前回の記事で書いた通り、Twitterをもっと活用しようと日々発信を続けている。
GIRL’S CHは女性向けのAVやアダルトグッズを取り扱っているので、商品の紹介や、自分から見てお客様にオススメできるポイントをお伝えする、という内容の投稿がメインになってきた。
アダルトグッズは、自分で使ってから感想を書くようにしていて、グッズの写真(たとえば、大きさがわかりやすいように手近な駄菓子と並べてみたり、触感がわかりやすいように握ったり曲げたりして、サイトの写真では伝わらない情報を入れたりする)を添えてアップしている。
そういった内容をアップしていると、なぜか男性と思われる方からのフォローやリプライ、DMが増えた。
おそらくこれは、アダルト商材を扱っている女性にとっては、“あるある”なことだろう。
特に男性向けの商材の場合は顕著で、実際に飲み会で「こんなDMが来て困った」というような話を聞くこともある。
私もこれまで全くなかったというわけではない。
ただ、これまでは数が少なかったのでほとんど気にならなかった。
女性向けの商材を扱っているので、イケメンがメインに写ったパッケージを紹介することが多かったから、男性の目に留まることがなかったのだろう。
アダルトグッズの場合、男根を模した形をしているものもあるので、男性が見て「エロいものだ!」とわかりやすくなったから、気付かれてしまっただけなのかもしれない。
とはいえ、私のアカウントをフォローしているうちに、女性向けのアダルトを通して女性の考え方を知ってもらえれば良いと思っているので、ご覧いただく分には大歓迎だと思っている。
リプライはちゃんとした質問であればお答えしている。
ただ最近は、欲求不満で出会いを求めている女性、と勘違いされているのかな、というリプライやDMをいただくことが増えた。
特にそれに関して怒りやショックがあるというわけではなく、「GIRL’S CHのサイトユーザーさん以外からのご連絡が来てしまったな」と思って右から左に流している。
もしかしたら、私がどういった経緯でこのTwitterを運用されているかご存知ないだけかもしれないので、一度説明させていただこうと、先日このようなTweetをした。
もしかしたら、私のツイートのリプ欄などをご覧になった方が不安になったり不快な気持ちになるかもしれないので、一度書いておきます。
グッズやAVの紹介に対して、「使っているところを見せて」や、出会い目的、その他卑猥なメッセージ等、送らないでください。
当方、GIRL’S CHという女性向けのアダルトサイトの運営に携わっております。男性との出会いや、セックスは求めておりません。
もしかしたら、誤解されている方がいるかもしれませんが、そういうわけなので、送らないでくださいね。
このツイートをするときに、すごく迷った。
理由はひとつ、「私が我慢していれば済む話」だからだ。
わざわざ、他のだれかが傷付くかもしれないような、他のだれかが心配になったり不安になったりするようなことを、言う必要があるのだろうか、と。
ただ、DMは無視すればいいが、今後リプライや引用RTで、女性がショックを受けるような内容を書かれたら、見ているお客様がショックを受けるかもしれない。
私がツイートすることで多くの人に嫌われる可能性もあれば、ツイートをしないことで誰かが傷付く可能性もある。
今のような非常事態が続いてストレスが溜まっているときに、人は傷付きやすくなり怒りやすくなる。
我々が扱うエロという商材は、もともと非常に刺激が強い、ある意味で暴力性の強い商材だ。
繊細な人が多くなっている今、慎重に扱わなければいけないからこそ、自分が守るべきは私の発信を見てくれている“女性”(ここではあえてこう言い切らせていただく)だと考え、私はこう続けた。
あと、私は何を送られても気にしませんが、そういった男性からのメッセージに恐怖を感じる女性スタッフもいるかもしれません。
後輩たちに嫌な思いをさせたくないですし、そういう気持ちから仕事や夢を諦めて欲しくないので、未来のために申し上げました。ご理解、ご容赦いただけますと嬉しいです。
目の前の危機回避をとるか、将来的な利益をとるか、と書くと虫が良すぎるかもしれないが、演者に会うイベントがなくなり我慢しているお客様や、なんとなく私のTwitterを眺めている将来のお客様・新入社員が、5年後も10年後もGIRL’S CHを楽しんでくれることのほうが大切なのではないか。
最悪これで印象が悪くなったら会社を辞めてしまえばいい。(というと怒られるが)
私は自分でよくわかっている。
私は仕事ができない。
私ひとりでは世界を変えられない。
自分が優秀ではないことは百も承知している。
だからせめて、優秀な人が働きやすいアダルト業界を作ることにひとつでも貢献できれば、いつか何かが変わるかもしれない。
アダルト業界は、どうしたって他の業界と違うと思われがちだ。
自分自身も、大卒でアダルト業界に新卒入社したことや、人々がこっそり楽しむアダルトビデオやアダルトグッズを堂々と見たり使ったり宣伝することで、他の方から誤解を受けたりした経験があった。
そういった偏見と闘うことも仕事の一部だと言われればそうかもしれないが、少なくとも私の仕事は、「クリエイターが作ったものをひとつでも多く売ること」だ。
そして私たちの仕事は、「エンターテイメントを作ること」だ。
それを達成することによって、社会での存在意義が得られると思っている。
反対に、どれほど偏見と闘おうが意義のあることを言おうが、市場の広がりがなければ「当たらなかった」「一過性のムーブメントだった」で終わってしまう。
全てが水の泡なのだ。
偏見と闘うこと、あるいは、スルースキルを備えていることが、この業界で働くために必要なひとつの要素になってしまってはいけないはずだ。
私には、長く働くこととスルーする能力しかないが、それでも、何か未来につながることができれば。