映画『沈黙の艦隊』(9月29日公開)の完成報告会が24日、都内にて行われ、大沢たかお、玉木宏ら豪華キャスト陣と、吉野耕平監督が登壇。原作のかわぐちかいじ氏も駆け付け、完成作に太鼓判を押した。
1988~96年に「モーニング」(講談社)で連載された、かわぐちかいじによる大ヒットコミックを原作に描く超話題作。
主人公・海江田艦長役に加えプロデューサーも務めている大沢は「物語のスケールの大きさと、核へのタブーに切り込むという、2つのハードルがあった。その辺りを防衛省や海上自衛隊の協力を得られるのか、実現するのは難しいかなと思いながらも、一つひとつ進めていった」と振り返り「今日まですごく長い道のりだったと思いつつ、今日ようやくスタートラインに立ってワクワクドキドキしています」。
原作のかわぐち氏も「本物の潜水艦が登場する力、本物の圧力をひしひしと感じました」と圧巻の映像に太鼓判。
そんなかわぐち氏から「映画の海江田艦長を見たとき、生きていると感じた」と絶賛された大沢は「主人公なんですけどテロリスト。原作だとすごく凛々しくて男っぽい顔なんですけど、残念ながら僕は真逆で(笑)」と苦笑しつつ「この作品は、主人公の成長物語と言うより、主人公が巻き起こす事件に周りの人が、日本はどうすると解決しようと成長していくという新しい構造の映画かなと思う。ここにいる皆が主人公」と共演者を見渡した。
真向からぶつかり合う役どころの大沢と玉木。潜水艦が異なるため現場は「1日しか一緒にならなかった」と言いつつ、大沢は「声で会話するシーンのために呼び出されまして(笑)」とニヤリ。玉木は大沢の茶目っ気に「呼び出してはいなんですけど(笑)」と苦笑しつつ「わざわざ足を運んでくださって。代読ではなく、大沢さんが生で声の芝居を合わせてくれるというのは、非常に緊迫感も上がり、それが画にも現れていると思う」と手ごたえを語っていた。ところが大沢から「僕の時には来てくれなかった」と言われ玉木は「まったく把握できておりませんでした(笑)」とタジタジ。
最後に大沢は「議論を巻き起こす、おそらく問題作になるのではないかと思います。皆さんにぜひ議論していただきたいし、僕も皆さんの議論を耳にしながら、この先どう生きてくか、参考にさせていただきたいと思っています」と思いを語っていた。
この日の登壇者は大沢たかお、玉木宏、水川あさみ、ユースケ・サンタマリア、中村蒼、中村倫也、笹野高史、夏川結衣、江口洋介、吉野耕平監督、かわぐちかいじ先生(原作者)、ダナエ・コキノス(Amazonスタジオ)。