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永瀬正敏「箱に入ると安心感が」浅野忠信「中でパンツ脱いでも気づかれません」

2024.08.24 Vol.web original

 

 公開中の映画『箱男』の舞台挨拶が24日、都内にて行われ、俳優の永瀬正敏、浅野忠信、白本彩奈、佐藤浩市と石井岳龍監督が登壇。永瀬と浅野が“箱”に入っての芝居を振り返った。

 1997年、石井監督(当時:石井聰亙)が原作・安部公房本人から映画化を託され製作決定するも、ドイツでのクランクイン前日に突如とん挫 。27年を経て、当時と同じ主演・永瀬正敏、共演・佐藤浩市をそろえ完成させた。

 ついに迎えた公開に主演・永瀬は「感無量です」と語り「原作に世の中が近づいてきたのかな、安部公房さんて予言者じゃないかと思います。今、SNS…でしたっけね(笑)、ほぼ全員がスマホをお持ちになって。監督も“1人1台持っている、それこそ箱じゃないか”と。27年前より理解してくれる人が増えたのでは」。

 当時、永瀬と一緒にドイツで撮影前日の撮影中止を経験した佐藤は「情報がナロー(狭い)だった27年前、情報量が広がっているのに何かが狭くなっている今。その対比も興味深い」と27年越しの映画化に感慨深げ。

 当時、撮影とん挫の話を聞いて驚いたという浅野は「皆さんが27年温めてきた思いが伝わった」と参加に感激。

 段ボールの箱を被って生きる男たちを演じた永瀬と浅野。箱に入った感覚を聞かれた永瀬が「いろんな気持ちになりますよ。安心感もあるし恐怖感もあるし。ぜひ皆さん、一度入って体験していただければ。ただ、撮影中暑くて。浅野くんはほぼ“パンイチ”でやっていたりした」と暴露すると、浅野も「入ると、皆さんが存在を忘れてくれるんです」

 スタッフが準備で忙しくなってくると「忘れられて誰にも合図もされなくて。でもそれが心地よくなっていく。箱男の気持ちが分かりました」と振り返った浅野。さらに「見られないのは気持ちいいです。誰も相手にしてくれない。中でパンツ脱いでても気づかれない(笑)」とニヤリ。

 永瀬が「僕だけ気づいた(笑)」と話しに乗ると、浅野は「確かになぜかお互いに箱に入っている永瀬さんとだけは目が合ったりした」と言うと、永瀬も「何かが芽生えるような感じでした」と目を見合わせた。

 最後に「おめでとうございます」と改めて石井監督をたたえた永瀬。石井監督も「本当に感無量です。例えて言うならビックリハウスのような映画。いろんな見方ができるようにしてあります」と観客それぞれの感想に期待を寄せていた。

永瀬正敏!浅野忠信!佐藤浩市!豪華キャストを箱に閉じ込めた超シュール文学映画『箱男』がとりあえずスゲェ!【黒田勇樹のハイパーメディア鑑賞記】

2024.08.14 Vol.web Original

 こんにちは、黒田勇樹です。

 このコラムの担当編集さんが、先日、猛暑の中、外を歩いていて急に眠くなったそうです。皆さんもお気をつけください。

 しばらく潜伏していたので、ただ今、今後の仕事について整理中です。なるべく早いうちに皆さんにお知らせできればと思ってますので、もうしばらくお待ち下さい。

 では今週も始めましょう。

歌舞伎町で「馬陽の戦い」!? 映画『キングダム』プレミアに最新作キャスト12名集結

2024.06.13 Vol.web original

 

 映画『キングダム 大将軍の帰還』(7月12日公開)のワールドプレミアが13日、都内にて行われ、俳優の山﨑賢人、吉沢亮、大沢たかお、清野菜名ら豪華キャスト12名と佐藤信介監督が登場。主演の山﨑が秦国・趙国の軍を従えレッドカーペットで気炎をあげた。

