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「ZST.45」GTタッグ王者決定トーナメントに宇野薫参戦

2015.03.16 Vol.638

 総合格闘技「ZST」が4月12日に開催される「ZST.45」の対戦カードを16日、発表した。同大会では4チームによる「第二代GT(グラップリング)タッグ王者決定トーナメント」を開催。この日の会見には参戦する宇野薫、植松直哉組、戸井田カツヤ、齊藤曜組、牧野仁史、太田裕之組の3チームが登壇した。
 今年1月の修斗環太平洋ライト級チャンピオン決定戦で敗れた宇野はここが復帰戦。「今年はグラップリング、柔術に挑戦したいと思っていた。出るからにはベルトがかかっているので優勝に向けて一戦一戦ベストの試合ができるように頑張りたい。(現在はパートナーの植松に師事していることから)植松さんと組んで出場できるのは夢のようなこと。息の合った試合をしたい」と語った。その植松も「(宇野と)組んで試合ができるのはうれしいし、光栄。この中では一番現役からは退いているんですが、まだまだやれるというところを見せたい」と語る。
 一方、なにやら不穏な動きを見せたのが戸井田組。戸井田は「そうそうたるメンバー。誰と戦っても面白くなる。自分もプロ選手は引退している身なんですけれども、いいところ見せちゃおうかなと思っています。できれば先輩の宇野さんがいますし、植松君には2回ほど負けているので、リベンジさせてもらおうと思っていますので、ぜひ宇野、植松組と1回戦でよろしくお願いします」と挨拶。そして「パートナーの齊藤は喋れないので」と「全員ギロチンで仕留めてやる。宇野さんの首は俺が獲った、と言ってます」と代弁したのだが、明らかに齊藤の口はそういうふうには動いてはいなかった…。しかし戸井田自身グラウンドテクニックに定評のある選手で、齊藤に至っては3月1日に行われた「D-NET GRAPPLING ALL JAPAN CUP」で佐々木憂流迦に勝って優勝しているだけに侮れない存在だ。
 迎え撃つ立場のZST勢は牧野が「戸井田さんみたいに面白いことは言えないんですがグラップリングではいろいろな借りを返したいと思っている。タッグだと足関が決まりそうなので期待してください」と話せば、太田も「10年ZSTでグラップリングを中心に10年戦ってきたという自負もありますので、ZSTのグラップリングが一番すごいんだということを見せたい」と語った。
 コメントひとつ取っても、3チームそれぞれに個性的。気になる組み合わせについては、戸井田が折に触れ宇野、植松組との対戦をアピールしたが、上原譲ZST代表によると「もう1つの参加チームが決まってから決めます」とのこと。
 どの組み合わせでも、妙味のある試合が展開されそうで、もう1チームと組み合わせの発表が待たれる、楽しみなトーナメントとなった。

1・25修斗 環太平洋ライト級王座決定戦で宇野薫敗れる

2015.01.26 Vol.635

 プロフェッショナル修斗の公式戦、2015年の開幕戦が25日、東京・後楽園ホールで行われた。メーンでは環太平洋ライト級チャンピオン決定戦が行われ、中村好史が宇野薫を3-0の判定で破り、第6代王者に輝いた。
 宇野が修斗のタイトルに挑むのは2000年12月の佐藤ルミナ戦以来、約14年ぶりということで話題を呼んだが、かねてから「ベルト=強さの称号」という意識を持ち、ランキングがありチャンピオンがいる修斗という競技で戦う以上はベルトを目指したいという思いを持っていた宇野にとってはごく当たり前のこと。
 対する中村は宇野のデビュー戦の相手だった桜井“マッハ”速人の弟子で、マッハや宇野がPRIDEやHIRO’Sといったメジャー団体で活躍する姿を見て格闘技を始めたという26歳。
 昨年5月にはルミナの弟子である土屋大喜に勝利した宇野。そして今度はマッハの弟子との対戦とあって、隔世の感は否めないが、いまだに最前線で戦えるコンディションをキープしているのは、再びUFCで戦うという目標があるから。その目標に向け宇野はここ6戦、修斗とVTJで白星を積み重ねてきた。ここでも求められたのはベルトを獲ることだった。
 しかし勝負の世界は非情。1Rから積極的にタックルからテイクダウンを狙う中村のパワフルな攻めに押される宇野。いつもなら巧みなテクニックで、ここからいつのまにか自分の有利な体勢に持ち込み、スリーパーホールドや腕十字といった“極め”の形に持っていくのだが、この日の中村は試合後「前に出つつも深追いしないで、2、3Rに勝負にいく作戦。テイクダウンをしても一気に狙いすぎないようにした。セコンドの作戦のお陰」と語ったとおり、宇野の術中にははまらなかった。
 2Rは打撃からのタックルで局面打開を図った宇野だが、中村はその攻めをしのぐとややスタミナが切れかかったものの、グラウンドで好ポジションをキープ。後がない宇野は3R、序盤から前に出てタックルからテイクダウン。バックを取って、スリーパーを狙う。
 ここで会場には大“宇野コール”が起こるのだが、強引に脱出した中村は後半の宇野のタックルをつぶし、逆にテイクダウンを奪う。ラウンド終盤、パンチの連打で宇野を追い込むと、今度は会場に大“中村コール”が起きる。ともに死力を尽くし最後まで戦い抜いた2人だが、3-0の判定で中村が勝利を収めた。

