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金田正一さん(日本唯一の400勝投手)【今月の“人”】

2019.10.13 Vol.723

 日本のプロ野球で歴代最多の400勝を挙げた金田正一さんが10月6日午前4時38分、急性胆管炎による敗血症のため東京都内の病院で死去。86歳だった。

 金田さんは1950年、高校3年の夏の甲子園の県予選敗退後に愛知・享栄商高(現享栄高)を中退し国鉄(現ヤクルト)に入団。8月デビューながら、この年、8勝を挙げた。そして2年目から14年連続20勝以上をマーク。1965年に「10年選手制度」(現在のFA制度の前身)で巨人に移籍。通算400勝を達成し、1969年シーズンでユニホームを脱いだ。

 その後、1973〜78年にロッテの監督を務め1974年にリーグ優勝と日本シリーズ制覇を達成。1990年から2シーズン再びロッテの指揮を取った。

 今でこそパ・リーグも多くの観客を集めるようになったが、金田さんがロッテの監督を務めていた当時はセ・リーグに人気の面では大きく水をあけられていた。

 そんな中、金田さんは試合前、必ずベンチ前に現れて「やったるでぇ〜」と叫んでお客さんを巻き込み球場を盛り上げ、時には乱闘も辞さない立ち回りで人気を博した。

【今月の“人”】曺国(チョグク)前大統領府民情首席秘書官

2019.09.05 Vol.722

 韓国の文在寅大統領の最側近。先月上旬、法相に指名された。

 しかしその指名後に娘の大学不正入学、息子の兵役逃れ、家族の私設ファンドへの不透明な投資といった疑惑が次々と浮上し文政権を揺るがす事態となった。

 曺氏の娘(28)は、高校時代に大学医学部の研究所でわずか2週間インターンをしただけで研究論文の筆頭著者となり、この〝疑惑の論文〟による高麗大学への不正入学のほか、ソウル大大学院などでの奨学金の不正受給疑惑もあり、検察が捜査。

 韓国では閣僚を任命する際、適性を審査するため国会で人事聴聞会が開かれることになっている。曺氏も9月2、3の両日に聴聞会が開かれることになっていたのだが、直前になって中止となったため曺氏は2日急きょ会見を開いた。

 会見は11時間にも及んだが、会見には疑惑を追っていた社会部の記者ではなく政治部の記者が参加していたため、追及が弱く、曺氏が逃げ切った格好となった。

 聴聞会を開かないまま任命を強行するかと思われた文氏だったが、世論の反発や野党側の非難を避けるためか、4日になって急きょ6日に聴聞会を開くことを決めた。

【今月の“人”】山下泰裕 JOC会長「東京五輪を成功に導かなければならない」

2019.07.07 Vol.720

 日本オリンピック委員会(JOC)は6月27日、東京都内で評議員会を開き、山下泰裕全日本柔道連盟会長ら27人の理事就任を承認した。その後の臨時理事会では、山下氏が互選により新会長に選出され、2020年東京五輪に向けた新体制が発足した。

 山下氏は記者会見で「責任の重さを痛感している。東京五輪を成功に導かなければならない」と抱負を述べた。

 山下氏は柔道の全日本で9連覇を達成し、1984年のロス五輪無差別級では金メダルを獲得。国民栄誉賞を授与されるなど日本柔道界のレジェンド的な存在。

 山下新会長の誕生は、東京五輪招致をめぐる不正疑惑でフランス当局の捜査対象となっている竹田恒和前会長の退任によるもの。

 その不正疑惑により組織として機能不全に陥っていることが露呈されたJOCの立て直しを任された格好となった山下氏だが、就任のあいさつで「私一人にできることは限られている。(新役員)それぞれ役割を明確にし、みんなで努力していきたい」と語るように山下氏一人でできることではない。

 新たな船出の日に東京五輪の組織委員会の森会長が「もういっぺん、JOC、スポーツ協会が一本化したらいろんな意味でいいなと思っている」などと発言するなど前途多難を感じさせるが、山下氏の手腕に期待したいところだ。

丸山穂高 衆院議員【今月の“人”】

2019.06.08 Vol.719

 日本維新の会の丸山穂高衆院議員が北方領土へのビザなし交流訪問団に同行した際、国後島の宿舎で酒に酔い、元島民の団長を相手に戦争による北方領土奪還の是非を問うなどした。維新の会は5月14日、丸山氏を除名した。維新は丸山氏に議員辞職を促したが、同氏は「言論の自由が危ぶまれる」などと拒否。立憲民主党や日本維新の会など野党6党派は17日、辞職勧告決議案を衆院に共同提出。自民党は当初は非難決議案の提出にとどまったが、その後、丸山氏が国後島の宿舎から夜間外出しようとしたことなど新たな事実が判明したことから6月3日には公明党とともに直ちに進退判断を促す「糾弾決議案」を提示。野党も同調した。

