5月25日に新型コロナウイルスの感染拡大防止による緊急事態宣言が解除され、世の中が徐々に日常を取り戻しつつある中で、ニュースもこれまでのコロナ一色から脱却しつつあった。そんな6月のニュースを振り返る。
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【2020年振り返り 5月編】黒川弘務検事長が賭けマージャンで辞任。木村花さんがSNS上での誹謗中傷で死に追い込まれる
新型コロナウイルス関係では緊急事態宣言が5月31日までの延長が発表され、庶民の我慢が続く中、東京高検の黒川弘務検事長が緊急事態宣言中に新聞記者らと賭けマージャンをしていたことが報じられる。そしてフジテレビの「テラスハウス」に出演していたプロレスラーの木村花さんが同番組での言動に誹謗中傷が浴びせられ、それを苦に自殺したとみられる悲劇が起こった。
【2020年振り返り 4月編】「改正健康増進法」が全面施行も緊急事態宣言の発効で吹っ飛ぶ? そしてアベノマスクの配布がスタート
新型コロナウイルスの感染拡大防止のための「緊急事態宣言」がついに発効されたのが4月。東京では新宿、渋谷、銀座といったかつて人でごった返した街から人の気配が消えた。「生きているうちにこんなことが起こるとは…」と思った人も多かったのでは? そんな4月のニュースを振り返る。
【2020年振り返り 3月編】初めてコロナを憎いと思った志村けんさんの死。そして東京五輪の延期が決定。「3密」が注目を集める
「周りに感染している人がいない」という人が多く、新型コロナウイルスについてどこか他人事に感じていた人たちが一気に新型コロナを自分たちに降りかかる厄災と認識し始めたのがこのころ。それには国民的な人気を誇るあの人の死があった。3月のニュースを振り返る。
【2020年振り返り 2月編】ダイヤモンド・プリンセスでずさんな対策で集団感染発生。イベントの中止や無観客開催が相次ぐ
新型コロナウイルスの感染者数、どこで感染者が発生したか、そして死者数といったニュースが一気に増えてきたのが2月。ということで2月のニュースを振り返る。
【2020年振り返り 1月編】1月から新型コロナ関連のニュースがぼちぼち。逃亡のゴーン被告がレバノンで会見
2020年という年がこんな年になるとは誰が予想しただろうか。今年もさまざまなニュースが世間をにぎわせたのだが、この年の瀬に1年の出来事を独断と偏見で振り返る。まずは1月から。
【2019年振り返り 12月編】自民党衆議院議員・秋元司容疑者が収賄容疑で逮捕。アフガニスタンで日本人医師・中村哲さんが銃撃され死亡。
12月の最大のニュースは自民党の秋元司衆議院議員が収賄容疑で逮捕されたこと。
秋元議員については12月7日に東京地検特捜部が、外為法違反の疑いで元政策秘書と元私設秘書の自宅などを家宅捜索していたことが9日に分かった。9日の時点では秋元議員は「元政策秘書とは今年の夏を最後に連絡をとっておらず、私自身が不正にかかわったことは一切ない」などと説明。その外為法違反容疑というのは多額の現金を無届けで国内に持ち込んだ疑いによるものなのだが、持ち込んだのはカジノを含む統合型リゾート施設(IR)への日本参入を目指していた中国企業の元役員らだったことが17日に発覚。18日には秋元議員自身も任意で事情聴取。19日には衆院議員会館(東京都千代田区)の事務所と地元事務所(同江東区)が家宅捜索された。
そして特捜部は中国企業に便宜を図る見返りに現金数百万円を受け取った疑いが強まったとして、25日に収賄容疑で秋元容疑者を逮捕した。
秋元容疑者は平成28年の臨時国会で衆院内閣委員長としてIR推進法の成立に関わったほか、29年8月から30年10月まで内閣府副大臣を務め、IRを担当していた。
現職国会議員の逮捕は22年1月に小沢一郎衆院議員の資金管理団体「陸山会」をめぐる政治資金規正法違反事件で逮捕された石川知裕衆院議員(当時)以来、約10年ぶり。