VTJ 6 th 格闘技人生19年の宇野薫が6連勝

2014.10.10 Vol.628

 ケージで行われる総合格闘技『VTJ 6th』が4日、東京・大田区総合体育館で開催された。

 3度目のUFC参戦を目指す宇野薫はアメリカ・カリフォルニアのMMA団体XFSのタイトルホルダーで、現在11連勝中というラージャ・シッペンと対戦。2R4分33秒、チョークスリーパーで一本勝ちを収めた。宇野は今回の勝利でVTJと修斗公式戦を通じ6連勝となった。

 宇野は1R開始早々からシッペンの打撃に苦しめられる。タックルに活路を求めるもシッペンはテイクダウンを許さない。2Rに入ると、シッペンのヒジで宇野が流血。会場には嫌な予感が漂った。しかし宇野の左ストレートから形勢が逆転。タックルからテイクダウンに成功するとラウンド終了間際にバックからチョークスリーパーに移行し勝利を収めた。

 試合後「UFC、格闘技をあきらめませんので、これからも応援よろしくお願いします」と挨拶した宇野は現在39歳。この日が格闘技を始めてちょうど19年目だった。

 メインでは「VTJフライ級トーナメント」決勝戦、扇久保博正vsシーザー・スクラヴォス戦が行われ、5R3−0の判定で扇久保が勝利を収め、優勝を飾った。

 トーナメントでマモル、神酒龍一という修斗の前と現世界王者を破ってきたスクラヴォスだったが、扇久保はあらゆる局面で圧倒。ジャッジも50−45が1人、49−46が2人という完勝だった。

 扇久保は試合後、「UFC参戦の前に日本でやり残したことがある」として、DEEP王者・元谷友貴との対戦をアピールした。果たしてこの対戦は実現するのか…。

 この日は初代修斗ヘビー級王者・エンセン井上の引退セレモニーが行われた。エンセンは「エンセンらしい試合ができないと失礼。大和魂を教えてもらった格闘技に、そういう試合ができないと格闘技に失礼」と引退の理由を語った。そして「いま、この会場で一番思うことは感謝。感謝の気持ちが燃えてます。プロモーターの人、照明やイスを並べたり小さな仕事をやってくれる人、最後に感謝してるのはファン。選手が忘れてほしくないのは、ファンがいなければ選手は必要ありません」と後に続く選手たちに言葉を残した。

『VTJ 6th』扇久保がフライ級トーナメント優勝 宇野は逆転勝利

2014.10.05 Vol.627

 ケージで行われる総合格闘技『VTJ 6th』が4日、東京・大田区総合体育館で開催された。メーンでは「VTJフライ級トーナメント」決勝戦が行われ、扇久保博正がシーザー・スクラヴォスを5R3-0の判定で下し、優勝を飾った。
 扇久保は1Rこそスクラヴォスにバックを許した場面もあったが、そこをしのぎ反撃に出て以降は、スタンド、グラウンドのどの局面においてもスクラヴォスを圧倒。ジャッジも50-45が1人、49-46が2人という完勝だった。
 扇久保は試合後「このトーナメント優勝したらUFC行けるかなって話をもらったんですけど、まだもう一つだけ日本でやり残したことがあると思うんで、国内でこのフライ級にもう一人強いチャンピオンがいると思うんで、もしできるなら僕と戦って勝ったほうがUFCへ行くってのはどうでしょうか?」とアピール。その“もう一人強いチャンピオン”というのはDEEP王者・元谷友貴のこと。今後の成り行きに注目が集まる。

10・4『VTJ 6th』宇野薫が11連勝中の未知の強豪と対戦

2014.09.26 Vol.627

 ケージで行われる総合格闘技『VTJ 6th』(10月4日、東京・大田区総合体育館)のカードが続々発表されている。21日には宇野薫の対戦相手がラージャ・シッペンに決まった。シッペンは米カリフォルニアのXFSの現王者。日本では無名だが、現在11連勝中で、そのほとんどがKOまたは一本勝ちというアグレッシブなファイターだ。

 宇野は現在39歳。続々とニューフェイスが登場する格闘技界だが、現在6連勝中とまだまだその実力に陰りは見られない。堀口恭司、佐々木とVTJからUFCへ参戦する選手が続くが、宇野も狙うは3度目のUFC参戦。年齢的にも一度負けたらもうおしまいという崖っぷちの戦いが続くが、その緊張感というスパイスがただでさえ面白い宇野の試合をよりいっそう面白いものにしているのだ。

