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自公が64議席減で過半数に18届かず。臨時国会での首班指名では石破茂氏と野田佳彦氏のどちらが選ばれるのか

2024.10.28 Vol.Web Original

「第50回衆議院議員総選挙」は10月27日に投開票され、連立与党を組む自民党と公明党が15年ぶりの過半数割れの惨敗を喫した。

 自民党は56減の191、公明党は8減の24に終わり、合わせて215議席と過半数の233議席に18議席届かなかった。

 野党では立憲民主党が50増の148、国民民主党が21増の28、れいわ新選組が6増の9、参政党が2増の3と議席を伸ばした。一方、日本維新の会は6減の38、共産党は2減の8と議席を減らした。社民党は1議席を守った。

 今回は昨年11月に一気に表面化した自民党の議員による政治資金パーティー収入の裏金問題が尾を引くなか「政治とカネ」に焦点があてられた選挙となった。

 自民党は9月27日に投開票された総裁選で石破茂氏が新総裁となり、10月1日に石破氏が第102代内閣総理大臣に選出された。石破氏は総裁選中は早期解散には慎重な姿勢を見せていたのだが、9日に党首討論を行った後に衆院を解散し、27日に投開票という強行日程で選挙に臨むこととなった。

自民の小泉進次郎選対委員長が都内を駆け回り「スマホで撮ったら拡散して」「1票差でいいから勝たせて」と小泉節で応援演説

2024.10.22 Vol.Web Original

 自由民主党の小泉進次郎選挙対策委員長が「第50回衆議院議員総選挙」の投開票まで10日を切った10月19日から首都圏エリアでの応援演説を本格化させている。

 小泉氏は15日の公示日に大阪で応援演説をスタート。16日に関西エリアを精力的に動き回り、17日には埼玉県で2候補の応援演説に駆け付けると、そのまま群馬、新潟と北上。18日には中部エリアを中心に6カ所を回り、19日から首都圏に本格帰還し千葉、埼玉、東京で7カ所、20日には地元・神奈川で7カ所を回り、変わらぬ人気っぷりを見せた。

 21日は都内6カ所を駆け回り、午後には高田馬場駅前ロータリーで東京1区の山田美樹候補の応援演説を行った。吉住健一新宿区長や都議会議員などの応援演説中に小泉氏が到着すると年配の女性を中心に歓声が上がる。

 小泉氏は選挙カーの上にしつらえられた演台に上がると、山田候補の演説中に駆け付けた支持者たちに手を振り、スマホで写真を撮る人たちには目線を送る。自らの演説では「スマホで撮ってくれてありがとうございます。スマホで撮ったら、撮って終わりではなく拡散してくださいね」と呼びかけ笑いを誘うった。そして「1票差でいいから山田さんを勝たせてあげてください」と訴えた。

「日本を守る。成長を力に。」がスローガンも「守る」という名の攻めの政策並べる石破自民党

2024.10.18 Vol.Web Original

「第50回衆議院議員総選挙」が10月15日公示された。27日の投開票に向け、13日間の短くも熱い戦いが繰り広げられている。

 各党、各候補それぞれが肝いりの政策を掲げ選挙選に臨むことになるのだが、今回の選挙は喫緊の政策と将来を見据えた政策、そして政治倫理といったものが複雑に入り混じり、頭を悩ます有権者も多そうだ。

 政権与党である自民党は9月27日に投開票された総裁選で石破茂氏が勝利を収め、新総裁に。10月1日に行われた臨時国会で第102代内閣総理大臣に選出された。石破首相は新内閣発足後の会見で衆院を解散し、10月27日投開票の日程で衆院総選挙を行う意向を示すと、9日に党首討論を行った上で衆院を解散した。

 自民党は今回の選挙については「日本を守る。成長を力に。」というスローガンを掲げる。選挙公約については「ルールを守る」「暮らしを守る」「国を守り、国民を守る」「未来を守る」「地方を守る」という5つの「守る」と「新たな時代を切り拓く」という6つの柱を立てた。

