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池袋で「東京キャラバン the 2nd」開催。演出の野田秀樹氏「死なないようにすることだけが人間の生き方ではない」

2022.12.16 Vol.Web Original

17日まで池袋西口公園野外劇場グローバルリング シアター

 劇作家・演出家の野田秀樹氏が演出を務める文化プロジェクト「東京キャラバン the 2nd」の公開プレビューが12月15日、東京・池袋の池袋西口公園野外劇場グローバルリング シアターで行われた。16日13時からも公開プレビューを行い、本番のパフォーマンスは16日16時30分、17日13時と16時30分の3回行われる。

「東京キャラバン」は野田氏の「これまで出会うことのなかった表現者たちが言語や国境、表現ジャンルを飛び越えて、混じり合うところに、文化が生まれる」というコンセプトのもと2015年からスタート。2019年まで東京・駒沢オリンピック公園を皮切りにブラジルのリオデジャネイロ、東北、京都、熊本、愛知、高知、秋田、いわき、埼玉、富山、岡山、北海道と国内外を回り、その土地土地の伝統芸能や文化を取り入れ、ここでしか見られない新しい表現を生み出してきた。

新たな出会いとなる作品『パンドラの鐘』

2021.04.13 Vol.740

 劇作家・演出家の野田秀樹氏が芸術監督に就任後、東京芸術劇場では「RooTS」と題した自主事業で、日本の現代演劇の源流を探るためにアングラ時代の戯曲を掘り起こし、若い演出家がチャレンジする企画を実施している。この「RooTS」の延長戦上にあるのが、野田戯曲を野田氏以外の人が演出することにも積極的に取り組む企画。

 今回は演出家・熊林弘高が『パンドラの鐘』の演出を手掛ける。

 同作は1999年が初演なのだが、野田と故蜷川幸雄氏がほぼ同時期にそれぞれが演出した作品を上演し、大きな話題を集めた。

「現代」と「古代」を行き来する物語なのだが、野田、蜷川演出では別々に演じていた異なる時間軸の登場人物を熊林演出では1人2役で演じる。過去に同作を見たことのある人にも新たな出会いとなる作品となりそう。

【インタビュー】北乃きい コロナ禍で気づいた喜劇の意味。 シェイクスピア作品で新たな境地を開拓

2020.10.13 Vol.734

 2020年秋、東京芸術劇場30周年記念公演「真夏の夜の夢」が上演される。シェイクスピアの不朽の名作を、日本の演劇界をけん引する劇作家・野田秀樹がダイナミックに翻案、ルーマニアを代表する演出家・シルヴィウ・プルカレーテが演出。物語の舞台を、アテネの森から富士のふもとの「知られざる森」へ移し、切なくも美しい恋物語を繰り広げる。本作で愛する者と駆け落ちする割烹料理屋のピュアな娘、ときたまごを演じるのは、女優の北乃きい。映画にドラマ、演劇へと活躍の場を広げる彼女の新たな挑戦に迫った。

劇場に演劇が、そしてお客さんが帰ってくる 東京芸術劇場『赤鬼』

2020.07.24 Vol.731

 新型コロナウイルスの感染拡大防止による緊急事態宣言が解除され、6月から徐々に演劇が劇場に戻ってきた。臨時休館していた東京芸術劇場も7月24日から満を持して自主演劇事業を再開。その第一作として、同劇場の芸術監督を務める野田秀樹氏の作・演出による『赤鬼』が上演されることとなった。

 出演するのは、野田が演劇人の発掘・育成を目指して募集し、ワークショップなどで修業に励む「東京演劇道場」の道場生ら。

 同作は1996年にNODA・MAP 番外公演として初演。以降、それぞれの国の俳優とワークショプを重ね、それぞれの国の言語で演じるというプロジェクトとして、国内にとどまらず海外でも上演されてきた。

 主な登場人物が4人であることから基本的にはキャストは4人なのだが、1998年にタイ人キャストで上演された「タイバージョン」では総勢16人が出演。今回はこれをアップデートした「17人キャスト版」を東京演劇道場生らの4つのチームで連続上演する。

 本作は“赤鬼”が漂着したある漁村を舞台とし、「他者への想像力の欠如と不寛容」「移民や異なる人種への差別」「未知なる存在といかに共存するか」といったテーマが描かれる。まさに新型コロナウイルスに右往左往し、他人の行動に過敏になり、やがてコロナとともに生きる知恵を振り絞りながらおずおずと生活を動かし始めた現在社会のよう。