 中国春秋戦国時代を舞台に、天下の大将軍になるという夢を抱く戦災孤児の少年・信と、中華統一を目指す若き王・嬴政を壮大なスケールで描く、原泰久による人気漫画を映画化した大ヒットシリーズ最新作。

 ファンの歓声を浴びながら文字通り真っ赤なレッドカーペットを歩いた一同。

 天下の大将軍を目指す主人公・信(しん)役の山﨑賢人は「信を演じてきた山﨑賢人です」とシリーズ1作目から最終章を迎える本作までの年月をかみしめつつ「信と一緒に成長してきた7年間でした。ものすごい映画ができ上ったと思うのでぜひ楽しみに」と意気込み。

 中華統一に挑む若き秦国王・嬴政(えいせい)役の吉沢亮も「最終章と呼ぶにふさわしい本当に素敵な作品ができ上ったと思います」。

 秦国・総大将を務める大将軍・王騎(おうき)役の大沢たかおは「準備を入れると8年くらいこの作品をやってきました。4作目の本作を皆さんに見てもらうことを目指してスタッフキャストは頑張ってきました」と感慨深げ。

 飛信隊副長・羌瘣(きょうかい)役の清野菜名は背中が大きく開いたタイトな黒のドレスで会場を魅了し「レッドカーペットを歩くのは人生で初めてのことだったので興奮しました」、今作の新キャストである謎多き武将・摎(きょう)役の新木優子は「私自身、1作目から映画館で見たファン」と目を輝かせた。

 隣国・趙軍副長・万極(まんごく)役の山田裕貴は「この中で僕だけ敵国の人間で心細いんですけど、作品としては皆さんの仲間」と笑いをさそった。

 キャスト陣全員が口をそろえて「最高傑作」と胸を張った本作。昌文君(しょうぶんくん)役の髙嶋政宏は「話を知っている自分でも(完成作を見て)あまりのすごさに笑って、震えて泣くという、今までに見たことのない映画」、昌平君(しょうへいくん)役・玉木宏も「原作から好きで第1作目が公開されたとき初日に見に行った」と明かしつつ「近年なかなかないスケールの作品」。

 シリーズ4作のメガホンを取った佐藤信介監督は「(製作開始から)実に8年という長い間をかけてシリーズを作ってきました。その積み重ねでしか到達できない作品ができたと思います」と胸を張り、レッドカーペットを囲んだファンも期待に熱狂。

 そんな山﨑は 先日、ニューヨーク・アジアン映画祭で日本人初の「The Best from the East Award」を受賞。「うれしいですね。日本の最高のチームで作り上げた『キングダム』を世界のたくさんの人に観てもらい、評価してもらった」と喜ぶ山崎に大沢は「受賞を聞いたときもまったく驚かなかった。それくらい彼はこの7年間ピュアに信を演じてきたし、僕らはそれに引っ張られてきた」とたたえた。

 この日は、今作で描かれる「馬陽の戦い」さながらに、秦国・趙国それぞれの甲冑を着た両軍兵も集結。山﨑が「最強です!」というチーム。最後は山﨑の掛け声で観客とともに一同が気炎をあげた。

 この日の登壇者は山﨑賢人、吉沢亮、大沢たかお、清野菜名、新木優子、岡山天音、三浦貴大、要潤、髙嶋政宏、山田裕貴、佐藤浩市、玉木宏、佐藤信介監督。

Aぇ! group佐野晶哉「80歳まで芝居を」舞台挨拶で大御所3人からべたぼめ

2024.05.23 Vol.web original

 

 映画『明⽇を綴る写真館』(6⽉7⽇公開)の完成披露舞台挨拶が23日、都内にて行われ、主演の平泉成、共演の佐野晶哉(Aぇ! group)、佐藤浩市、市⽑良枝と秋⼭純監督が登壇。佐野が大御所たちからのほめ言葉に感激をあらわにした。

 あるた梨沙の同名漫画を原作に、さびれた写真館を営む無⼝なカメラマン・鮫島(平泉)と、彼の写真に⼼を奪われ弟子入りを志願する気鋭カメラマン・太⼀(佐野晶哉)の交流を描く感動作。