 公約の中でも“石破カラー”と言うにふさわしいのは得意分野である安全保障・外交、そしてかねてから唱えている防災・国土強靭化といったところ。

 石破首相は総裁選時から「防災省」設置への強いこだわりを見せた。今年は元旦に石川県で能登半島地震が発生。地形の問題もあり、一向に復興が進まない中、9月には奥能登豪雨で能登は壊滅的な打撃を受けた。

石破新内閣発足。初入閣は13人。総裁選で戦った加藤勝信氏が財務大臣に就任、林芳正官房長官は続投

2024.10.01 Vol.Web Original

 岸田内閣が10月1日午前に総辞職した。それに伴い臨時国会が召集され、午後の衆参両院の本会議で自民党の石破茂総裁が第102代総理大臣に選出された。

 その後、続投となった林芳正官房長官が新閣僚の名簿を発表した。初入閣は13人、再任は官房長官の林氏と国土交通大臣の斉藤鉄夫氏の2人となっている。

 総裁選で戦った加藤勝信元官房長官が財務大臣に就任した。

 また、9月30日に発表された自民党の新執行部では、副総裁に元総理・総裁の菅義偉衆院議員、幹事長に森山裕衆院議員、総務会長に鈴木俊一衆院議員、政務調査会長に小野寺五典衆院議員、選挙対策委員長に小泉進次郎衆院議員、組織運動本部長に小渕優子衆院議員(再任)、広報本部長に平井卓也衆院議員(留任)、国会対策委員長に坂本哲志衆院議員、幹事長代行に福田達夫衆院議員、そして最高顧問に麻生太郎衆院議員がそれぞれ就任している。

石破茂自民党新総裁、最新刊『保守政治家 わが政策、わが天命』に注文殺到で緊急重版

2024.09.28 Vol.Web Original

 9月27日に行われた決選投票にて、自民党の新総裁に選出された石破茂氏。これを受けて今年8月に刊行した同氏の最新刊『保守政治家 わが政策、わが天命』に注文・問い合わせが殺到し、緊急重版が決定したことが発行元の講談社から発表された。

決選投票で石破茂氏が高市早苗氏を破り第28代総裁に選出「日本を安全で安心な国にするために全身全霊を尽くす」

2024.09.27 Vol.Web Original
 自由民主党の岸田行雄総裁の任期満了に伴う総裁選挙の議員投票が9月27日に行われ、元幹事長の石破茂氏が決選投票で経済安全保障担当大臣の高市早苗氏を破り、5度目の挑戦でついに総裁の座を射止めた。
 
 今回の総裁選は両氏のほかに前経済安全保障担当大臣の小林鷹之、官房長官の林芳正、元環境大臣の小泉進次郎、外務大臣の上川陽子、元官房長官の加藤勝信、デジタル大臣の河野太郎、幹事長の茂木敏充の7氏が立候補。26日に党員投票が締め切られ、27日に議員投票の投開票と党員投票の開票が行われた。
 
 1回目の投票では高市氏が議員票72、党員算定票109の181票でトップとなり、石破氏は議員票46、党員算定票108の154票で2位。
 
 以下、小泉氏が136票(議員票75、党員算定票61)、林氏65票(38、27)、小林氏60票(41、19)、茂木氏47票(34、13)、上川氏40票(23、17)、河野氏30票(22、8)、加藤氏22票(16、6)だった。
 
 過半数を獲得した候補者がいなかったため、高市氏と石破氏の決選投票となったが、石破氏が議員票189、地方票26の計215票、高市氏が議員票173、地方票21の194票で石破氏が第28代総裁に選出された。
 