4日には海外から残念なニュースが届く。アフガニスタン東部ナンガルハル州ジャララバードで4日午前、現地で農業支援などの活動をしていた日本人医師、中村哲さん(73)の乗る車が武装勢力に銃撃され、中村さんは地元病院に運ばれたが、その後死亡が確認された。中村さんは非政府組織「ペシャワール会」(福岡市)の現地代表で、貧困層への医療支援や灌漑(かんがい)事業の指導などを行い、2018年にアフガン政府から勲章を授与された。
【2019年振り返り 11月編】田代まさしと沢尻エリカが薬物で逮捕。ボクシングの井上尚弥がWBSS優勝。漫才コンビのアンタッチャブルが復活
2019年も著名人の薬物問題が相次いだ。芸能界ではピエール瀧に始まり、元KAT-TUEの田口淳之介と恋人で元女優の小嶺麗奈、ロックバンド「RIZE」のJESSEとKENKEN、スポーツ界では冬季五輪に2度出場したプロスノーボード選手の国母和宏…。
この面々に11月に入ると大物2人が追加される。まず、6日には田代まさしが覚せい剤取締法違反(所持)の疑いで逮捕される。田代容疑者はこれが薬物5度目の逮捕。今回の逮捕では当初は「自分のものではない」と否認していたものの、後に認め、尿検査でも陽性を示したため、覚せい剤取締法違反(使用)の疑いで再逮捕された。
前回の逮捕後は民間の薬物依存リハビリ施設「ダルク」のスタッフとして薬物中毒者向けの講演を行うなど社会的な活動を行ってきた。今年7月にはNHKのEテレの障害者のための情報バラエティー『バリバラ』で薬物依存症について語っていた。
そして16日には女優の沢尻エリカが合成麻薬「MDMA」を自宅で所持したとして麻薬取締法違反の疑いで逮捕された。沢尻容疑者は所持を認めたが、尿からはMDMAを含む全ての違法薬物の成分が検出されなかった。沢尻容疑者は12月6日に起訴され、「心の底から後悔しております」などとする謝罪コメントを公表。来年1月31日に初公判が開かれる。
沢尻容疑者は来年のNHK大河ドラマ「麒麟がくる」では、主役の戦国武将、明智光秀の姻戚で、織田信長の正妻となる帰蝶(濃姫)役で出演が予定されていたが降板。21日に川口春奈が代役となることが発表された。撮り直しが生じてしまったため1月5日の初回放送が2週間後の同19日に延期となった。
7日にはボクシングの井上尚弥がワールド・ボクシング・スーパーシリーズ(WBSS)決勝でWBAスーパー王者のノニト・ドネアに3-0の判定勝ちを収め、バンタム級の世界一の座に就いた。ドネアは世界5階級制覇の実績を持つスーパースター。「世代交代」をかけてリングに上がった井上は見事にそれを果たしたが、その代償は大きく9日には右眼窩底など顔に2カ所の骨折があったことが分かった。全治は不明だが、手術の必要はないという。なおこの試合は米国のボクシング専門誌「ザ・リング」で今年の「年間最高試合」に選ばれた。
29日には漫才コンビのアンタッチャブルが『全力!脱力タイムズ』で約10年ぶりの電撃復活を果たした。12月8日放送の『THE MANZAI 2019』では約10年ぶりに新ネタを披露した。
アンタッチャブルは柴田英嗣が体調不良や女性トラブルで謹慎中にザキヤマこと山崎弘也の人気が急上昇。コンビ間の格差が開いてしまったため、コンビ再開のタイミングを失っていたが、柴田が復帰後こつこつと実績を重ね、ついに復活となった。
【2019年振り返り 10月編】来年の東京五輪のマラソンと競歩の会場が札幌に変更。香港で「覆面禁止法」制定。チュートリアル徳井が巨額の申告漏れと所得隠し
10月には来年の東京オリンピックに向けてまさかのニュースが飛び込んでくる。17日に国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長が東京五輪のマラソンと競歩の会場について「札幌市に移すことに決めた」と発言したのだ。
開幕まで300日を切っての決定に日本中が驚いた。しかしその反面、やむなしと思った人も多かったのでは?