 平泉が演じる、主人公の老カメラマンに、華やかなキャリアを捨てて弟子入りする
カメラマンを演じた佐野。冒頭「期待の次世代俳優です!」とあいさつし笑いをさそいつつ左右を見渡し「大ベテラン、大ベテラン、大ベテラン、佐野で…緊張しています(笑)」。

 平泉と“58歳差”の絆を育む師匠と弟子のような役どころ。佐野が「僕は勝手に成さんの孫だと思っています。現場でもとても仲良くさせていただいて」と度々メールのやり取りをしていることを明かすと、平泉も「今日はメールは送ってないけどLINEを送りました」、佐野も「メル友です」。

 “期待の次世代俳優”という紹介に佐野は「びっくりしました、予告編で見て」と照れ笑いしていたが“大ベテラン”たちからは、ほめ言葉が続々。

 平泉は「豊かな感性がありますよね。こういうところに立っているときも普通に立ってる。その柔らかさが俳優にとっては大切。ファンの皆さんはどうか分からないけど、藤沢周平の時代劇なんかに挑戦してもらいたい」。

 佐藤からも「映画2本目だよね。今回、意外に難しい役だったけどうまい具合に彼の時代の浮遊感と合致していた」、市毛からも「成さんを見つめる目がキラキラしていて。成さんの世代と若い世代のと、色は違うんですけど、どちらもすごく色っぽかった」とたたえられ、佐野は「本当に幸せです。浩市さんとは前作もご一緒させていただいて。前回“佐野、芝居好きだろ、もっとやったら”と言われてまたご一緒できて本当に幸せです」と感無量。

 大御所たちから先日のCDデビューも祝福された佐野。佐藤から「まだだったの?オレより遅い」といじられると、佐野は「Aぇ! groupの作詞作曲をさせていただく機会はちょくちょくあるんですけど、グループの枠を超えて、いつか浩市さんの曲を作ってみたい」と宣言し、一同大笑い。

 最後に「成さんとお話したとき、“佐野も80になるまで芝居しててくれよ”という言葉を頂いて本当に幸せでした。その言葉だけでもこの映画を見る価値が絶対あると思う」と胸を張っていた。

平泉成「主役をやったことがないのがポリシーだった」79歳で映画初主演に“寅さん”目指す?

2024.05.23 Vol.web original

 

 映画『明⽇を綴る写真館』(6⽉7⽇公開)の完成披露舞台挨拶が23日、都内にて行われ、主演の平泉成、共演の佐野晶哉(Aぇ! group)、佐藤浩市、市⽑良枝と秋⼭純監督が登壇。平泉がキャリア60年にして初主演を飾った感慨を語った。

 あるた梨沙の同名漫画を原作に、さびれた写真館を営む無⼝なカメラマン・鮫島(平泉)と、彼の写真に⼼を奪われ弟子入りを志願する気鋭カメラマン・太⼀(佐野晶哉)の交流を描く感動作。

 60年のキャリアを誇り、6月2日には80歳を迎える平泉。満を持しての初主演に「感無量ですね。昔から継続は力なりと言いますけど、60年やって80歳、こんな素敵な作品で主演をさせていただいて夢のよう」と言い「長い間コツコツと、いつかこういうこともあるだろうとやってきましたけど、79(歳)になったからもう無いだろうと思っていたら…」と秋山監督からのオファーを振り返り「主役ということだと責任もあるので、本を読ませていただいてと。そうしたらとても温かい映画で二つ返事で受けさせていただきました」。

 普段から写真が趣味という平泉だが、今回の役のためにフィルムカメラを熱心に練習していたといい「ズシっと重い、昔のニコンのフィルムキャメラ、素敵でしたよ」とにっこり。

 そんな平泉に、秋⼭監督は「成さんのドラマデビューのときからお世話になっていて。“自分は主役をやったことがないのがポリシー”とおっしゃっていて、いつか自分が撮りたいと思っていた」と明かし「映画第2弾をやったことがないので“寅さん”のように成さんが100歳までやってもらいたい」。