 直後に行われた両院議員総会で石破氏は「岸田総裁が大変な決意をもってその職を辞され、自由民主党が生まれ変われるように、もう一度、国民の信頼を取り戻せるようにご決断をなされました。私ども一丸となって、それにこたえなければいけません。私どもは3年余、野にありました。安倍総裁の下で私は幹事長を拝命し、自由闊達な議論ができる自由民主党、公平公正な自由民主党、そして謙虚な自由民主党、皆が心を一にして政権を奪還いたしました。もう一度その時に戻りたいと思っております。国民を信じ、勇気と真心を持って真実を語り、この日本国をもう一度、みんなが笑顔で暮らせる安全で安心な国にするために、石破茂、全身全霊を尽くしてまいります。どうぞよろしくお願いいたします」と語った。

「vs野田」という新しい要素も加わり混迷続く自民党総裁選

2024.09.25 Vol.Web Original
 自由民主党の岸田行雄総裁の任期満了に伴う総裁選挙が佳境を迎えている。党員投票は9月26日に締め切り、議員投票は27日に行われ、党員投票と合わせ開票される。
 
 今回、立候補したのは経済安全保障担当大臣の高市早苗、前経済安全保障担当大臣の小林鷹之、官房長官の林芳正、元環境大臣の小泉進次郎、外務大臣の上川陽子、元官房長官の加藤勝信、デジタル大臣の河野太郎、元幹事長の石破茂、幹事長の茂木敏充の9氏(抽選の結果による届け出順)。
 
 当初はダントツの人気を誇る小泉氏が告示の12日に行われた所見発表演説会で「今回の総裁選は自民党が本当に変わるか、変えられるのは誰かが問われる選挙。自民党が真に変わるには改革を唱えるリーダーではなく、改革を圧倒的に加速できるリーダーを選ぶこと」と切り出し「私が総理になれば1年以内に政治改革、規制改革、人生の選択肢の拡大。この3つの改革を断行する」と宣言し期待を持たせたが、翌日の共同記者会見以降、議論においては他の候補者のターゲットとされたこともあり失速。現在は石破氏、高市氏、小泉氏の3人による三つ巴の様相を呈している。
 
 ここまで小泉氏は規制緩和路線の目玉ともいえる「解雇規制の見直し」に各候補から疑問が呈され、徐々に軌道修正。「選択的夫婦別姓」については候補者の中でも上川氏のように「個人的には賛成」という姿勢を表明する者もいる一方、党内では賛否が分かれ、小泉氏が強引に進めると自民党が分裂しかねない問題となっている。
 
 石破氏は得意分野である安全保障の分野で安定した政策を掲げる。所見発表演説会、共同記者会見、街頭演説会、オンラインで行った国民の声に応える政策討論会等でも持論を展開。なかでも17日に沖縄・那覇市内で行われた演説会では「日米地位協定の見直し」といった日米間に長く横たわる懸案事項にについて触れる場面も。これは沖縄県民に限らず、多くの国民にとっても期待したくなる主張なのだが、党内では継続性が求められる外交・安全保障政策の急激な転換には疑問符をつける者もおり、先行きは見通せない状況だ。
 
 また重要政策として「防災省」の創設も掲げているのだが、21日からの大雨で石川県では甚大な被害が発生。今年1月の能登半島地震に続く災害に改めて国民の中には防災への意識が高まっている。
 
 高市氏は前回の総裁選では故安倍晋三氏の指示を受け大きく躍進。安全保障、経済政策、そして憲法改正問題などでは安倍氏の路線継承を訴える。今回の総裁選については、当初はさほど大きな存在とはいえない状況だったのだが、論戦が進むにあたり、かねてからの政策通の面で評価を高め、決選投票進出の有力候補と目される位置まで浮上。また18日に中国の深圳で起こった日本人学校の男子児童が登校中に中国人の男に刺されて死亡した事件においては、上川氏が外相という立場から「遺憾」という表現に留めざるを得ない状況の中、特に強い言葉で中国を非難するなど保守系議員の受け皿としても存在感を増している。
 
