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何か起こりそうで何も起こらない。そこに何を見出すかは見る人次第 東京乾電池『ゴドーを待ちながら』

2014.07.19 Vol.622

 舞台に映像にと活躍の場を広げる柄本佑と柄本時生。2人は2008年に兄弟ユニット「ET×2」を結成し、これまで3回の公演を重ねてきた。

 もともと「いつの日かゴドーを演じたい」という思いから結成したユニットだったのだが、今回ついに念願の『ゴドーを待ちながら』を上演することになった。

 物語はウラジミールとエスドラゴンという2人の浮浪者が「ゴドー」という人物をひたすら待っている情景を描いたもの。2人はたわいもない会話を続けながらゴドーを待つ。そこにやってくる主人と奴隷の2人組。その2人との奇妙なやりとりからウラジミールとエスドラゴンは「この人がゴドーなのでは」と思うのだが、さにあらず…。果たしてゴドーはやってくるのだろうか。そもそもゴドーとはいったい何者なのか!?

 不条理劇の傑作として世界各国で上演されるのはもちろん、その構造をモチーフとした作品も多く生み出した名作。日本でも多くの名優と呼ばれる俳優たちが演じてきたこのコンビ。2人はいったいどんなウラジミールとエスドラゴンを見せてくれるのか、とても興味深いところ。

野田秀樹作『赤鬼』が中屋敷法仁の演出でこの2014年によみがえる

2014.05.24 Vol.618

円形劇場×演劇=円劇というテーマを掲げ、青山円形劇場が2008年にスタートした「青山円劇カウンシル」が2015年の同劇場の閉館に伴いファイナルを迎える。新進気鋭の劇作家を起用して刺激的な作品を生み出してきたこの企画。その最後を飾るのは野田秀樹作、中屋敷法仁演出の『赤鬼』。(本紙・本吉英人/撮影・蔦野裕)

乱交パーティーがブームに…!? 映画『愛の渦』3月1日公開

2014.02.19 Vol.611

 劇作家で演出家の三浦大輔の岸田國士戯曲賞受賞作である『愛の渦』が映画化され、18日、渋谷のヒューマントラスト渋谷で行われた完成披露試写会で、主演を務めた池松壮亮、門脇麦をはじめとした主要キャスト8人と三浦大輔監督が登壇し、トークショーを行った。
 同作は乱交パーティーでの一夜を描いた作品で、三浦の主宰する劇団、ポツドールで2005年に初上演された。「セミドキュメント」と呼ばれたポツドールの作品は一般的に認識されている演劇とは一線を画し、舞台上では生々しいまでの光景が繰り広げられる。同作も大きな話題を集め、その後、2009年に再演され、昨年はフランス公演も行われている。
 映画化にあたり三浦監督は脚本を書き直し、舞台では描けなかった結末も書き加えた。
 乱交パーティーというシチュエーションから映画のほとんどはバスタオル姿や裸となる。見どころを尋ねられた池松が「卑猥なことしか思いつかないんですけど…、女性陣の体ですかね」と言えば、門脇も「撮影中は乱交パーティーをのぞいていたり、自分が参加しているような気持ちになっていた」と語った。まだ予告編しか見ていないという柄本時生は「女の人が裸で罵り合っている感じは、すごくバカみたいで笑えるんじゃないかなって思います」とコメントした。
 宣伝文句にも「着衣時間が全編中たったの18分半」という言葉が躍るが、三浦監督は「一人一人の役者さんの演技をしっかり見てほしい」と前置きした上で、「乱交パーティーという身近ではない設定から、過激な作品と思われがちですが、多くの人に見てもらいたいと思って作りました。こういう内容に拒否反応がある人でも、見てもらえれば何かを感じてもらえるはず。エロくもグロくも過激でもありません。人間が本質的に持っているスケベ心を素直に描いただけの映画です。描くための設定として乱交パーティーを場所を使っただけ。人間が性欲に踊らされている姿は滑稽ですから、この映画はコメディーです。デートムービーのつもりで作りましたので、多くの人に見ていただければと思います。この作品が話題になったら、映画界も面白い状況になるんじゃないかとも思っています」と語った。
 3月1日からテアトロ新宿ほかで全国公開される。

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