第66回カンヌ国際映画祭で審査員賞を受賞し、現在大ヒット中の映画 『そして父になる』の国内ティーチインが28日、都内にて行われ、主演の福山雅治と是枝裕和監督が登壇した。
9月28日の公開から1カ月を迎えても勢いはとどまらず、大ヒットを記録している同作。そのティーチインとあって、会場には熱烈なファンが駆け付けた。盛大な拍手で迎えられた是枝監督が開口一番「実は超サプライズゲストをお招きしています」と告げると、なんと福山雅治が登場。このサプライズに会場は驚きと歓声の嵐に包まれた。
国内ティーチインに参加するのはこれが初めてという福山。20年来のファンだという女性客から「この作品の福山さんだけはかっこよく見えませんでした。自分では(自身が演じた)良多をどう思っていますか」と質問されると「自分がその役を演じることで、自分が最終的にどう映るのかを考えて撮影にのぞむことはないんです。でも確かに、最後の撮影で監督に、良多のよい所は1つもなかったですね、と言いました(笑)」と振り返った。
また「福山さんの演じる姿を撮影をしていて、その場で変えていったところは」という質問に、監督は「僕はどんどん脚本を変えていくから、みんなは大変だったと思います(笑)」笑いながらも「(実子ではない息子の)慶多の誕生日の場面は、もともと軽いシーンのつもりだったんですが、慶多を見る福山さんの目が、なんともいえない思いを含んだ強い目だったので、そこから”見る”ということをいろいろなシーンで強調していきました」と、福山の演技から演出が広がったことを明かした。
日本はもちろん海外でも注目が続いている。監督は「11月からまた海外を回りますが、東京以外でもまた(ティーチイン)をやりたい」と語り、福山は「この作品は、何度見てもその日によって受ける印象が違うような、生き物のような映画だと思っています」と、改めて本作の魅力をアピールした。
『そして父になる』は全国公開中。