 こういった政策に対する自民党内の反応とは別に投票の4日前にして、自民党員を悩ませる問題が勃発。23日に行われた野党第一党の立憲民主党の代表選で野田佳彦元首相が代表に返り咲いたことから、国会論戦における「vs野田」という新たな要素を加味したうえでの投票が求められることとなった。
 
 小泉氏においては総裁選後に行われるであろう解散総選挙の際に「自民党の顔」としての期待感が高いのだが、来年行われる参院選までの国会論戦で野田氏を相手に持ちこたえられなければ参院選での敗北もあり得る。目先の解散総選挙と来年の参院選の両方で勝利を収めることができる候補は誰なのか…。
 
 総裁選は国会議員票と党員・党友票がそれぞれ368票の計736票を争う。1回目の投票で過半数を得た候補がいなければ、上位2人による決選投票が実施されるのだが、今回は9人と立候補者が乱立していることから決選投票となるのは確実。派閥解体により、敗れた7候補へ投じられた票がどう動くかが全く読み切れない状況となっている。

「政治とカネ問題」でさまざまな再発防止策。情報公開、政策活動費の廃止、第三者機関による資金チェック、政党のガバナンスを律する法律の制定…【自民党総裁選】

2024.09.13 Vol.Web Original
 自由民主党の岸田行雄総裁の任期満了に伴う総裁選挙に立候補した9人の候補が9月13日、都内で共同記者会見に臨んだ。
 
 今回、立候補したのは経済安全保障担当大臣の高市早苗、前経済安全保障担当大臣の小林鷹之、官房長官の林芳正、元環境大臣の小泉進次郎、外務大臣の上川陽子、元官房長官の加藤勝信、デジタル大臣の河野太郎、元幹事長の石破茂、幹事長の茂木敏充の9氏(抽選の結果による届け出順)。
 
 会見では「政治とカネ/政治資金問題」については全員が、捜査当局や自民党が調査を尽くしたうえで処分が下されたという考えから再調査は行わないが、新たな問題が出てきたときには再調査を行うという考えを示した。また再発防止策の徹底についてはさまざまな意見が出された。
 
 高市氏は「各国会議員においては誠実に説明を尽くしていただく、そして納得していただける状況を作っていただく。その努力が必要。むしろ私は再発防止策を徹底することに努めさせていただく。特定の人が資金を配分するということがないようにする。会計や経理の専門家なども入れて党の予算も組み、公平な配分、公正な使途のチェック、情報公開をしっかり行っていく」
 
 小林氏は「重要なのは個々の議員が有権者に対して説明責任を果たしていくこと。私が総裁になったら、党近代化実行本部というものを立ち上げたうえで、今回の件、過去の事例、あらゆる事例を想定したうえで罰則の在り方を含めたルール整備を早急に進めていきたい」
 
 林氏は「それぞれがしっかりと説明責任を果たしていくこと。これはそれぞれが自身の選挙に向けても大事なこと。党の信頼回復、こうした政治改革、政策をしっかり実行していく。それをよく説明していくということを進めていきたい」
 
 小泉氏は「お金の流れの不透明なところをなくす、ということで政策活動費は廃止、旧文通費は使い道は公開、残金は国庫に返納を義務づける。政治だけに許されてきた不透明なお金の流れはやめるということを実現したい」
 
 上川氏は「第三者機関による資金チェックを設定し、民間企業に匹敵する高いコンプライアンスを実現する。私は不記載問題が発覚する以前から党改革実行本部の党のコンプライアンス向上に努めてきた。私自身もできるだけお金のかからない清廉な政治活動に努めてきたし、政治資金に関する大臣規範もしっかり順守してきた。透明性高く、そして真摯に謙虚な政治活動を私自身、先頭に立って実践することにより信頼の回復に全力を挙げる」
 
 加藤氏は「説明が不足しているのではないかという声には応えていくべき。改正政治資金法の中にある政党交付金交付停止制度の趣旨を踏まえて、私どもがいただいている政党交付金の中から、不記載相当分については国庫に返納する。こういった形で自民党としての責任を考えていくべき」
 
