東京女子プロレスが3月18日、都内で「GRAND PRINCESS ’24」(3月31日、東京・両国国技館)に向けて記者会見を行った。山下実優が保持する同団体の最高峰プリンセス・オブ・プリンセス王座に挑む渡辺未詩がベルト獲りに意欲を見せた。
渡辺は「私がプロレスを始めたきっかけが、小さい時からアイドルに憧れていて。アイドルになりたいって一心でプロレスラーになってしまって。プロレスのことが全く分からず入ってきて、何を目指したらいいのか分からない、どうしたらいいのか分からないっていうなかで、デビューして半年くらいで山下さんと初めてのシングルが組まれました。その時に初めてプロレスラーとしての目標ができて。今日はボコボコにされてしまったけど、目の前に立つ山下さんをいつか倒したい。いつか必ずこの人に勝ちたいって目標ができて。そこから気が付けばプロレスのことが大好きになるくらい、人生のすべてを東京女子プロレスにかけるくらいまで、今は東京女子プロレスが大好きになりました」と胸中を吐露。
そして「なかなか難しいことなのは分かっています。プリプリのベルトをこれまで巻いてきた先輩たちを見てきても、それが簡単なことではないことを6年間やってきて。でも、それでも今回このタイトルマッチで山下さんと戦う準備、勝つ準備はできました。ベルトを持ってきた今までの先輩たち、その人が持ったからこその色があるように、私が持ったからこその色とか景色とか、いろいろ見えてくると思うので。私はこのベルトを持ったからこそっていう夢をみんなと一緒に見ていきたいと思うし。自分も東京女子プロレスを引っ張れる存在になるために頑張りたいなと思います。東京女子プロレスにとって11年目、2回目の両国国技館でものすごく大切な大会であることは分かっています。自分が山下さんに勝って、東京女子プロレスの先頭を走っていく人間になれるように頑張りたいと思います」と決意表明。
受けて立つ山下は「約6年前に初めて未詩とシングルをして。そこからここまで着実に未詩は強さをしっかり重ねてきて。それは日常での練習の時や、それ以外のトレーニングを一緒にしててもすごく感じてて。そんな未詩を相手に両国でこの東京女子のベルトをかけて試合ができるのはめちゃくちゃうれしいですし、ワクワク、ゾクゾクしてます。ホントに今こうして、両国まで何度か未詩と試合をしてる想像をしただけでも、震えてくるほどゾクゾクしていて。ここまで来てくれたっていうのも…ホントにいろんな感情になるんですけど。ただ、私は負けません。絶対に勝ちますし。ひとつ謝っておきたいのは、狂気的すぎたらすみません。たぎりすぎて、興奮めちゃめちゃしてるんで。追われれば追われるほどめちゃくちゃ倒したくなるし、相手のことを強いな、すげーなって思えば思うほど自分の性格的にゾクゾクしちゃうんで。そういう時にこそ現れる狂気的な山下も両国当日、楽しんでいただけたらなと思います。何度でも言います。私は絶対に勝ちます。負けません!」とキッパリ勝利宣言。
渡辺が勝てば、新世代では初戴冠となるが「東京女子を初期の頃からつくってきた人というのが、これまで、今いるなかだとベルトを巻いてきた人にはなるので。新世代みたいな見られ方をすることもあるとは思うんですけど。自分としては世代っていうふうにわけるより、渡辺未詩が山下実優に勝ったっていうところだったり。逆に世代でわけるとしたら、私が今回勝てて、そのような新世代みたいになったとしても、逆に私より先輩の人たちがもっともっと“今度は未詩に勝ちたい”って思うようになってもらえたらうれしいなって、そんなふうになりたいなとも思うし。世代とかは関係なく、東京女子プロレス全体が、後輩も含め、私がいつの日か山下さんに思ったかのように、そういう心を抱いてくれる人が現れるかもしれない」と話した。
同団体が2年前に両国国技館に初進出した際、当時もプリプリ王者だった山下は中島翔子に敗れて、王座から陥落したが「(会場に)ネガティブなイメージはないです。ただ両国で初めてやった時と同じシチュエーションなので。自分がベルトを持って、メインのリングに立つっていうのは。なのでそこに対して、次は勝って防衛して、自分が最後ベルトを持った状態でリングに立ちたいなと。そしてこれからも私だけが見せられる未来を見せていきたい」と目を輝かせた。
2022年のシングルトーナメント「東京プリンセスカップ」では、敗退を喫している山下は「もちろん、(リベンジの)気持ちもあります。だからホントにいろいろ相まって、狂気的すぎたらすみませんって感じですね。いろいろ重なってるんで、そこは悔しさもありますけど、次は絶対勝ちますし、その想像しかできていないので。そこはあんまり引っ張られてはないかなと」とコメント。
逆に渡辺は「結果として勝てたっていうのはあるんですけど。でも、あの瞬間、一瞬勝てただけで。その後の山下さんのさらなる成長具合がヤバいというか。山下さんでも、10年目でもまだまだこんなに人って成長するの?ってくらい、どんどん先を走っていて。あと10周年の大会で10人タッグとはいえ直接負けてしまっていて。前哨戦でも勝つことはできていないので。私があの一瞬、あの夏に追いついたって思っても、それ以上のスピードで走っていってしまっているので。気持ちとしてはちゃんと勝ちたい。また勝つことで“勝てた”っていうのを証明したいって思ってます」と語った。