 すると平泉も「皆さんの後押しがあればね」とまんざらでもない様子で、弟子役を演じた佐野も「ぼくの役はどうなっていくんですかね」と続投希望。

 この日は一同に初挑戦したいことは、という質問。佐野は「佐藤浩市さんのブルース曲を作りたい」、市毛は「何か楽器をやりたい」、平泉は「ジャズダンス」と回答。すると佐野が「僕が書いた曲を浩市さんが歌って、そのバックで市毛さんが楽器演奏をして、それに合わせて成さんが踊りましょう」「それを第2弾の劇伴に」という話でまとまっていた。

佐藤浩市、鈴木亮平、菊地凛子、黒木華…TAMA映画賞に豪華受賞者が登壇

2023.11.25 Vol.web original

 

 第15回TAMA映画賞授賞式(第33回映画祭 TAMA CINEMA FORUM)が25日、多摩市・パルテノン多摩にて開催され、最優秀男優賞の佐藤浩市、鈴木亮平、最優秀女優賞の菊地凛子、黒木華といった、そうそうたる顔ぶれが登壇し受賞を喜んだ。

 多摩市及び近郊の市民からなる実行委員が映画ファンの立場から表彰する映画賞。

 本年度最も心に残った男優を表彰する最優秀男優賞に輝いたのは『春に散る』『せかいのおきく』などで深い印象を残した佐藤浩市と、『エゴイスト』、『劇場版 TOKYO MER~走る緊急救命室』と幅広い役どころで存在感を見せた鈴木亮平。

 鈴木は、『エゴイスト』での受賞を「今思うと本当にあの時間はあったのかと思うような夢のような時間でした。それを評価していただいてうれしいです」と感激。駆け付けた松永大司監督も「この作品はゲイの男性の物語なんですが、当事者でない自分が演じることの葛藤から始まって、チームで向き合う中でも亮平が背負うものは大きかったと思う」と労い「本当に努力の人」と鈴木をたたえた。

 鈴木は「自分はこの作品を10年以上経たないと客観的に映画として見られないのではと思うくらい、自分が役者とか演技していることを忘れさせる環境をスタッフ全員で作ってくれた現場でした」と感謝し「自分も年齢を重ねるにしたがって、先輩たちがいかにすごかったかを思い知るようになって。先輩たちが築いてきた役者道のようなものがあるなら自分も恥じることなくそれを継いでいける俳優になれれば」。

 一方、今年は8作品に出演した佐藤。作品の選択について聞かれると「人間関係ですね」と笑いをさそった。この日は『せかいのおきく』の阪本順治監督、最優秀女優賞を受賞した共演の黒木華もトークに参加し二度目の親子役を振り返った。

 最後に抱負を聞かれた佐藤は「抱負…固まってしまいますね」と苦笑しつつ「いつも楽しみにしているのは今までにやったことのない役。この年になるとなかなか無いんですけどね。でもそういう気持ちでいることを心がけています」と語っていた。

 本年度最も心に残った女優を表彰する最優秀女優賞には『658km、陽子の旅』の菊地凛子と、『せかいのおきく』『ヴィレッジ』などの黒木華。

 全身がきらめくタイトなドレス姿の菊地は「今から23年くらい前、役名のついた役を初めて頂いたのが熊切和嘉監督の作品でした。今回、声をかけていただいたとき、今までの20数年感を肯定していただいたような気持ちになりました」と受賞に感激。

 一方、黒木はこの日は和服姿で登壇。「私がTAMA映画賞で最優秀新進女優賞をいただいてから10年。こうしてもどってくることができてうれしい」と喜んだ。恋心を表現するシーンに「33歳が転がって喜ぶのってどうなんだろうと思ったんですが、それが“おきく”なので」と照れ笑い。阪本順治監督も黒木の所作の美しさを絶賛していた。