 河野氏は「真相解明ができなかったのは忸怩たる思い。不記載の額をきちんと国庫に返納してもらうということでけじめをつけたい。今、非課税にしていただいている政治に関するお金。これは領収書をつけて年末に1年分のものをしっかり報告をする」
 
 石破氏は「これから先のことについては、会社のガバナンスを律した会社法500条、条文があるが政党のガバナンスを律する法律はない。政党のガバナンスを律する法律の制定は急務であると考えている」
 
 茂木氏は「透明性をさらに高めていかなきゃならない。こういった観点から制作活動費に関しては廃止したい。わが党は日本の政党として初めてガバナンスコードを制定した。ガバナンス、コンプライアンスが守れる政党にしていきたい」
 
 などとそれぞれ語った。
 
 会見ではこの他に「岸田政権から継承していくべきと思う点、転換していくべきと思う点」「解雇規制緩和について」「災害への対応/防災省の設置」「不記載があった議員への対応」「安定的な皇位継承への対応」「財政再建、格差の是正、分配について」といった質問が飛んだ。

自民党総裁選に史上最多の9人が立候補。所見発表演説会では経済対策、憲法改正、政治と金などさまざまな主張が飛び交う

2024.09.12 Vol.Web Original
 自由民主党の岸田行雄総裁の任期満了に伴う総裁選挙が9月12日に告示され、9人が立候補を届け出た。9人というのは過去最多の人数。
 
 今回、立候補したのは経済安全保障担当大臣の高市早苗、前経済安全保障担当大臣の小林鷹之、官房長官の林芳正、元環境大臣の小泉進次郎、外務大臣の上川陽子、元官房長官の加藤勝信、デジタル大臣の河野太郎、元幹事長の石破茂、幹事長の茂木敏充の9氏(抽選の結果による届け出順)。27日に投開票が行われる。
 
 午後には候補者の所見発表演説会が行われた。
 
 加藤氏は「このたび私は断固たる決意を持って、今回の総裁選挙に立候補しました。新しい日本、日本の強みを呼び覚まし、一人ひとりの思いを形に。日本総活躍プランを実行して参ります。今こそ国民の所得倍増を成し遂げ、改革を快速化し、新しい日本を共に作っていく。これが私の使命であり、これを実現したい、その思いで立候補させていただきました」などと立候補に至った思いを口にした。
 
 この「日本総活躍プラン」については、まずは「国民所得の倍増」を挙げ「公的セクターや予算にひもづけられた形で働いてる方々の賃金の引き上げや、中小企業に対する支援を通じた賃上げの決定。2つ目は成長を大きく促していく投資への促進。特にスタートアップや新産業に向けての支援を徹底していく必要がある。3つ目は同一労働同一賃金、また今、非正規労働で働いている方々の正規雇用化などを通じて労働分配率を引き上げる。そして4つ目は、金融所得の倍増を実現していく」とし実現のために「戦略本部」の設置を口にした。「豊かな地方が日本をよみがえらせる」とし「人口減少地域をしっかりと支える。また国土強靭化、インフラ整備も加速をしていく」、また「子供については近年出生数が大幅に減少している。私は給食費、子供医療費、出産費用、3つの負担の0を目指す」と語った。
 
 また外交については「先を見据えた戦略的な外交、安全保障の強化を進める」、北朝鮮問題については「すべての拉致被害者の即時帰国」を掲げた。
 
 憲法改正については「自衛隊、緊急事態条項を明記する憲法改正を必ず実現してまいります」との決意を述べた。

自民党総裁選 所見発表演説会で高市氏「自民党を鍛え直そう」、小泉氏は「できるだけ早期に衆議院を解散」

2024.09.12 Vol.Web Original
 自由民主党の岸田行雄総裁の任期満了に伴う総裁選挙が9月12日に告示され、9人が立候補を届け出た。9人というのは過去最多の人数。
 
 今回、立候補したのは経済安全保障担当大臣の高市早苗、前経済安全保障担当大臣の小林鷹之、官房長官の林芳正、元環境大臣の小泉進次郎、外務大臣の上川陽子、元官房長官の加藤勝信、デジタル大臣の河野太郎、元幹事長の石破茂、幹事長の茂木敏充の9氏(抽選の結果による届け出順)。27日に投開票が行われる。
 