 野田戯曲の普遍性と先見性を改めて感じさせられる。

松たか子「怪しいものや信用ならないものを面白がる人がいて伝統になった」

2019.05.10 Vol.Web Original



 東京2020オリンピック・パラリンピックの公認文化オリンピアード「東京キャラバン」の記者懇親会が10日、都内にて行われ、総監修を務める演出家の野田秀樹と、過去開催に参加した女優の松たか子が登壇。過去開催の映像を交えて見どころや意義を語り、今後の展望について語った。

「東京キャラバン」は東京都および公益財団法人東京都歴史文化財団が2020年に向けて、芸術文化都市東京の魅力を伝える取り組み「Tokyo Tokyo FESTIVAL」の主要プログラムとして行われている文化プロジェクト。各地をめぐり、多種多様なアーティストが違いを超えて文化“混流”を繰り広げる。女優の黒木華やタップダンサーの熊谷和徳、チャラン・ポ・ランタンら著名なアーティストや文化人も数多く参加している。2015年にスタートし2017年度から東京2020オリンピック・パラリンピックの公認文化オリンピアードのひとつとなっている。

NODA・MAP「贋作 桜の森の満開の下」が9月1日から上演開始

2018.09.01 Vol.Web Original

演劇としては17年ぶりの再演

 NODA・MAPの第22回公演「贋作 桜の森の満開の下」の公開ゲネプロが8月31日、東京・池袋の東京芸術劇場プレイハウスで行われた。

 同作は1989年に劇団 夢の遊眠社で初演され、1992年に再演。2001年には新国立劇場の主催で再演された。昨年には八月納涼歌舞伎「野田版 桜の森の満開の下」として歌舞伎でも上演されるなど、野田秀樹の代表作中の代表作といっても過言ではない作品。演劇としては17年ぶりの再演とあって、往年のファンには待望の、新しいファンにはまだ見ぬ名作が“やっと”再演されるとあって、発表時から大きな話題を呼んでいた。

野田秀樹の代表作『贋作 桜の森の満開の下』NODA・MAP

2018.08.27 Vol.709

 野田秀樹の代表作であり、再演を期待する声も多かった『贋作 桜の森の満開の下』がついにNODA・MAPの公演として上演されることとなった。

 同作はかねてから自身を「安吾の生まれ変わり」と公言してはばからなかった野田が坂口安吾の「桜の森の満開の下」と「夜長姫と耳男」を下敷きに書き下ろしたもの。1989年に劇団 夢の遊眠社で初演され、1992年に再演。2001年に新国立劇場主催公演で再演。昨年には八月納涼歌舞伎「野田版 桜の森の満開の下」として歌舞伎でも上演された。

 今回の上演については今秋にフランスで開催される「ジャポニスム2018」で、国立シャイヨー劇場の芸術監督ディディエ・デシャンより、野田秀樹の『贋作 桜の森の満開の下』を上演してほしいという要請があったことがきっかけ。「それならば」と野田が考えられる限り最高のキャストとスタッフにオファーをしたところ、すべての俳優、スタッフが「OK」ということでいつにもまして豪華な布陣となった。

 まずは9月1日から12日まで東京芸術劇場プレイハウスで上演され、その後、パリ、大阪、北九州を経て11月3〜25日に再び東京芸術劇場プレイハウスに戻って来る。万一9月に見逃してしまった人は11月にぜひ。

乃木坂46・桜井玲香が悲運の双子役に挑戦

2018.07.11 Vol.web original

 80年代に漫画家・萩尾望都と野田秀樹が共同で舞台脚本化した戯曲『半神』が、初演から30年以上経て新たな解釈と演出で上演される。上演に先がけ7月11日、公開ゲネプロが行われた。

 物語は「体がつながった双子の姉妹。醜いシュラと美しいマリア。姉のシュラは、妹とであるマリアを支えつつ生きてきた。しかし、10歳を目前にしてその身体は負担に耐えきれず…。2人を救う方法はただ一つ、2人を切り離すことだった…」。

野田秀樹作・演出・出演の『One Green Bottle』ロンドン公演が開幕

2018.05.02 Vol.Web Original

立ち見が出る大盛況に野田は「いい始まりになった」
 東京芸術劇場芸術監督の野田秀樹が作・演出・出演する英語劇第4弾『One Green Bottle』(表に出ろいっ!English version)が4月30日、ロンドンのソーホー劇場で開幕した。

 同劇場は常にチャレンジングな作品を上演し、感度の高い若者を中心に人気を誇る劇場で、野田はかつてここで『THE BEE』と『THE DIVER』を上演。目の肥えたロンドンの観客から大絶賛を受けている。