 他、最優秀作品賞に『怪物』 (是枝裕和監督及びスタッフ・キャスト一同)と『雑魚どもよ、大志を抱け!』 (足立紳監督及びスタッフ・キャスト一同)。特別賞に宮﨑駿監督及びスタッフ・キャスト一同(『君たちはどう生きるか』)と上田誠氏、山口淳太監督はじめヨーロッパ企画及びスタッフ・キャスト一同(『リバー、流れないでよ』)。最優秀新進監督賞に福永壮志監督と金子由里奈監督。最優秀新進男優賞に目黒蓮と奥平大兼。最優秀新進女優賞に山田杏奈と髙石あかり。

松岡茉優「私は真面目でつまらないところある」“マーライオン”意識した演技を自賛

2023.10.28 Vol.web original

 

 公開中の映画『愛にイナズマ』の舞台挨拶が28日、都内にて行われ、俳優の松岡茉優、窪田正孝、池松壮亮、若葉竜也、佐藤浩市と石井裕也監督が登壇。松岡が劇中で初めて挑戦したシーンを振り返った。

 石井監督がコロナ禍で書き上げた完全オリジナル脚本を映画化。映画監督になる夢を理不尽に奪われた花子の“反撃”の物語。

 Filmarksでは石井監督史上最高得点の4.2点を記録したと聞くと、キャスト陣も監督に拍手。一方で「最低点は?」と混ぜっ返した佐藤を、松岡が「おめでたい日なんですから!」と制し、会場も大笑い。

 訳アリ家族の物語に、松岡は「マイノリティーの話と思いきや多くの方が共感してくれている」と感激しつつ「4.2%の方が?」とパーセンテージと勘違いして赤面。5点満点中の4.2点と説明されると「8割以上の方が共感してくれたということですね」と納得し、笑いをさそった。

 石井監督いわく「全員が楽しみ抜いた」という現場を「楽しかった」と振り返った松岡。自身について「私、真面目というかクソ真面目でつまらないところがあるんですけど…」と言い「でも今回、個人的に“やったな、私”と思ったのは、水を吹く場面。監督から“霧吹き”ではなく“マーライオン”でいってほしいと言われて」と盛大に口から水を吹く場面を自画自賛。恋人役の窪田も「いいアーチを描けていました」と太鼓判を押し、松岡も「美しい水吹きデビューでした」とご満悦。

「上映後のお客さんの顔を“花ちゃん”にも見せたくて」と役衣装のジャケットを着用して登場した松岡。最後に「魂が震える会話ができる人と人生でそんなに出会えるものではないのかなとさみしく思うこともあったんですけど、この映画を見た方のコメントを読んで、映画があるじゃないかと思えました。映画って、自分のことを守ってくれて支えてくれて、そうなんだよと言ってくれる最高の相棒なのかなと思いました」と熱い映画愛を語っていた。

 

片岡鶴太郎“ボクサーあるある”を披露「ボクシングやっていた人は何かあるとよくやっちゃう」

2023.09.05 Vol.web original

 

 公開中の映画『春に散る』の舞台挨拶が5日、都内にて行われ、俳優の佐藤浩市、横浜流星、片岡鶴太郎、坂東龍汰と、ボクシング監修の松浦慎一郎が登壇。片岡がシャドーボクシングをしながら“ボクサーあるある”を披露した。

 ベストセラー作家・沢木耕太郎がボクシングに人生を書ける男たちを描いた同名傑作小説の映画化。

 佐藤が演じる仁一の昔のボクシング仲間を演じた片岡。「僕もボクサーの知り合いは多いですが、みんな世界チャンプを目指すけど、なれるのは本当に一握り。でもボクシング以外に魂をたぎらせるものを見いだせなくてどこか世捨て人のようになっている人は現実にも多い」と語りつつ「もう一度ボクシングに情熱をたぎらせることができる幸せな男だった」と自身が演じた役を振り返った。

 鬼塚勝也や畑山隆則のセコンドとして世界戦をともに戦った経験を持つ片岡。この日は、1990年にマイク・タイソンが後楽園ホールでまさかの敗北を喫した試合をモチーフにしたTシャツを着用。