 午後には候補者の所見発表演説会が行われた。
 
 高市氏は「総裁に選出されましたら、真っ先にやらなければやらないことは、国民の皆様にしっかりと信頼していただける自民党に生まれ変わるということ。しっかりと自民党を足腰の強い信頼される政党にしていく。これが最優先課題。国でも地方でもあらゆる選挙で勝ち続けられる環境を作っていく。強い自民党を作っていくという思いを持っている。そのために先頭に立たせていただき、同志の皆様、党員の皆様とともに働き続けていく。まっすぐに取り組んでいく」と決意を述べた。
 
 政治活動費についても言及「特定の幹部が使途を決めるのではなく、公平に配分され、使途がチェックできる仕組みを作らせていただく」などと語った。党内での適材適所の人事システムを作り上げ、政府においては民間登用を除き総理大臣を含めた閣僚給与閣僚を廃止する。
 
 最後は「来年、結党70年。ここらで1回、自民党を鍛え直ましょう。作り直しましょう。そして私が目指すのは国民の皆様に頼っていただける自民党、国民の皆様の信頼を集める自民党、ぶれない自民党、我が国の伝統と文化と歴史に真っ直ぐな思いをもって、誇りを持つ自民党でございます。そして憲法の論議をリードできる、そういう自民党」などと呼びかけた。

岸田首相が自民党総裁選への不出馬を表明。自民党の信頼回復の第一歩として自らが身を引くことを決断

2024.08.14 Vol.Web Original

 岸田文雄首相が8月14日、会見を行い、秋に行われる自民党総裁選に出馬しないことを表明した。

 岸田氏は会見の冒頭「今回の総裁選挙では自民党が変わる姿、新生自民党を国民の前にしっかりとを示すことが必要。そのためには透明で開かれた選挙、そして何よりも自由闊達な論戦が重要。その際、自民党が変わることを示す、最も分かりやすい最初の一歩は私が身を引くこと。私は総裁選には出馬しません」と不出馬の意向を表明した。

 そしてこの3年間での経済政策、エネルギー政策、少子化対策、外交といった面において「多くの皆様のご協力によって大きな成果を上げることができたと自負をしている」と語る一方で「この間、旧統一教会をめぐる問題や派閥の政治資金パーティーをめぐる政治と金の問題など、国民の政治不信を招く事態が相次いで生じた。私としては被害者救済法の成立や政治資金規正法の改正など、課題への対応や再発防止策を講じることが、総理総裁としての私の責任であるという思いで、国民を裏切ることがないよう信念をもって臨んできた。特に政治と金の問題をめぐっては派閥解消、政倫審への出席、パーティー券購入の公開上限引き下げなどの判断について、ご批判もいただいたが、国民の信頼あってこその政治であり政治改革を前に進めるとの強い思いをもって、国民のほうを向いて重い決断をさせていただいた」などと旧統一教会と自民党議員との関係についての問題や一連の裏金問題について言及。

 そのうえで「残されたのは自民党トップとしての責任。もとより、所属議員が起こした重大な事態について、組織の長として責任を取ることにいささかの躊躇もない。今回の事案が発生した当初から思い定め心に期していたこともあり、当面の外交日程に一区切りがついたこの時点で、私が身を引くことでけじめをつけ、総裁選に向かって行きたいと考えている」とこの日に不出馬を表明した経緯を明かした。

