上がらないわけがなかった。
フェスシーズンは続く。今後も音楽のカッコいい瞬間が生まれそうだ。
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フジロックフェスティバルの興奮が再び! The Heavey
今夏のフジロックフェスティバルで、朝早い出番であったにも関わらず、多くのファンを集めて、エネルギッシュなライブで楽しませてくれた、英ロックバンドのThe Heavey(ザ・ヘヴィー)が単独でジャパンツアーを開催。東京でも21日、フジロックの興奮を再び体感させてくれそうだ。
バンドは、UK南部に位置するバース出身の4人組。黒人ボーカルが世界を躍らせたブロックパーティーを彷ふつとさせるが、The Heaveyはその名の通り、ズトンと重厚感のあるロックとソウルのグルーヴが融合した魂を揺さぶる音楽を響かせる。
2008年のデビューからすでに3枚のアルバムを発表。彼らの楽曲は本国UKはもちろん、北米でも愛されて、CMや映画『ザ・ファイター』、同『テッド』のトレイラーなどに使用されて注目の的となった。ここ日本ではというと、何よりも楽曲だ。小栗旬が桃太郎役で出演した、CMの枠を飛び越えたかっこよさで人気を集めたペプシのCMシリーズのパワフルな楽曲『Same Ol’』で、多くの人の心をわしづかみにした。
フジロックではとてつもないパワフルかつソウルフル、そしてファンキーなグルーヴを苗場中に響かせたが、それがライブハウスという密閉空間になったときどのように変化して魅力を放つのか。それを知るには、自分自身でその場に行って、目撃・体験するほかに方法はない。
FUJI ROCK FESTIVAL’14リポート
苗場はオフステージも楽しさでいっぱいだった!
「その場所にいること」を楽しませてくれるフジロックは、今年もさまざまなアングルから来場者を楽しませた。初日、中日は気持ち良すぎるほどの晴天。日差しが照りつけ文字通り汗が噴き出すような暑さに、太陽が高く昇るころには誰もが長靴を脱ぎ捨てたいような天候だった。そのためか、初日からドラゴンドラ乗り場には行列ができ、会場内を流れる川は足を浸す人があふれた。また、林の中のボードウォークには涼しげに歩く人たちの姿が見受けられた。今年もステージをつなぐルートにはさまざまなキャラクターが潜んでいて、歩きまわるだけでもフジロックを楽しめた。
足場の良さからか、フェスサイトの深部に足を運ぶ人も多かったようだ。最深部のエリアでは、みんなで思い思いに太鼓などでリズムを刻む「ドラムサークル」や、バランスをとってベルトの上を歩く「スラックライン」(綱渡り)に大人も子供も夢中になっていた。
また小さな子供やベビーカーで赤ちゃんを連れた家族客も増加。子供たちは音楽に合わせて体を動かしたり、しゃぼん玉を飛ばしたりとご満悦。キッズエリアの小さなメリーゴーラウンドや巨大なシーソーでは、笑い声を上げて楽しんでいた。その風景を背景にして「Peaceful isn’t it ?」とピースフルな笑顔で写真撮影をしていた海外からの観客も。すれ違う人みんなが大きな笑顔を浮べて、3日間の苗場の音楽の夏祭りを満喫していた。
FUJI ROCK FESTIVAL’14リポート
みんな集まれ!苗場で音楽の夏祭り
日本が世界に誇る夏フェス、フジロックフェスティバルが7月25〜27日の3日間、新潟・苗場スキー場で開催された。例年通り国内外のトップバンドや実力派アーティストが集まったフェスには、トータル10万超のオーディエンスが足を運び、音楽の夏祭りを堪能した。
【フジロック14リポート】歓喜あふれるリップスのライブ!
音楽はボーダレス! 国も時代も世代も超える!
フューチャロロジー<未来派宣言> / マニック・ストリート・プリーチャーズ
フジロックフェスティバルに出演するUKのビッグネーム、マニック・ストリート・プリーチャーズが、来日直前に新作アルバムというハッピーなプレゼントを届けてくれた。本作は、前作とは相反する、完全にエレクトリックな作品になった。フューチャー(未来)というワードがタイトルに入っているし、未来的なジャケットワークからも想像できる。とはいえ、一度聴いたら忘れられない強烈なメロディーを持つ楽曲の数々で世界各地で支持を集めてきた彼ら。そのカラーを生かしたままでのエレクトリックだ。リード曲の『橋まで連れていってくれ(Walk Me To The Bridge)』を聞けば分かる。前作では日本を取り上げていたが最新作ではヨーロッパに視線を向けている。エネルギーあふれるマニックスは永遠。本作で再確認できる。