12日に東京・後楽園ホールで行われた立ち技格闘技「Krush.53」の一夜明け会見が13日、都内で行われた。
「第3代Krush -70kg級王座決定戦」で山崎陽一を判定で下しベルトを巻いた中島弘貴が登壇し、念願のベルト奪取に「不安もあったが王者になれてホッとしている。頑張ってきてよかった」と胸の内を明かした。ベルトには3回目のチャレンジとなるが「今回取れなかったらKrushのベルトを取れない選手なのかなって思った。頑張ってきて良かった」と感慨深げ。
前日の試合後の会見で7月に行われるK-1トーナメントへ参戦の意思を示したことについては「7月のK-1の話を聞いて、それに出るためにも2月と4月はしっかり勝たなければいけないと思った。昨日勝ったので、チャンピオンとしてK-1に出たい。出たいというより、7月にK-1で優勝するということを目標に立てて戦ってきた」と改めて語った。
宮田充プロデューサーも「Krushとしても中島選手にはK-1で海外の強豪と勝負してほしい」とのことから、K-1のリングでも中島のファイトが見られそうだ。
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格闘家イケメンファイル Vol.9 GOLDEN FIST 山崎秀晃
第3代Krush −63kg級チャンピオン山崎秀晃。鋭い眼光と、“GOLDEN FIST(金の拳)”の異名通りのゴッツゴツの拳は、ザ・格闘家。しかし、マイルドな関西弁とサービス精神あふれるトークで、その場をなごませてくれる、とってもいい人である。そんな山崎が11月3日に開催されるK−1 WORLD LEAGUE 2014〜 −65kg初代王座決定トーナメント〜に出場決定。第1回戦では日本人相手の試合では無敗を誇るタイのゲーオ・フェアテックスと戦う。
「K-1は、小さなころから地上波で華々しくやっていましたし、それを目指して格闘技をやってきたっていう人も多い舞台。実際僕もK-1に出たいという思いで関西から上京してきましたし、そのあこがれの舞台に立てるというのはすごく光栄です。1回戦で戦うゲーオ選手は、すごく強い選手です。9年間日本人に負けなし、というか日本人が勝ったことない選手なんですが、たいしたことないんじゃないかな(笑)。今回の試合はトーナメントで3回勝つと優勝なので、そういう相手を1回戦でしっかり叩いておいて、準決勝、決勝と勝ち進み優勝することが目標なので、そういう意味では強い相手と1回戦で当たるのは、弾みがつく。僕はアグレッシブなタイプのスタイルで、客観的にみたら1発のパンチがあって、KOも多いっていう単純にお客さんが見ていておもしろいファイターだと思っています。ですから、そんなファイトスタイルの僕とムエタイ仕込みのゲーオ選手が戦ったらどんな反応が起こるか、楽しみですね。試合の前はもちろん、ビデオなどを見て研究します。弱点も強いところも細かく見つけて、狙える部分があれば積極的に狙っていく。イメトレはものすごくしますし、大体イメトレの中では負けてないですから、大丈夫でしょう(笑)」
高校卒業後21歳でプロを目指し上京。
「上京してきたのは約7年前。やっぱり東京じゃないとメジャーになれないと思って。5歳ぐらいから空手をやっていて、高校も空手の特待生で入ったんですよ。で、高校を卒業して、魔裟斗さんとかがK−1で輝いていて、僕もスポットライトを浴びたいと(笑)。関西では結構アマチュアの大会なんかでもポンポン優勝していましたし、俺結構いけるんじゃないのって(笑)。とにかく人生は1回切りなので、やりたいことをやらないと、絶対に後悔すると思った。だから東京の厳しい環境に自分の身を置くことで、背水の陣じゃないけど、精神的にも強くなってトップになるという気持ちを持って、チームドラゴンに入門しました」
最近結婚もし、後輩たちからは兄貴分として慕われている山崎の今後の目標は。