 丸山氏は除名後、ツイッターでロシアに謝罪した維新幹部を批判。20日には辞職勧告決議案について「言論府自体が自らの首を絞めかねない行為だ。(可決されても)絶対に辞めるわけにはいかない」と国会内で記者団を前に議員辞職を改めて否定した。しかし公の場に出たのはこれが最後。24日には体調不良を理由に衆院議院運営委員会の事情聴取を欠席。2カ月の休養が必要との診断書を提出した。ツイッターでは「こちらも相応の反論や弁明を行う」などと息巻いていたのだが…。

 この間、丸山氏については戦争発言以外にも禁止されている夜間外出を強行しようとしたり、「女を買いたい」といった発言をしたなどとさまざまな関係者の発言が報道されている。

仲邑 菫初段(プロ棋士)【今月の“人”】

2019.05.11 Vol.718

 4月1日付で史上最年少の10歳0カ月でプロ入りした囲碁の仲邑菫(なかむらすみれ)初段が4月22日、大阪市北区の日本棋院関西総本部で公式戦初対局に臨んだ。

 第29期竜星戦の予選で対戦相手は同期の大森らん初段。「スミレとランの同期対決」として注目を浴び、約40社100人の報道関係者が詰めかける中スタートした対局は途中まで互角だったものの、積極的に打った仲邑初段の生じた隙を突いて大森初段が反撃。そのまま大森初段が174手までで白番中押し勝ちした。

 仲邑初段は「緊張してうまく打てなかった。悔しい」と話した。

 しかし28日には非公式戦「若竹杯」1回戦で種村小百合二段(37)に勝ち、プロ初勝利を挙げた。

 若竹杯は日本棋院関西総本部所属で40歳以下の棋士16人で行われるトーナメント。種村二段との対局は仲邑初段が積極的に攻め、そのまま押し切った。仲邑初段は「あまり緊張せずに打てた。勝ててうれしい」と笑顔を見せた。

 仲邑初段は大阪府出身で、師匠は父で関西総本部所属の信也九段(46)。3歳から囲碁を始め、日本棋院が新設した「英才特別採用推薦棋士」としてプロ入りし話題を集めていた。

【今月の“人”】元横綱・双羽黒、格闘家・北尾光司

2019.04.06 Vol.717

 大相撲の第60代横綱双羽黒でプロレスラー、総合格闘家としても活躍した北尾光司さんが2月10日、慢性腎不全のため死去していたことが3月29日に分かった。故人の希望ですでに家族葬が行われた。

 中学卒業後に立浪部屋に入門。本名の「北尾」のしこ名で活躍し、優勝経験がないまま1986年に22歳で横綱に昇進。部屋の先輩横綱「双葉山」と「羽黒山」のしこ名から「双羽黒」に改名した。62年暮れに若手の指導をめぐって師匠と対立し失踪。大晦日に現役を引退した。

 廃業後は「スポーツ冒険家」を経てプロレス入り。新日本プロレス、WARと渡り歩くが各所でトラブルを起こし、総合格闘家へと転身。1992年にUWFインターで髙田延彦と対戦し、ハイキックでKO負けを喫した。その後は初期のPRIDEやUFCにも参戦。1998年に引退した。

 2003年には立浪部屋のアドバイザーに就任していた。25年には腎臓病を患い闘病生活を送っていた。

【今月の“人”】籠池泰典被告

2019.03.08 Vol.716

 国や大阪府・市の補助金をだまし取ったなどとして詐欺罪などに問われた学校法人「森友学園」前理事長、籠池泰典被告(66)と妻の諄子被告(62)の初公判が3月6日、大阪地裁で開かれた。

 両被告は起訴内容のほとんどを否認した。両被告は罪状認否で意見陳述書を朗読。籠池被告は「国有地問題などからの目くらましの国策捜査だ」などと検察側を批判した。国の補助金詐欺については「だましていない」などと無罪を主張。府・市分は、籠池被告が一部は適法と主張し、諄子被告は無罪だと訴えた。

