SearchSearch

迷走中の移転問題はさておき…築地の本当の姿を描いた映画が公開中

2016.10.22 Vol.677

 本来なら11月7日に築地市場から豊洲市場への移転が行われるはずだった。しかし小池百合子東京都知事が就任後いろいろ調べてみると、豊洲市場の主要な建物の地下に汚染対策としてされるはずだった盛り土がなされていなかったり、それゆえに生まれた地下スペースにどこからのものか分からない水がたまっていたり、地下空間の大気から国が示す指針値の最大7倍の水銀が検出されたりと、築地市場の移転問題は思わぬ方向へと進んでいる。

 そんななか「築地の真の姿を描いた」と言っても過言ではない映画『TSUKIJI WONDERLAND(築地ワンダーランド)』の全国ロードショーが10月15日から始まった。

 この映画は報道規制の厳しい築地市場で1年4カ月に渡ってカメラを回し、長期密着取材を敢行。鮨職人ら料理人に食材を仲介する「仲卸」と呼ばれる人々を中心とした築地で働くプロフェッショナルたち、料理人、文化人、評論家といった食に関わる人々へのインタビューを軸に我々の知らない、見たことのない築地の深部に迫っていく。映画では日本の食文化の豊かさを再確認し、そこに果たしてきた築地の役割を描いている。
 タイミング的には消えゆく築地をこの目に焼き付け、日本の食文化を支えてきた築地の人々たちの仕事に敬意を表し、そして豊洲という地で新しい食文化を紡ぎ出すための一歩を踏み出すつもりだったのだが、この映画を見ると「もうちょっと築地のままでいいんじゃない?」なんて気にもなってくる。

 いや、別に移転反対派とかそういうのではなく、映画を見るとただひたすらに築地という地とそこで働く人々に愛しさを感じてしまうから。
 そんなわけで、取りあえず移転問題については遠くから眺めておくとして、「実は築地に行ったことがない」なんて人は映画を見る前でも後でもいいから築地に行ってみるといい。

 多分、その後で食べる寿司の味はそれまでとはちょっと変わっているはずだから。

報告書は出てきたものの…

2016.10.07 Vol.676

2016.9.23〜2016.10.6 NEWS HEADLINE<PHOTO OF THE WEEK>

盛り土なしコンクリート箱あり

2016.09.23 Vol.675

2016.9.9〜2016.9.22 NEWS HEADLINE<PHOTO OF THE WEEK>

小池知事が築地移転延期決断

2016.09.09 Vol.674

 東京都の小池百合子知事は8月31日、都庁で記者会見を開き、11月7日に予定していた築地市場(中央区)から豊洲市場(江東区)への移転について「安全性への懸念」「不透明な費用の増加」「情報公開の不足」の3つの疑問点を挙げ、延期を正式に表明した。

 そして外部識者による「市場問題プロジェクトチーム(PT)」を立ち上げ、土壌汚染の安全性や5884億円にまで膨らんだ総事業費の検証などを行う考えを示した。

夏ドラマ!食の達人ヤッさん、カキフライ有名店を救う!

2016.08.05 Vol.672

 伊原剛志が主演する、金曜8時のドラマ『ヤッさん~築地発!おいしい事件簿~』(毎週金曜夜8時、テレビ東京ほか)が放送中だ。築地を舞台にした人情喜劇で、タイトルが示すように、いろいろな「おいしい」が登場。視聴者の心をほっこりと、お腹をぐうぐうとさせている。

 おいしい料理とさまざまな人間ドラマで楽しませてくれる本作。5日は第3回「籠城レストラン」を放送する。人気洋食店、東雲軒のオーナーが、系列店に人質をとって立てこもる。オーナーの妻に頼まれてヤッさん(伊原)と弟子のタカオ(柄本佑)は東雲軒のシェフとして籠城先に乗り込む。そこで、オーナーから悪徳外食グループの酷い仕打ちを聞くことになり……。
 
 第2回では、母と娘の関係、進路、グルメサイトのレビュー問題など親しみのあるフレーズが、蕎麦、韓国料理など、おいしい料理とともに、人情たっぷりに語られた。5日放送の最新回でも、視聴者のハートをクギづけにしそうだ。

Copyrighted Image