 そして「日本が直面する内外の難局は本当に厳しい状況。今般の総裁選挙では、我こそは、と思う方は積極的に手を挙げて、真剣勝負の議論を戦わせてほしいと思っている。そして新総裁が選ばれた後はノーサイド。主流派も反主流派もなく、新総裁の下で一致団結、政策力、実行力に基づいた真のドリームチームを作ってもらい、何よりも大事なのは国民の共感を得られる政治を実現することになる。それができる総裁であるかどうか、私自身も自分の1票をしっかり見定めて投じていきたいと思っている」と続けた。

 今後については「政治家・岸田文雄として引き続き取り組まなければいけない課題がある」として、30年続いたコストカット型、縮小均衡型、デフレ型経済からの脱却を確かなものにするための経済政策、原発の再稼働・新型核新炉の設置を含めたエネルギー政策、ウクライナ問題の終結といった外交問題、日韓国交正常化60年となる日韓関係の正常化、戦略的互恵関係に基づいた日中関係、そして拉致問題の解決を含む日朝関係といった北東アジアの近隣外交の前進、憲法改正、政治改革といった諸問題を挙げたうえで「着実に実行していきたい」と決意を述べた。

 最後は「私の政治人生、そして政治生命をかけて一兵卒として引き続きこうした課題に取り組んでいく。まずは9月までの任期中、総理総裁としての私の責任において、できるところまで最大限進めていく。そして今後とも能登半島地震からの復旧復興や南海トラフ地震や台風などへの災害対策をはじめ、最後の一日まで政策実行に一意専心であたっていく」などと語った。

 その後の質疑応答では改めてこのタイミングでの表明について「日本が直面している内外の課題に取り組んでいくことは重要なことだが、だからこそ政治への国民からの信頼が大事だと思っている。こうした国民の共感や信頼を再び取り戻すことによってこそ、こういった政策は前に進めることができると信じている。そういったことから自民党は変わらなければいけない。そして“自民党は変わった”と示す第一歩が私自身が総裁選に出馬しない、身を引くことと判断して今回の決断に至った」と改めて、自民党の信頼回復の第一歩として自らが身を引くことを決断したことを説明。

 後継者については「政治と金の問題、あるいは政治の信頼回復の問題については一連の改革努力が続けられてきたし、これからも続けていかなければならない。こうした一連の改革マインドが後戻りすることがないような方であってもらいたい」などと政治改革の推進を期待した。

 また「政治と金をめぐる問題が発生してからトップの責任のあり方については思いを巡らせてきた」という中で「政治家としてやりたかったこと、そしてやるべきことを今一度しっかりと整理をし、そして方向誠意を示す。総裁選挙から撤退するにあたっても、それだけはしっかりと示していく。そういった政治家の意地みたいなものはあった。ですから、この国会が閉幕してから先送りできない課題について取り組み、結果を出していくことに専念した」と国会閉幕後の最低賃金の引き上げ、物価高対策といった経済対策、旧優生保護法問題への対応、NATOサミットへの出席といった外交、憲法改正へ向けての党内議論の整理といった政治課題を挙げたうえで「これだけはやったうえで、今回の不出馬表明をしたいということを強く思ってきた。先ほども申し上げた通り、政治家としての意地をしっかりと示したうえで、これから先を考えた場合に自民党の信頼回復のためには身を引かなければいけないということで、今回の決断をしたということ。ぜひしっかりとした総裁選挙を行い、選ばれた総裁は今度こそオール自民党で、ドリームチームを作って信頼回復に向けてしっかりと取り組んでもらいたい。そのための決断でありたいと思っている。タイミングということについては今言ったような思いで取り組んだうえで今日に至ったということ」などと語った。

 自民党総裁選は9月に開催の予定で、これまで石破茂元防衛相、河野太郎デジタル相、茂木敏充幹事長、野田聖子元総務相、高市早苗経済安全保障担当相、加藤勝信元厚労相、小泉進次郎元環境相、小林鷹之前経済安全保障担当相といった多くの候補者の名前がメディア等で挙がっている。

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