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格闘家イケメンファイル Vol.6 下町発、世界へ 根津優太

2014.08.18 Vol.624

 小さいころや学生時代から空手やレスリングなどを経験してきた選手が多い中、格闘技を始めたのは遅かったという根津。

「もともとずっと格闘技はやりたかった。それを行動に移せる人はなかなかいないと思うけど、22歳の時に親友とそろそろ自分のやりたいことを一生懸命やろうよということになり、よく考えた結果、やっぱりやりたいと思いこの世界に入りました。地元の亀戸から通いやすそうだなと思って、当時お茶の水にあった今のジムに入ったんですけど、実際はとんでもないところだった(笑)。有名な選手もいっぱいいたし、練習もめちゃくちゃきつかった。辛すぎて、週に1回しか練習できませんでしたから。格闘技を始める前? それはいろいろ(笑)。やんちゃしていたっていっても全然可愛いもんです(笑)。格闘技を始めてから逆に社会性がついてきました。喧嘩をふっかけられたら困るから人と目を合わせないようになりましたし(笑)」

 デビューは2007年。25歳だった。

「修斗のリングは僕の中ではすごい舞台だったので、でかい大会にあがるような気持ちでした。アマチュアの時からたくさんのお客さんの前で試合をしていたので、特別緊張することはなかった。逆にやってやるよっていう変な余裕がありました。太田(悟)選手が相手だったんですけど、負けました。1ラウンドで失速した(笑)」

 普段は大工をしていて、趣味は地元の亀戸で仲間とお酒を飲むことだという根津。応援席には男性が多い。

「昔の仲間とか、ファンの方とかも男性が多く男臭いって言われます(笑)。若い女性も何人かはいますけど、男性のほうが断然多い。好きな女性のタイプはショートカット。昔からなんですが、髪の長い人が急にショートにしたりすると“おおっ!!”ってなる(笑)。それまで友達として普通に喋っていたのに、喋れなくなるくらい。ショートヘア最高でございます(笑)。ベリーショートでもいいですけど、ショートボブはちょっと違う。耳が出るようなショートが好き。芸能人だと…蒼井優さんとか広末涼子さんとか。性格は優しい人。喧嘩をするのが嫌いなので、すぐに喧嘩にならないほうがいい。こっちが“ごめんなさい”って謝ったら、すぐに“いいよ”って言ってほしい。謝っているのに、どんどん責めてきたり、ずっと引きずってすねていられるのはちょっと…。喧嘩の先には何もないですから」

 9月27日に後楽園ホールで行われる修斗の大会では、自身の保持する環太平洋フェザー級タイトルを賭け、石橋圭太を相手に初防衛戦が決定している。

「自分は打撃、特に蹴るのが好きなので、キックの選手というイメージが強いかも知れない。相手の石橋選手は寝技の選手。昔は寝技ができなくて、やりにくい部分がありましたが、今は寝技も磨いて何でもできるので、特に問題はありません。石橋選手は5試合連続で1ラウンド一本勝ちしていますが、6試合目にはなりません。ていうかなるわけがない(笑)。1ラウンドで沈めてもいいですし、とにかくチャンピオンですから圧倒して勝ちます。キックなりパンチなり自分の得意なものでもいいし、逆に寝技で極めてやろうかなとも思っています。その自信もあるので。今はそのへんも含めてどうやってチャンピオンらしい試合をしようかと考えていますから。痺れる試合はもちろん、どんな人が見ても楽しんでもらえる試合をする自信はあります。格闘家である以上は常に強くなることを目指してやっていますし、実際めちゃくちゃ進化している。それは体感できているので、ぜひ生の試合を見に来てください」

格闘家イケメンファイル Vol.5 龍魂伝承 卜部 弘嵩(うらべ ひろたか)

2014.08.04 Vol.623

 1つ違いの弟・卜部功也もキックボクサーという最強兄弟の兄・弘嵩。弟に背中を見せながら、ともに格闘家の道を歩んできた。

「小学1年生の時に空手を始めたのが、格闘技との出会いです。弟も1年後に始めましたが、僕はやりたくてやっていたけど、弟は親に言われて付き添いみたいな感じでしたね(笑)。性格的には気が強くてあまりべらべら喋らないタイプ。弟はおしゃべりなので、性格的には結構正反対ですね」