 今回はロンドン演劇界に野田秀樹の名前を大きく知らしめることとなったこの場所で満を持して約10年ぶりの英語版最新作の上演となった。

 劇場は野田の最新作が上演されるとの噂を聞きつけた観客が詰めかけ、立ち見が出るほどの大盛況。

 序盤から野田、キャサリン・ハンター、グリン・プリチャード の丁々発止の台詞の応酬に客席は大きな笑いに包まれた。野田が英語で書き下ろしただけでなく、日英ハーフの若手脚本家・ウィル・シャープと文化的な翻訳を行い練り上げられた台詞や、歌舞伎の型を取り入れた独特な身体表現、田中傳左衛門の鼓の生演奏などの演出は、ロンドンの観客に多いに受け入れられた。後半の息をのむ展開には客席は水を打ったように静まりかえったが、 幕が下りるや否や割れんばかりの大きな拍手や感嘆の声が沸き上がった。

 野田は初日の終演後に「今日の初日は、舞台に出た瞬間から観客の反応がとても良かった。イギリスでプレスナイトは、目の肥えたプロが見にくる日なので、観客の反応が固いことがあるんですが、ロンドンで上演してきた今までの作品のオープニングの時と比べても、今日の観客の反応には十分な手応えを感じることができました。まだ、(劇評が出ていないので)これから何が起こるか分からないけれど、自分の中では、いい芝居だったと思います。いい始まりになったと思います」とコメントした。

 同作は昨年11月に東京芸術劇場シアターイーストで上演され、その後、韓国でも上演。今回のロンドン公演を経て、6月にはルーマニアのシビウで開催される「シビウ国際演劇祭 2018」でも上演される。

NODA・MAP「贋作 桜の森の満開の下」が9月に再演決定

2018.04.05 Vol.Web Original

9月下旬には『ジャポニズム2018』でパリ公演
 野田秀樹氏が主宰を務めるNODA・MAPの第22回公演の制作発表会見が4月5日、都内で開催され「贋作 桜の森の満開の下」が上演されることが発表された。

 同作はかねてから自身を「安吾の生まれ変わり」と公言してはばからなかった野田が坂口安吾の「桜の森の満開の下」と「夜長姫と耳男」を下敷きに書き下ろした作品で、1989年に夢の遊眠社で初演され、1992年に再演。2001年に新国立劇場主催公演で再演。昨年には『八月納涼歌舞伎「野田版 桜の森の満開の下』」として歌舞伎でも上演された。

 冒頭、野田が「今秋、パリで『ジャポニズム2018』という大きなフェスティバルがあって、パリ国立シャイヨー劇場から『贋作 桜の森野満開の下』を上映してくれないかと逆指名があった。それがきっかけ。どうせ日本を代表するのであれば考えられる限り最高のキャストとスタッフでやりたいと思った。無理だと思いながらも当たって砕けろのオファーをしたところ、すべての役者さん、スタッフからOKが出て、理想通りのこれ以上ないカンパニーになった」と今回、この作品を上演することになった経緯を語った。

 初演で野田自身が演じた「耳男」を演じるのは野田作品には今回で6回目の出演となる妻夫木聡。妻夫木は「もし再演があるのなら見てみたいと思っていた作品。まさか自分がかかわらせていただけるとは夢にも思っていなかった。今は不思議な気持ち。今回はNODA・MAPは6回目の出演。NODA・MAPの熱に溶かされないように今回も頑張りたい」と話した。

今見るべき舞台『「表に出ろいっ!」English version“One Green Bottle”』

2017.10.26 Vol.699

 2010年にNODA・MAPの番外公演として初演された「表に出ろいっ!」が英語版となって上演される。

 登場するのは父、母、娘の3人家族。その夜、3人はそれぞれに絶対外出しなければいけない用事があったのだが、飼い犬が出産間近とあって、誰かが家に残り面倒を見なくてはいけなかった。それぞれあの手この手を使ってなんとか自分だけは家を出ようと画策する3人だったが、その場その場で形勢はころころと変わり、誰も抜け出せないまま時間だけが過ぎていくのだった。

 それぞれが他の2人を欺くための策略がドタバタコメディーのようで笑いを誘うのだが、やがてそれぞれが「信じるもの」が明かされていくうちに、笑いの裏に隠されたテーマが浮き彫りになってくる。

 初演時は父に十八代目中村勘三郎、母に野田秀樹、そして当時はまだ“若手女優”といわれていた黒木華と太田緑ロランスがWキャストで娘役という豪華なキャスティング。

 今回は『THE BEE』に出演するなど、野田が最も信頼を寄せるキャサリン・ハンターとグリン・プリチャード、そして野田という布陣で送る。

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