 今後、10月30日の結審まで15回の公判期日が指定されている。この間、19人の証人尋問が予定され、5〜6月に国の補助金に関する関係者10人、7月に大阪府・市の補助金についての関係者9人を実施。被告人質問は8月28日と9月2日に予定されている。

 公判の行方次第では財務省の決裁文書書き換え問題が再燃する可能性もある。

【今月の“人”】細野豪志衆議院議員(二階派特別会員)

2019.02.07 Vol.715

 旧民主党で幹事長を務め、2017年9月に希望の党の結党メンバーとなったものの、2018年4月の民進党と希望の党が合流した国民民主党の結党には参加せず、無所属で活動していた細野豪志元環境相。1月31日に自民党二階派(志帥会)に特別会員として入会した。

 細野氏は二階派の会合後、「(目指してきた)二大政党というやり方ではなく、まずは志帥会に入って(政策を)実現していくべきではないかと判断した」などと今回の判断を説明した。2月4日に東京都内で開いた政治資金パーティーでは「自民党の中で自分の政策の実現を目指す」と改めて自民党入党の意欲を見せた。しかし選挙区の衆院静岡5区には岸田文雄政調会長率いる岸田派の元職・吉川赳氏がいる。細野氏が選挙区を変えなければ、次の衆院選では吉川氏と党公認を争うこととなるが、細野氏は「選挙区を出る時は政治家を辞める時」と明言しており、後々火種となりそう。

【今月の“人”】菊池雄星投手(シアトル・マリナーズ)

2019.01.11 Vol.714

 日本プロ野球界の西武からポスティングシステムで米大リーグ入りを目指していた菊池雄星投手のマリナーズ入りが1月2日(日本時間3日)決まった。

 契約内容は最大7年126億円で、契約解除の権利、契約選択権など複雑なものとなった。また起用法も6試合に先発した後、1試合は1イニングだけの登板とするといった、肩やヒジの疲労のケアに気を使ったものとなっている。

 菊池は3日(同4日)にマリナーズの本拠地であるTモバイルパークで入団会見を行ったのだが、海外の記者の英語の質問にはほとんど英語で答え、日本のファンを驚かせた。

翁長雄志(沖縄県知事)【今月の“人”】

2018.08.12 Vol.709

 がんの治療を続けていた翁長雄志沖縄県知事が8月8日午後、すい臓がんのため入院先の浦添総合病院で死去した。67歳だった。

 翁長氏は7日から意識混濁の状態に陥り、謝花(じゃはな)喜一郎副知事が職務を代行していた。

 謝花氏によると、翁長氏は4月に切除手術を行った膵がんが肝臓に転移しており、7月30日から浦添総合病院に入院していたという。

 翁長氏は那覇市生まれ。会社役員を経て那覇市議や県議、那覇市長を歴任。自民党県連幹事長も務めた。平成26年11月に普天間飛行場の辺野古移転の手続きを進めた仲井真弘多氏を破って初当選。一貫して政府に対決姿勢を取り続け移設反対運動の象徴的存在だった。

 7月27日には辺野古移設に関し仲井真氏が出した埋め立て承認の撤回に踏み切る考えを表明していた。

 知事選は翁長氏の任期満了(12月9日)に伴い11月1日告示、同18日に投開票の日程が決まっていたが、前倒しされ9月中には行われる見通しだ。

【今月の“人”】ネイマール(サッカーブラジル代表)

2018.07.07 Vol.708

 サッカーの「ワールドカップ(W杯)ロシア大会」は残すところ準決勝(10、11日)と決勝(15日)のみとなった。

 今大会からの試みとして、ビデオ判定補助システム「ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)」が導入された。これは試合結果を大きく左右する誤審を防ぐために、別室で映像をチェックする審判を置き、主審に助言するもので、それによってPKが与えられたり取り消されたりと試合の行方を大きく左右した。

 映像で見返すだけあって、その判定は十分に納得できるものに落ち着き、おおむね好評だ。

 しかし新たな副産物も生むことになる。それは今までだったら「倒された」と納得していたプレーが実は「倒れていた」ということや「それくらいで倒れる?」と感じさせるプレーが白日の下にさらされてしまうということ。

 これまでは「マリーシア」(ずる賢い)という便利な言葉で表現されていたプレーが失笑を買うケースが増えてきた。
 ネイマールに関してはその大げさだったり不自然だったりの倒れ方がメディアで批判され、また何度もリプレイされることで、ネット上でもいじりの対象となった。

 まあ「演技は下手だが受け身は上手い」ということなのか…。

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