RIZINが9月2日、都内で会見を開き、「RIZIN.43」(6月24日、北海道・真駒内セキスイハイムアイスアリーナ)で約6年9カ月ぶりの参戦を果たした木村“フィリップ”ミノル(ブラジル/Battle-Box)が試合の際に受けたドーピング検査で陽性の判定が出たことを発表した。
木村については榊原信行CEOが大会後の総括で木村本人が疑惑払拭のためにドーピング検査を受け入れ、結果は約1カ月後に出ることを明かしていた。
木村はロクク・ダリとキックボクシングルールで対戦し、1R1分8秒でKO勝ちを収めていた。
会見の冒頭、榊原氏は「ようやく検査結果が出た。陽性ということでドーピングをしていたことが判明したことになる。僕らからすると“やってないと言っていたじゃない。ウソをつかれたのか。話にならない”というのが正直なところ」などと厳しい言葉を口にした。
今回のドーピング検査については「格闘技においてはアンチドーピングというのは世界的にも声高に叫ばれている。アメリカでは政府機関のアスレチックコミッションがあり、そこが第三者機関としてUFCに出場する選手たちのドーピングチェックをしている。日本の場合、格闘技に限らず、スポーツ界のドーピングチェックがどうなっているかというと、WADAといったアンチドーピング機構は五輪に準じた競技やそれに該当する選手のドーピング検査は抜き打ちでやっている。しかし僕らが検査をしたいと言っても日本に民間の検査機関はない。2015年のRIZINの旗揚げ以来、古き良きPRIDE時代と違い、常にドーピングは世界的に叫ばれてきた。しかし日本の中で政府機関とかきちんとしたレギュレーションはなく、サッカーも野球も独自の基準の中で検査をしている。格闘技界に至ってはそういうことが連携して行われていない。そういうわけにはいかないだろうということで、2015年の旗揚げ以来、タイトル戦とグランプリに出場する選手全員の検体を取って、日本国内に検査をしてもらえる機関がないので、アメリカのWADAの検査機関に送って細かく検査してもらっている。公表はしてこなかったが、これまでタイトル戦とグランプリに出場する選手は全員行っている。それだけだと選手たちにドーピングをすることについて、ダメだということを啓蒙するというか意識を高めてもらうことができないので、大会ごとにアットランダムに選手を選んで抜き打ちで検査はしている。何が正しいかは日進月歩だとは思うが、我々的にはそういうふうに選手たちの意識を啓蒙しつつ検査をしてきた」などと今回の木村の検査とこれまでのRIZINのドーピングに対する取り組みを説明した。これまでは出場選手がRIZINの専属選手であるわけではないこともあり、公表することはなく契約における罰則規定で対応してきたが「木村選手の結果を受けて、今後はタイトル戦とグランプリに出場する選手については結果を公表する」という。