 自然な流れでプロの格闘家へ。

「空手はずっと続けていて、高校生になった時には新空手というアマチュアの日本で一番大きなグローブ空手の大会に出場しました。そしてその大会で、17歳の時に優勝したことがきっかけでデビューの話をもらい、18歳、高校3年生の時にプロになりました。デビュー戦はKO勝ち。3回ダウンをとったら勝ちなんですけど、最初はパンチで2回ダウンをとって、最後はハイキックでダウンをとりKO勝ち。もちろん勝った時はうれしかったし、その時に格闘家としてやっていこうとはっきり決めた気がします。蹴り、特にハイキックは得意なので、それで倒すことも多いです。KOのうち3分の1ぐらいはハイキックで倒しているんじゃないかな」

 鮮烈なデビューを飾り、3年後にはチャンピオンに。

「チャンピオンになったのは21歳ですね。Krush初代王座決定トーナメント〜Triple Final Round〜という大会で、Krush−60kg級初代王者になりました。なった途端、状況が一変して戸惑いました。すごく注目された分、周りが期待するので、プレッシャーがすごい。だから当時は結構悩みました。ただ勝つだけで防衛するならできたと思いますが、Krushという団体のチャンピオンで、メインイベントをつとめることが多い立場だったので、常にKO勝ちを目指してやらなきゃいけなかった。ポイントだけとって逃げて勝つこともできますが、それじゃダメ。チャンピオンらしい戦い、いつでもKOで倒しにいくという姿勢ですね。例えば1ラウンドでダウンをとっても最後までKOを狙っていかなきゃいけない。そこに葛藤といいますか、逃げ道がない感じがあった。でもずっとそういうふうにやってきたことで、精神的にはすごく成長できたと思います。弟に相談? しません。弟はチャンピオンじゃなかったし(笑)」

格闘家イケメンファイル Vol.4 アンタッチャブル 卜部 功也

2014.07.20 Vol.622

 実兄・卜部弘嵩もキックボクサーとして活躍。兄の後を追って、自然と格闘家になったというお兄ちゃんに頭の上がらない弟の素顔は?

「兄とは年子なんですが、小学校1年の時に兄が空手を始めて、僕はその1年後に同じく小学校1年生で空手を始めました。1年生になったら空手を習わせるっていう親の方針で。兄は子どものころからあまりべらべら喋るタイプではありませんでしたが、僕は基本的におしゃべりです(笑)。典型的な長男と次男。自分自身は多分格闘家向きじゃない性格だと思う。気も強くないし、普段から熱くなったり、怒ったりしないので。お兄ちゃんには頭が上がらないというか、兄は“兄です”って感じです(笑)」

 先にプロになった兄に続き、格闘家としてデビューを果たす。

「デビューは2009年ですから、19歳の時です。小学校の時に兄と空手をやって、そのあと兄がグローブ空手をやるようになり、僕ももちろんついて行きました(笑)。そのあと、僕はK-1甲子園に行き、1年間そこでやっていた。試合はずっと勝っていたんですけど、最終的に決勝でHIROYA君に負けて準優勝だったんです。でもそのまま兄が所属する団体からオファーが来て、プロデビューが決まりました。K-1甲子園はテレビでも放送されていたので、放送の翌日は多少声をかけられることもありましたけど、それはまあ…恥ずかしかったです(笑)」

 そしていよいよチャンピオンになるのだが…。

「チャンピオンには、22歳の時にユースという若手のトーナメントでチャンピオンになって、23歳でISKAという世界チャンピオンのトーナメントがあり、そこでチャンピオンになりました。実は僕、それを取るまでにK-1甲子園とアマチュアを合わせて4回トーナメントに出ていたんですけど、ずっと準優勝だったんです。だからベルトを取るまではすごく辛かったですね。なんで俺は最後に取れないんだ…って。対戦相手も違って、必ず決勝までは行くのに、どうしても勝てない。その時は精神的に悩みました。そういう選手もいるんですよ。強いし、うまいんだけど、どうしても1番にはなれない。自分はもしからしたら、そういう選手なんじゃないか、一番にはなれない選手なんじゃないかって、悶々としていました。そして最後、4回目にトーナメントに出たときに、KO負けしたんです。ずっと判定で負けていたのに、最後はKO負け。その時に、自分は何をやっているんだろうと思って。これはもう、プライベートから何から全部変えなきゃいけないと思い、お酒や遊びはもちろん、いろんなものを捨てて、練習漬けの生活にしました。そこで、ちゃんと格闘技にのめり込めたし、自分を変えられたと思います」

格闘家イケメンファイル Vol.3 反逆のプリンス HIROYA(ひろや)

