その作品を見た瞬間、心がざわつく…日本美術におけるそんな名作の数々をユニークな切り口で紹介する注目の展覧会。サントリー美術館開館60周年記念展の第二弾として、同館所有の名品から珍品、秘宝が集結する。
展覧会では「うらうらする」「ちょきちょきする」など、6章のそれぞれのテーマを通して作品を紹介。
第6章「ざわざわする」では、展覧会タイトルを象徴するような、心がざわつく作品が勢ぞろい。
例えば明治時代初期に作られた石版画の役者絵「尾上菊五郎」は、どこか違和感を覚える生々しさが印象的な作品。この生々しさはどこから来るのか、作品を前につい目を凝らしてしまいそう。他にも、胸に手をあてる女性の背後に置かれた袋の下から、男の顔が不気味にのぞく「袋法師絵巻」や、タイトルを知らなければ何を描いたものか分からないほど大胆なデフォルメが目を引く、伊藤若冲の「墨梅図」など、ざわざわ感がとまらない作品が集う。
作品を見て沸き起こる心のざわめきに耳を傾ければ、より深く日本美術の魅力に迫ることができるはず。