今回の決定に「ここにきての変更はアスリートファーストではない」などという声も出たが、ここ数年の東京の8~9月の暑さを考えれば、そもそも東京で選手を走らせようと思うこと自体がアスリートファーストではない。それを最初に言わないほうがどうかしている、という話。
9月に代表選考レース「マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)」を開催した日本陸連の瀬古利彦マラソン強化戦略プロジェクトリーダーは「ずっと東京ありきでやってきたので不本意」と発言。その後、日にちを経てからのテレビ出演などでも「頭の中はまだ東京でいっぱい」などと語った。テレビ向けのリップサービスなのかもしれないが、陸上界の重鎮のそういった発言に乗って“受け入れた”側の札幌に対する心ない発言をするコメンテーターがいたり、それに乗じてSNS上では心ない発言も飛び交うなど意味不明な状況に。一時は「費用は札幌市が負担すべき」などという「なんで?」というような意見を言う者も現れた。
ちなみに札幌はその時期、観光シーズン真っ盛りでオリンピックが来なくても観光客でいっぱい。「さっぽろ夏まつり」の開催中で大通公園名物の巨大ビアガーデンはいったいどうなるのか?といった問題もあり、「いや、別に来てもらわなくても…」という意見が地元にあるのは事実だ。
4日には「逃亡犯条例」の改正案に反対するデモが長引く香港で「覆面禁止法」なる条例が制定された。デモ参加者が顔を隠すために着用するマスクやヘルメットなどの使用を禁止するというもの。覆面禁止法に抗議するデモが起きるなどかえって火に油を注ぐことに。同法については中国共産党機関紙の人民日報など中国各紙が「正当」といっているので推して知るべしといったところか。12月10日には香港高等法院(高裁)上訴法廷が同法を違法とした高裁判決を受け、上訴した香港政府が求めていた判決の執行停止の仮処分について、拒否する決定を下し、同法は即日失効した。
23日にはお笑いコンビ「チュートリアル」の徳井義実さんが東京国税局から平成30年までの約7年間で計約1億2000万円の所得隠しと申告漏れを指摘されていたことが分かった。徳井さんは同日夜に緊急会見を開き「時間がないことを理由に、申告を先延ばしにしていた。だらしなさと怠慢で、国民の皆さんに多大な不快感を与えてしまった。本当に申し訳ない」などと謝罪した。26日には所属する吉本興業が徳井さんの活動自粛を発表。またNHKの大河ドラマ「いだてん」に1964年東京五輪で女子バレーボール日本代表の監督を務めた大松博文さん役で出演していたのだが、その部分の約15分間は放送された。
【2019年振り返り 9月編】ラグビーW杯で日本代表が大躍進。過去最強クラスの台風が首都圏を直撃。環境活動家グレタさんが国連で演説
9月は20日にラグビーワールドカップ(W杯)が開幕。日本代表は開幕戦でロシアに30-10で快勝し勢いに乗ると、28日には優勝候補のアイルランドに19-12で勝利の大金星。日本は2015年大会で南アフリカに勝ったのに続き、2大会連続での優勝候補を相手の番狂わせ。ヨーロッパの6カ国が参加する国際ラグビー大会「シックス・ネイションズ」のチームにW杯で勝つのは初めてだった。
これで勢いづいた日本は10月にはサモア、スコットランドにも勝って4連勝でグループステージをトップで通過。初のベスト8入りを果たすこととなる。
8~9日にかけては過去最強クラスの台風が首都圏を直撃。成田空港が陸の孤島と化した。千葉県は大規模停電や断水など特に甚大な被害を受けた。この時、千葉県は災害対策本部を9日当日ではなく10日なってから設置。初動の遅れが指摘されていたのだが、後に森田健作千葉県知事が策本部設置直後に県庁を離れ、芝山町の別荘に立ち寄った上で、公用車から私用車に乗り換え、富里市内などへ私的な視察を行ったことが判明。森田知事は「別荘ではなく自宅」と釈明したが「危機感が足りない」「私的な視察とは?」などと批判が高まった。