 片岡は「鬼塚チャンプが描いたイラストをTシャツにしたんです。TOKYO SHOCKって。衝撃的なシーンでしたね。あの鉄人タイソンが倒れてマウスピースを拾ったんですよ」と振り返り「その後、耳かんじゃうんですけどね」と、タイソンの“耳噛み事件”をイジり笑いをさそった。

 そんな片岡は、劇中でシャドーボクシングするシーンが印象的だったと言われると、もともと台本にはなく瀬々敬久監督から現場で言われたと明かし「ジムでのトレーニングを監督が見ていてくださったので、どこかで使おうと思っていたんでしょうね。僕も30代にボクシングをやっていましたから。だいたいボクシングをやっている人って、何かあったとき、うれしい時とかお酒飲んで機嫌がいい時とか、悲しい時とか、こうして、やったりするんです」とシャドーボクシングをしつつ“ボクサーあるある”を披露。横浜らボクシングに没頭した共演陣も共感の表情を見せていた。

“ボクサー”横浜流星のステップは「素人ではできない」元チャンプ絶賛に苦労明かす「空手が足を引っ張った」

2023.09.05 Vol.web original

 

 公開中の映画『春に散る』の舞台挨拶が5日、都内にて行われ、俳優の佐藤浩市、横浜流星、片岡鶴太郎、坂東龍汰と、ボクシング監修の松浦慎一郎が登壇。映画を見たボクシング関係者からの感想に横浜が感激した。

 ベストセラー作家・沢木耕太郎がボクシングに人生を書ける男たちを描いた同名傑作小説の映画化。

 ボクシングのシーンでは、対戦相手役の坂東や窪田正孝らと、アドリブで動くこともあったという横浜。佐藤が「2人はヘッドギアつけてるから本当に当てていくんですよね」と舌を巻くと、坂東も「本当に目が怖いんですよ。入る瞬間、流星くん、目がキラッと…」と苦笑。そんな坂東に横浜は「ボクシング経験のある坂東くんだから当ててできた。信頼関係で成り立つものだなと思います」。

 練習を重ねて互いの仕上がりを確認していたという2人。横浜が「とくに坂東くんはどんどん変わっていきましたね」と言うと、坂東は「流星くんは初めて会ったときからバキバキだったんです。常に流星くんはバキバキなんでしょうね(笑)」と笑いをさそった。

 ボクシング実況も務める司会の赤平大アナウンサーは、ボクシング関係者に映画の感想や質問を聞いたと言い「関係者からも、横浜さんのレベルが本当に高い、と。特に足の運び、ステップ、ディフェンスの際のサイドステップ、コンビネーションを打つときの足の動き、これが素人ではできない、と。これは元東洋・太平洋チャンプからです」と紹介。

 横浜は「東洋・太平洋チャンプに少し認めてもらえたような。本当にうれしいですね、その言葉は」と感激しつつ「僕はずっと空手ベースだったので。格闘技を知らない人はほとんど一緒なんじゃないと思うかもしれないけど、逆に空手が足を引っ張ることしかなかったんですよ」と空手経験者だったからこその苦労を明かし「本当に松浦さんに親身に指導していただいて修正していきました」。

「空手のほうが(スタンスは)狭いかな。あとあまりフットワークを使わないですね。素手だし。フットワークはあまりいらない」と比較しつつ「最初の練習とか、僕、足が筋肉痛になりましたもんね」。松浦氏も「下半身の動きを見れば大体分かる。上半身だけでごまかしているとか。今回は足の動きも大丈夫なので(画を)引いても大丈夫」。

 そんな松浦氏が横浜のパンチについて「僕でもめちゃくちゃ痛い。浩市さんは大変だったと思います」と言うと、佐藤も「痛かったですよ、重たいし。でもそこを加減したら画が死んじゃうので。それは僕も流星も分かってるから」と本気のスパーリングを振り返っていた。

