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防衛費増の財源論議に見る「復興税」と「たばこ税」の扱いの違い

2023.02.11 Vol.Web Original

 岸田政権が昨年12月16日に「国家安全保障戦略」「国家防衛戦略」「防衛力整備計画」の安保関連3文書を閣議決定した。ここでは敵の弾道ミサイル攻撃に対処するため、発射基地などをたたく「反撃能力」の保有、いわゆる「敵基地攻撃能力の保有」が明記されたことから日本の安全保障は大転換することとなった。

 政府が閣議決定という手法を用いてまで急ぐ背景には昨年2月からのロシアによるウクライナ侵攻、度重なる北朝鮮のミサイル実験、尖閣諸島周辺海域での中国船の領海侵入の増加といった目に見える危機が迫っていることが挙げられる。

 とはいえ、このような重要な問題が国会で議論されることなく閣議決定でなされたことについては評価が大きく分かれるところとなったが、右も左も等しく問題視したのが財源について。

 今回の決定の実現のために2023年度からの5年間で総額43兆円、2027年度にはGDP(国内総生産)比で2%に防衛費が膨れ上がることとなった。不足する財源については岸田文雄首相は法人税の増税を軸に、たばこ税、復興特別所得税を充てることを検討。

 復興特別所得税は東日本大震災からの復興のために必要な財源の確保を目的として徴収されている税金。2013年から2037年まで徴収される予定だったのだが、その期間を20年程度延長する案が検討された。

 この案が報道された際には「よりによって復興のためにといって集めた復興税を違う目的のために使うのか?」という声が国民の中で広がった。世論の声に敏感な自民党内でも財源を巡り議論は白熱。増税自体に疑義を呈し、国債で賄おうという声も出た。

藤井聡が語る「たばこ税の増税に見る、禁煙ファシズムと日本経済」

2021.10.30 Vol.Web original

 10月1日に、たばこ税の増税が行われた。2018年の税制改正によって、2022年10月までに紙巻たばこは3段階、加熱式たばこは5段階での増税が行われ、紙巻たばこは今回で最後の増税(加熱式たばこは2022年10月に5回目の増税)となる。

 たばこの価格には、国たばこ税、地方たばこ税、たばこ特別税、消費税という4種類の税金が含まれており、一般的な紙巻たばこの場合、税負担率は6割に達する。賛否あるたばこ税の増税や、昨今の喫煙を巡る社会情勢について、元内閣官房参与で京都大学大学院教授の藤井聡氏に聞いた。

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