2014.07.05 Vol.621

 15歳で格闘家としてプロでビュー。“最強の15歳”“魔裟斗2世”と呼ばれ、一躍注目の選手に。そんな天才少年誕生のきっかけは…。

「3歳から空手を始めたんですが、実は小さいころすごく泣き虫で、父親が強くするために僕を連れて行ったのがきっかけなんです。空手をやっていた時は、本当に泣く泣く道場に行っていた(笑)。でも父親が趣味でキックボクシングをやっていて、それを見に行っているうちに、空手より楽しそうだなと思い、9歳からキックボクシングを始めました。空手は子ども同士がみんな仲良くやっている感じだったんですけど、キックボクシングはジムにプロの選手がいて、かっこいいなっていうあこがれですね。それで15歳の時にトップの格闘家しか出られないK-1という大きな大会でデビューしました。中学校3年生の2月にアマチュアとして出場して、4月に初めて横浜アリーナにプロと同じルールで出場したんですが、何が何だか分からなかった(笑)。出ている選手がみんなテレビに出ているような有名な選手だったので、その中に混じってやることの緊張と夢の舞台にいるワクワクで。その試合は1RでKO勝ちでした。勝ったこともですし、ずっと魔裟斗さんにあこがれていたので、格闘家としての道が切り拓かれたような感じがして、ものすごくうれしかったのを覚えています」

 その後海を渡り海外に武者修行へ。

「高校の3年間はタイに行って、インターナショナルスクールに通いながらムエタイのジムで、格闘技をやっていました。ですから、自分はムエタイが主のキックを多用したスタイルですね。日本でまず軸があって、タイに行ったので、練習環境の変化に戸惑う事はありましたが、空手とキックボクシングとムエタイがいい状態でミックスされたような気がします。今もタイ人のトレーナーが来て、一緒にやっているんですけど、すごく波長があいますよね。格闘家としての形成にプラスになっていると思いますし、タイに行って良かったと思っています」

 そのタイのトレーナーと目指すのが、7月13日(日)に後楽園ホールで行われる「Krush.43」。この大会でHIROYAは防衛戦にのぞむ。

「15歳でデビューして、今22歳なんですけど、やっと今年の3月にチャンピオンになりました。7月はいよいよ初防衛戦になります。チャンピオンになってもちゃんと防衛していかないと価値が上がらない。というか、負けたらチャンピオンになった意味もなくなると思っています。今度の対戦相手も強い選手ですが、1ミリも負けると思っていないので、今からどう倒すかしっかり考えて行きたい。このKrushのチャンピオンがゴールではないので、その先に進むために絶対に勝ちます。今現在、4回連続KO勝ちをしているので、その記録も伸ばしていきたいです」

 ゴールはどこ?

「今はKrushで試合をして、今後もKrushや、オファーがあればどこかほかのところにも参戦するかもしれませんが、そういう目標以外に自分はヒーローになりたい(笑)。今は子どもたちが“あんなふうになりたい!”って目指す明確なものが格闘技にはない気がする。僕が魔裟斗さんにあこがれたように、今度は自分が先頭に立って、子どもたちにとってのヒーローになりたいと思いますね」

 そんなに熱くさせる格闘技の魅力とは?

「男って強さが大事だと思うんです。強さがあることによって弱さも知れる。人を守るのって、強くないとできないことですし。殴り合いが強いというのも大事ですけど格闘技はそれだけじゃない。きつい練習に耐えて、耐えて気持ちもすごく強くなっていく。そういうことが一番シンプルに感じられるのが格闘技だと思います」

男には強さが大事だというHIROYAだが、女性に求めるものは。

「格闘技にある程度理解がある人がいいですよね。試合前なんて特に自分のことでいっぱいっぱいなので、そういうことを大きな心でサポートしてもらえれば。ピリピリしたり、減量中なんかは特にそれだけに集中してしまいますから、それを理解して、広い心で受け止めてくれる人。ただ、格闘技にすごく詳しければいいかといったら別にそうでもない。一生懸命に勉強してくれるのはうれしいけど、あまりに詳しくなりすぎて、格闘技のことで何か言われたり、ダメ出しされたりしたら頭にくるかも(笑)。ある程度、理解していただけたら(笑)。モデルの香里奈さんとか素敵だと思います」

 格闘技、Krushの魅力は?

