長澤まさみと森山未來がダブル主演する舞台『おどる夫婦』(作・演、蓬莱竜太)が新宿区のTHEATER MILANO-Zaで上演中だ。
舞台デザイナーの妻キヌと人生の意味を哲学しながら不器用に生きる夫ヒロヒコ、10年間夫婦として共に過ごした2人が、それぞれ問題を抱え、いきづらさを感じながらも人生を進めるなかで、もがき、世間に翻弄され、互いに主導権を握りながら踊り・踊らされ、また足並みを揃えて進もうとする姿を描く。
いつ舞台が始まったのか分からないような不思議な空間でスタートする舞台で、誰にとっても等しく経過する10年がものすごいスピードで過ぎていくようにも、ゆっくりと大河のごとく過ぎていくかのようにも感じられる。また、物語が進行するなかで気になってくる舞台上に存在しているものや、舞台上で起きた出来事が、欠けていたパズルのピースがハマって一つひとつ解決され、劇所に足を踏み入れた瞬間から広がったモヤモヤが少しずつ晴れていく感覚も心地よい作品だ。