山口智子「ボクシング嫌い」から一転、寺地対京口戦を観戦し「美しいと思っちゃった」

2023.08.25 Vol.web original

 映画『春に散る』の初日舞台挨拶が25日、都内にて行われ、俳優の佐藤浩市、横浜流星、橋本環奈、山口智子、哀川翔、小澤征悦と瀬々敬久監督が登壇。山口が、ボクシングへの印象ががらりと変わったという試合観戦のエピソードを語った。

 ベストセラー作家・沢木耕太郎による同名傑作小説を映画化した話題作。

 佐藤、横浜らボクシングに命を懸ける男たちの熱い戦いを見守るジム会長を演じた山口智子。「この作品に参加させていただいて、生きるとはと、本当に自分の人生を考えました」と振り返り「物語ではあるけどリアルなドキュメンタリー映画でもあると思う。本物だから。本物の輝きだから」と大興奮。

 一方で、山口は「どちらかといえばボクシングは嫌いだった。まったく意味が分からない。痛くてつらくて、周りの愛する人を巻き込んで命かけて血だらけになって意味不明…というところから入ったんですけど(笑)」と苦笑しつつ「でもさいたまスーパーアリーナでの寺地さんと京口さんの試合に連れて行ってもらって。心に浮かんだ言葉は“美しい!”。と、思っちゃったんです。そこに嘘が無くて、立ち現れる聖なる輝き。ボクシングってなんだかすごいんだと思っちゃったんです」と2022年の寺地拳四朗 対 京口紘人戦を観戦した際の感動を熱く語った。

 そんな山口は、自身の“ムネアツ”なことを聞かれると「命の喜びを感じるとき。私は踊っているときが多いかな」と言い「肉体を使って、生きてる~と踊りながら表現しているときが一番…」と答えていたが、アクセサリーを落としてしまい「脂性だからヌルヌル(笑)」。サバサバっぷりで会場を笑わせていた。

 映画『春に散る』は公開中。

横浜流星「仲間の思いを拳に乗せてリングに立った」“師匠”佐藤浩市は「“流星群”じゃない人も楽しんで」

2023.08.25 Vol.web original

 

 映画『春に散る』の初日舞台挨拶が25日、都内にて行われ、俳優の佐藤浩市、横浜流星、橋本環奈、山口智子、哀川翔、小澤征悦と瀬々敬久監督が登壇。“師弟”佐藤と横浜が本作への熱い思いを語った。

 ベストセラー作家・沢木耕太郎による同名傑作小説を映画化した話題作。

 公開初日に感激の一同。佐藤が「流星と窪田やみんなのボクシングシーンを見たときにこれは行けると確信した」と手ごたえを語り、横浜も「ボクシングの試合って格闘技を知らない人にはただの殴り合いに見えると思うんですけど、そこには緻密に計算された駆け引きがある。シンプルだけど奥深くて。リングに立つとその人の人生が出るんです」と言い、演じた役どころとして「仲間の思いを拳に乗せて、闘志に火を燃やしてリングに立っていたのでそのファイトを見てもらえたら」。

 会場には、横浜のネームボードを掲げるファンがぎっしり。小澤が「流星、流星…って。あそこに浩市ってある!」。瀬々監督は「流星さんファン“流星群”から、浩市さんファンまで…」とアピールしようとしたが、小澤から茶々を入れられ会場の“流星群”が大笑いする一幕も。

 本作への出演を機に、ボクシングのライセンスも取得した横浜。最後に「まだこんな若造ですけど、人生というのは戦いの連続だと思っています。皆さん、日々何かと戦っている。この映画がその方々の背中を押すことができればいいなと思うし、今を生きることの素晴らしさが少しでも伝わったら」と熱いメッセージ。

 佐藤も「痛いのが苦手な女性たちでも“流星群”じゃない女性たちもこの映画を楽しんでいただければ。人生の第4コーナーを回った人でも、これから第一コーナーに差し掛かる人でも、誰もがこれからの人生のことを考えられる映画だと思います」と胸を張っていた。

 映画『春に散る』は公開中。

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