「子どもたちに山崎選手みたいになりたいって言われる選手になりたいですね。そして自分としてはもっと有名になって、地元の友達とか家族に地上波を通して活躍する姿を見せたい。また、最近結婚して新しい家族もでき、自分一人だけの人生じゃなくなったので、幸せにしてやらないといけないと思っています。後輩にも口で言うより行動で見せていきたい。それは後輩のためというより、後輩が見ている前で、みっともない姿を見せたくないですから、そういうプレッシャーが自分を進化させてくれているという部分もあるんです。だから後輩たちには感謝しているし、チームで切磋琢磨している。それがチーム全体が強くなる秘訣だと思います。今度の試合もあいつらもやっているから俺も頑張らなきゃと思える。だからグダグダの判定じゃなくて、やるかやられるかの試合をしたい。もちろん俺はやられるつもりはないですし、完全に倒します。トーナメントの全試合をKOで勝ち進み、優勝するつもりでいますから」
Krush.42 山崎がTKOで2度目の防衛
立ち技格闘技の「Krush.42」が12日、後楽園ホールで開催され、メーンで行われた「Krush −63kg級タイトルマッチ」で山崎秀晃がモロッコのモハメド・ブールフと対戦。3R2分、タオル投入によるTKOで勝利し、昨年12月の木村ミノル戦に続き2度目の防衛を果たした。
山崎は2月にはノンタイトル戦でもモハメド・ギャラウィーを2RKOで下しており、今まさに脂がのりきった状態だ。
相手のブールフは“殺し屋”の異名を持つ22歳。前に出る圧力が強く、回転の早いパンチとローキックのコンビネーションを得意とする攻撃的なファイター。粗削りながらも決して油断のできない相手だったが、今の山崎の敵ではなかった。1Rから手数で圧倒し、右バックブローでダウンを奪う。2Rには狙いすました右ストレートをガードのすき間から打ち込み2度目のダウンを奪う。いきなり立て続けのダウンを喫しゲームプランが狂ったブールフはやみくもに前に出るが、山崎は左右のフックで迎撃すると、またも強烈なバックブローを叩き込む。楽勝ムードが漂ったが3Rになってブールフが覚醒。若さに任せて前へ前へ。その突進力にややてこずった山崎だったが、カウンターの左フックを合わせて、この日3度目のダウンを奪う。立ち上がったブールフだったが、足元がふらつき、セコンドがタオルを投げ、山崎がTKO勝ちを収めた。
木村ミノルとトーマス・アダマンドポウロスという、かつてタイトルをかけて戦った2人の試合の後だっただけに、リング上のマイクでは「しっかり倒したかった」と反省の弁が口をついた山崎だったが、圧勝の防衛だった。
そのセミファイナルでは木村が第2代王者のアダマンドポウロスを2R2分55秒、KOで破った。
前田憲作プロデューサーのもと「K-1 WORLD LEAGUE」発足
日本で生まれ、世界的なビッグイベントとなった立ち技格闘技の「K-1」が新たに「K-1 WORLD LEAGUE(K-1ワールドリーグ)」として始動することとなった。K-1実行委員会が29日、都内で発足会見を開き、その概要が発表された。
実行委員会はK-1プロデューサーとK-1GYM総本部の代表を務める前田憲作氏、K-1GYM目黒の代表・内田康弘氏、K-1GYM EBISU 小比類巻道場代表の小比類巻貴之氏、K-1GYM総本部チーフトレーナーの梶原龍児氏からなる。運営は現在、立ち技格闘技の「Krush」を運営するグッドルーザーが担当する。
この日はまず前田氏とグッドルーザーの宮田充氏が登壇。前田氏が「K-1は日本が誇れる武道であり、格闘技。このままK-1をなくすわけにはいかない。誰かがやらなければならないというなかで、今回プロデューサーを引き受けることになった」とし、「K-1には選手としても指導者としても大きな経験をさせてもらった。そのK-1に恩返しをするためにも、今まで人生をかけて頑張ってきたチームドラゴンの代表を降りて、これからはK-1のために人生をかけて頑張りたい」と決意を語った。
新しいK-1は「プロイベント」「アマチュア大会」「K-1ジム」を展開していく。プロイベントは「K-1 WORLD LEAGUE」の名称で55キロ級からヘビー級まで5階級で展開。11月3日に代々木競技場第二体育館で第1回大会が開催される。
K-1ジムは現在都内に3つあるのだが、今後は「プロを目指す人から一般の方々まで、武道として、スポーツとして、フィットネスとして、ともに汗を流せる場所として全国に広めていきたい」(前田氏)という。