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さまざまな恋愛の形を描く鴻上尚史の新作舞台『ベター・ハーフ』

2015.04.09 Vol.639

 鴻上尚史の書き下ろしの新作舞台『ベター・ハーフ』が現在上演中。
 タイトルである「ベター・ハーフ」というのは自分が必要とするもう一人の自分。天国でひとつだった魂がこの世に生まれるときに男と女に分かれ、現世でもう片方の自分に出会うと、相性がぴったりと合うという、その片割れのこと。
 作品では若い男女(風間俊介、真野恵里菜)と中年の男性(片桐仁)、トランスジェンダーの女性(中村中)の4人が繰り広げる恋愛模様が描かれる。ちょっとした嘘から始まった出会い。そこから生まれた恋愛は、4人を取り巻く環境の変化やちょっとした感情のすれ違いからさまざまな形を見せ始める。
 初日(3日)に先立ち行われた会見では主演を務める風間が「みなさんが経験した恋愛が詰まっている作品。恋って素敵だなって思ってもらえれば、と思います」と語れば、片桐は「僕はブサイク代表として、恋をあきらめつつある40代の仲間たちに“まだまだあきらめるな。死ぬまで時間はあるぞ”ということを伝えたい。人と触れ合って、なんとか恋をしてもらおうという気持ちで演じています」と話す。
 芸能界を目指すかたわらデリヘルで働く女の子の役の真野は、会見でもごく自然に「デリヘル」という言葉を口にするなど、完全に役になりきっている様子? またホテルのラウンジのピアノ弾きの中村が劇中に弾き語りで披露する恋愛に関わる歌がよりいっそう登場人物たちへの感情移入を誘う。
 東京公演は下北沢の本多劇場で4月20日まで。その後、大阪で4月25、26日に上演され、5月3~5日にはよみうり大手町ホールで東京凱旋公演される。

この脚本にこの出演者。面白くなかったら、多分事故 M&Oplays プロデュース『鎌塚氏、振り下ろす』

2014.06.22 Vol.620

 M&Oplaysと作・演出家の倉持裕によるコラボ公演の7作目。そして倉持が正統派スクリューボール・コメディーに挑戦し、高い評価を得た「鎌塚氏」シリーズの3作目となる作品。

 同シリーズは三宅弘城演じる、生真面目で融通のきかない執事・鎌塚アカシを中心に繰り広げられるドタバタコメディー。

 舞台は貴族制度が続いている世界。アカシが仕える貴族はなにやら問題を抱えている人たちばかり。今回は日本有数の名家・中之院公爵家での出来事。先代の当主が亡くなってしまい家ばかりではなく、国会の貴族院における一大派閥の長にもなってしまったレイジロウ。しかし放蕩息子で政治経済のことなどさっぱり分からないレイジロウは取り巻く環境の激変ぶりと父を亡くしたショックから神経衰弱に。経済的にも困窮し、さまざまな陰謀や困難が降りかかる中之院家をなんとか守ろうとするアカシなのだが…。

 アカシのアイドル的な存在で第1弾では恋愛模様を繰り広げた女中頭のケシキ(ともさかりえ)と「伝説の執事」とアカシが崇める父親役としてベンガルが登場。伝説の執事、ベンガル…もう面白すぎる雰囲気ぷんぷんだ。

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