 24日には修斗ウェルター級王者・弘中邦佳vsキム・ドンヒョン戦も発表。UFCで活躍中のキム・ドンヒョンとは同姓同名で所属ジムも同じ。少々ややこしいがこちらも21戦13勝5敗3分という強豪だ。

 宇野同様、UFC復帰を狙う弘中だが、今年3月にISAOにTKO負けを喫しており、連敗は許されない。

 宇野、弘中ともに無名の強豪というリスキーな戦いとなるが、ベテランの生きざまをまざまざと見せつけてくれるに違いない。

“修斗のカリスマ”佐藤ルミナ引退

2014.05.06 Vol.616

 総合格闘技・修斗のカリスマともいわれた佐藤ルミナが5日、東京・後楽園ホールで行われた「プロフェッショナル修斗 25周年記念大会」で引退式を行い、約20年の現役生活にピリオドを打った。
 引退式にはルミナが修斗を学んだ木口宣昭氏、対戦を希望していた中井祐樹氏、ともに“修斗四天王”といわれた桜井“マッハ”速人、エンセン井上、王座をかけて戦った五味隆典といった格闘技界からはもちろん、タレントの関根勤氏、作家の夢枕獏氏といった異業種からも多くのゆかりのある人たちが駆けつけ、その引退を惜しみ、またこれまでの功績を称えた。
 ルミナは最後に「ここまで続けられたのは、応援してくださったみなさん、家族、練習仲間、そういったみなさんのおかげだと思っています。修斗はこれからもまだまだ続くものだと思います。今後とも修斗、そして佐藤ルミナをよろしくお願いします」とあいさつし、10カウントゴングを聞いた。

『VTJ 4th』高谷が復活の1R KO勝ち 宇野は3連勝

2014.02.24 Vol.611

 ケージで行われる格闘技イベント『VTJ 4th』が23日、東京・大田区総合体育館で開催され、メーンでDREAMフェザー級王者の高谷裕之がパンクラスフェザー級3位の内村洋次郎を1R1分27秒、TKOで破り、MVPを獲得した。
 高谷は昨年6月の「VTJ 2nd」以来の参戦。そのときは、ダニエル・ロメロに1RKO負けしたが、今回は実質、右フック一発で試合を決め、らしさを見せつけた。
 試合後は「まだまだ日本の格闘技、俺が盛り上げていくんで、また見にきてください」と復活をアピール。また高谷は大会MVPに選ばれ、賞金100万円を獲得した。
 セミでは現在VTJで連勝中の宇野薫がジェシー・ブロックとの業師対決を制し、3連勝。格闘家人生最後の目標といっても過言ではない、3度目のUFC参戦に大きなアピールとなった。
 この日から始まった「VTJフライ級トーナメント」は1回戦4試合が行われ、カナ・ハヤット、扇久保博正、シーザー・スクラヴォス、神酒龍一が勝ち上がった。
 なかでも現修斗世界王者と元パンクラス&DEEP王者の対戦とあって注目を集めた神酒vs前田吉朗戦は1Rから激しい打撃戦を展開。しかしそのなかでもタックルからのテイクダウンも織り交ぜた神酒がポイントを稼ぎ、判定で勝利を収めた。

VTJ 3rd 藤井惠が引退試合で無念のドクターストップ

2013.10.07 Vol.601

 ケージで開催される総合格闘技『VTJ 3rd』が5日、大田区総合体育館で開催された。
 メーンでは“秒殺女王”の異名を持つ藤井惠がジェシカ・アギラーとの引退試合に臨んだが、目の負傷により2R終了時点でドクターストップのTKO負けとなり、有終の美を飾ることはできなかった。
 1Rからお互いジャブで距離を図る。ジリジリと距離を詰め、タックルに入った藤井の右目にアギラーの指が入ってしまう。ドクターチェックを経て試合再開。
 その後も恐れずに踏み込んでパンチを放つ藤井だが、迎え撃ったアギラーの指がまたも右目に…。
 藤井が試合後「1回目は軽く、2回目は奥に入ってしまった」と語る通り、大きなダメージを受けてしまう。右目の回復のためインターバルが取られたのだが、時間が経てば経つほど腫れ上がる右目。目薬をさすなどして治療を続け、長い長いインターバルを経て試合が再開された。
 試合後「最初は様子を見ようと思ったが、藤井が積極的に来たので私もこたえた」とアギラーが語ったとおり、思わぬアクシデントがありながらも両者のファイティングスピリットには少しの陰りも見られない。
 1R後のインターバルでも治療が行われたが、時間が経つにつれ右目のコンディションは悪化するばかり。視界が悪いことからパンチをもらうという悪循環で2R終了時点で右目はほとんど見えない状況になってしまった。
 懸命な治療が行われたが、試合続行は危険とドクターが判断し試合を止めた。
 引退試合ということで「応援シート」も設けられ、多くのファンが詰めかけた。「最後まで戦うことができなくてすいません」と挨拶する藤井に会場から「ありがとう」「おつかれさま」というねぎらいの声が掛けられた。

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