「とにかくKrushは、激しくて熱い試合が多い。でも見ていてシンプルで分かりやすく、ボクシングのように長くないし、スピード感があるので、詳しくない人でも十分楽しめると思います。ルールも難しくないから、格闘技に興味がない人でも勝敗が明確に分かるし、はっきりしていて気持ちがいい。生で見たら絶対ハマると思うので、一度足を運んで見てほしいですね」

格闘家イケメンファイル Vol.2 AMBITIOUS 美木 航

2014.06.20 Vol.620

「小学校5年生ぐらいかな、プロレスが大好きだったんですよ。もう引退してしまったんですけど、アメリカ人のスタンハンセンというレスラーが特に好きで、夜中に夢中でテレビを見ていました。だから小さいころはプロレスラーになろうと思っていたんですけど、いろんな格闘技を見に行くようになって、今の道に至っております。中学校の時に柔道、高校ではレスリング部でした。プロの格闘家は、柔道やレスリング経験者は多いですよ。もちろんやってない人もいますが、手っ取り早く強くなろうと思ったら、経験者のほうがいいんじゃないかな。でも対戦相手が柔道経験者だから、アマレス経験者だからという苦手意識は特にないです。相手の性格では、やりやすいとかやりにくいっていうことはあります。僕が苦手なのはガツガツ来る奴。怪我しそうでちょっとやりづらいじゃないですか(笑)。僕は全然イケイケじゃなく、むしろ地味ですから。怪我せず、相手にも怪我をさせずがモットーなので。って言ったら格闘技やめろって言われちゃいますね(笑)」

 一見、順調に格闘家として歩んできたように見えるが、デビュー戦はほろ苦い思い出が。

「僕は修斗でプロになったんですけど、修斗の場合は、アマチュア修斗というのがあって、その大会で上位になるとプロになれるんですね。それで23歳でプロに昇格し、デビュー戦に挑んだんですが、一本負けしちゃったんです。関節を決められて。それで、ちょっとこれは甘くないぞと(笑)。でも修斗の2戦目でも負けちゃって、3戦目でやっと勝ったんです。それが24歳の時。実は今週末の6月28日に大阪のBODYMAKERコロシアム第2競技場で行われる「VTJ 5th in OSAKA」という試合に出場するんですけど、その会場こそ、プロ初勝利を収めた第3戦が行われた場所なんです。10年ぶりに同じ会場で試合をするという巡り合わせにも驚きですが、ある意味縁起がいい会場でもある。でもその時も勝ったとはいえ、しょっぱい試合で(笑)。もう、ひたすら勝ちにこだわって、神戸から応援に来てくれた友達が“つまんないな”って(笑)。でもつまらなくても勝てばいい。負けるほうがショックですもん。とりあえず、勝ったから友達もつまらないとか言えるわけで。これ、負けていたら周りも言いにくいですからね。負けた上につまらないって、ほんと、それが一番最悪でしょ(笑)」

 6月28日に行われる試合に向けて静かに闘志を燃やす。

「去年、怪我で13カ月試合を休んでいたんです。そんなに休んだのは初めてで、今年の2月に復帰したんですが、自分のイメージと全然違っていて。自分では結構仕上がっているなって思っていたのに、全然動けなくなっているし、スタミナも切れた。練習はしっかりやっていたつもりだったので、愕然としてしまって…。それからは、一から鍛え直すつもりで、新しい道場に出稽古に行かせてもらったり、面倒をみてもらったりしました。今度こそ完全に仕上がっている手応えはあります。これで負けても、それは相手のほうが強いということだから、仕方がないと思えるぐらいしっかりできている。2月とは全然違う感覚です。僕は年間3回ぐらい試合をしていたので、そんなに休んだことで戦い方が分からなくなっていたところもあった。自分のスタイルを忘れてるぞって。僕の勝ちパターンは、雰囲気を作る。俺が勝っているぞっていう雰囲気(笑)。心理戦に持ち込んで、試合をうまく自分のペースに引き寄せるというか。そういう自分のスタイルを忘れていたような気がします」