23日にはスウェーデンの環境活動家グレタ・トゥンベリさん(16)が国連本部で開かれた「気候変動サミット」に出席し「あなたたちを注視している。私たちを失望させる選択をすれば決して許さない」などと各国指導者に温暖化対策の即時実行を求めた。そのスピーチは時に「よくもそんなことを!」といった表現が入るなど、かなり強めのもの。このスピーチにロシアのプーチン大統領や米国のトランプ大統領から激しい反論が寄せられるなど波紋を呼んだ。
グレタさんは12月11日には米誌タイム毎年恒例の「パーソン・オブ・ザ・イヤー(今年の人)」に選ばれた。16歳での選出は同誌が1972年に「今年の人」を選出して以来、最年少になるという。
【2019年振り返り 8月編】「表現の不自由展・その後」中止。渋野日向子がメジャー初優勝。あおり運転の宮崎文夫容疑者を逮捕。
8月は「表現の自由」について考えさせられる出来事が起こる。
もっとも批判する側はその内容についてあまり調べもせずにものを語る人が多く、あまり実のある議論がなされたとは言い難いのだが…。
3日には1日から開催された『あいちトリエンナーレ』の中で行われていた「表現の不自由展・その後」の展示が中止となった。
「表現の不自由展」というのは2015年に組織的検閲や忖度によって表現の機会を奪われてしまった作品を集めて開催された展覧会。今回の「-その後」は文字通りそこで扱われた作品の「その後」と、2015年以降に新た同じような理由で展示不許可となってしまった作品を集めたもの。
韓国の慰安婦を表現した「平和の少女像」や昭和天皇をモチーフにした作品がネット上で炎上し、「ガソリン携行缶持って館へおじゃますんで」と書かれた脅迫状がFAXで届き、名古屋市の河村たかし市長が「日本人の心を踏みにじるもの」などとしゃしゃり出るなどし、結局展示中止に。
しかし昭和天皇をモチーフとした作品においては「天皇の肖像を焼くとはけしからん!」と言っている側に、そもそも焼いたのはかつてその展示を不敬として拒否した富山県立美術館であるという認識をもって批判していた人がどれくらいいるかといった疑問が残るところ。
その後、中止を決めた実行委員会の大村秀章愛知県知事と津田大介芸術監督に「表現の不自由展・その後」実行委員会が抗議したり、大村氏と河村氏の間で表現の自由をめぐる論争的なものが起こったり、とさまざまな話題を振りまいた。最終的には会期終了が迫った10月8日から展示は再開された。
ちなみに当初は「捜査が難しい」などといわれた脅迫犯については7日に愛知県警が会社員の堀田修司容疑者を威力業務妨害容疑で逮捕。わりとすぐにつかまった。
4日(日本時間5日)にはゴルフの全英女子オープンで渋野日向子がメジャー初優勝。樋口久子さん以来42年ぶり日本人史上2人目のメジャー制覇を果たした。渋野はそのさわやかな笑顔で一気にブレイク。その後も活躍は続き、2019年は最終的に国内4勝を挙げ、賞金女王争いを繰り広げ、最終的に2位となった。渋野は2020年東京オリンピックへの出場を目指すといい、一気にゴルフへの注目度が高まった。
8月には昨今問題となっている「あおり運転」で、ラスボスともいえる強烈なキャラが登場した。
あおり運転をした揚げ句、車を降りるなり怒鳴りながらあおられた車に近づき、空いた窓から運転者を殴る。そしてその間、その様子をガラケーで撮影する同乗女性という異様な光景が被害者のドライブレコーダーには記録されていた。
茨城県警は16日に傷害の疑いで宮崎文夫容疑者を指名手配し、18日逮捕。ガラケーの女こと喜本奈津子容疑者も犯人隠避などの疑いで逮捕された。喜本容疑者は9月に罰金30万円の略式命令を受けて釈放。宮崎容疑者については水戸地検が9月25日に、刑事責任能力を判断するため、12月23日までの鑑定留置を始めたと明らかにした。