 イケメン格闘家として女性の人気も高い美木だが、気になる女性のタイプとプライベートでの楽しみは…。

「好みのタイプ…うーん、静かな人ですかね。喜怒哀楽が激しい人は苦手かも。喋らないという意味じゃなくて、あまりうるさくされると疲れてしまう。女優さんだと石田ゆり子さんとかいいですよね。うるさくない、しっとりとした大人の女性がいいですね。僕、結構細かいんですよ。最近自分の細かさにびっくりする(笑)。特にジムをやり始めてから、きれい好きになった。練習のことで怒ったりはしないんですけど、ジムの掃除だけは口うるさい(笑)。プライベートでの趣味は特にないんですよ。ただ、最近ちょっと凝っているのがコーヒーと読書。コーヒーは家でもちゃんとペーパードリップでいれています。コーヒー豆を買ってきて自分でいれるのがマイブームですね。読書は、好きな革製品のブランドでブックカバーを買ったんです。2万円ぐらいの。僕、基本的に形から入るので、それをつけると本を読みたくなる。ブックカバーをしているだけでちょっとオシャレに見えるし、それに自分で入れたドリップコーヒーを飲んだら間違いないでしょ(笑)。そんな不純な動機でしたけど、それで読書が好きになりました。電車の中とかでスマホをいじっているより、いい感じに見えるじゃないですか。そんな知的な一面も出していきたいなと。ここ、ちゃんと書いてくださいね(笑)」

【新連載・初回拡大版 格闘家イケメンファイル】Vol.1 駿河の寝技王子 佐々木憂流迦(ささき・うるか)

2014.06.07 Vol.619

 強いヒーローに憧れる男子に人気の格闘家。しかし最近では、強くてカッコイイ格闘家に女性ファンが注目しているとか。そんなイケメン格闘家を紹介する新連載がスタート! 第1回目は、佐々木憂流迦が登場。

「小学生のころからプロレスラーに憧れていて、兄貴と家でずっとプロレスごっこをやっている子どもでした。ベッドとかを壊して、やりすぎだろっていうぐらい(笑)。で、いろいろな格闘技を見ていくうち、五味隆典さんがすっごい好きになって、格闘家になろうと思いました。中学を出たらジムに入ろうかとも思っていたんですが、親が高校ぐらいは出ておけと。だったら、総合に使えるレスリングを学ぼうと思って、レスリングの強豪校に入ったんです。でも今はそれがすごく役立っていますね。アメリカのメジャー団体でもレスラーのチャンピオン出身者が多いですし、そういう意味では良かったなと。自分のスタイルとしては、寝技が得意ですが、今は打撃もすごく向上してきているので、どこでも勝負できるなと思っています。地方大会でもよく優勝をしていたので、ありがたいことにアマチュアの時から注目をしていただいていましたが、自分では話題のほうが先行しているなっていう感覚だったんです。でも今は実力がついてきて、ちょうどいいぐらいだと思っています」

 リングネームの憂流迦は、サンスクリット語で“天狗”の意味。

「天狗が好きなんですよ。型がないから。人の形してるのに、空を飛んじゃったり、妖術を使っちゃったりして、腕のひと振りで倒しちゃう(笑)。それぐらい強くなりたいし、天狗のように型のないファイトスタイルを目指しています。おかげで、ファンや周りの方が天狗ゆかりの地に行くと、天狗グッズを買ってきてくれるので、自分の周りは天狗だらけです(笑)」
 趣味は天狗グッズ集め?

「いやいや(笑)。漫画と絵を描くことです。試合前はその場の環境や周りの人が毎回違うので、その時の気持ちを留めておくために、なにか描きたくなる。最近は筆が多いかな。美術が好きなので、一人で美術館に行ったりもしますよ。内気なんです(笑)。休みの日には人と会っていることが多いですけど、一人のときはドライブしたり、絵を描いたりして過ごすことが多いですね」

 好きな女性のタイプは意外にも(?)清楚系だとか。

「今は彼女いないので。本当です。募集中って書いておいて下さい(笑)。好きなタイプは笑顔が素敵な人で声がいい人。YUIの声とか好きです。ギャルより、黒髪で清楚な感じがタイプ。彼女ができたら浴衣着て一緒にお祭りに行きたいですね。もちろん僕も浴衣着て。格闘技とか?興味ないほうがいいかも。何それ?ぐらいの感じで(笑)」

 そんな佐々木の目標は格闘技を多くの人に見てもらうこと。

「夢はスーパースターです。バカっぽいと思ってるでしょ(笑)。俺が昔テレビで見た五味さんは、やっぱスーパースターだったので、あんなふうになりたい。格闘家としてみんなの前でアピールして、格闘技に興味がない人にも知られるようになる。それが自分が思うスーパースターです。格闘技って野蛮なイメージがあるかも知れませんが、選手は一人ひとりプロ意識を持ってやっています。それぞれにドラマがあるし、そういうところに注目してもらえれば。殴る蹴るは非日常ですから、それを楽しんでほしい。自分自身は、やばいファイトを見せたいです。こんなのがあるんだって、見ている人が痺れて動けなくなるような。そんな痺れる試合をしますのでぜひ生で見て下さい」

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