揚げ物は好きだけど家ではやるのはちょっと…と思っている人は多いはず。理由は「火・油が怖い」「キッチンが汚れそう」「油の後処理が面倒」「揚げ物鍋ほか道具を持っていない」などなど。しかし、慣れてしまえば揚げ物ほど手軽で簡単な料理はないのです! しかも揚げたてのおいしさといったらもう格別。いろいろなハードルをとっぱらって、揚げたてを食べる幸せをぜひ体験しよう。レッツ!フライ!
連載の第1回は、油の選び方、道具、油の処理方法などの基本を学びます。普段料理をする人はもちろん、家ではインスタントのラーメンぐらいしか作らないという人でも、わざわざ買い足さず家にあるもので簡単にスタートできます。
【鍋は揚げもの専用鍋でなくてもOK】
1人分の少ない量を揚げるなら、普段使っているテフロン加工のフライパンやアルミ製の行平鍋でもOK。サイズは直径20cm、深さ6〜7cmがあるものがおすすめです。IHコンロを使用する場合は、IH対応かどうかを確認して使用してください。IHコンロは火・油が怖いと思っている人におススメ。量販店では2000円代から売っていて、揚げ物モードや温度設定などの機能もついていて便利です。
【油をきるバットと網がなければアルミ箔や新聞紙でもOK】
揚げ終わったものはバットに網を重ねた上に置いて油をきります。なければボウル状のステンレス製のザルでもOK。またはアルミ箔40cm長さを軽くくしゃっとさせて油をきりやすくしたもの、新聞紙やペーパータオルを折り畳んで油を吸いやすくしたものでもいいでしょう。
【油の選び方】
揚げ油はクセのないサラダ油が一般的。原材料が米、菜種、ひまわり、コーンなどいろいろあり、どれを使ってもOKです。好みで香りのよいオリーブ油やごま油、コクのあるラードなどを足してもいいでしょう。オリーブ油は熱に弱いエクストラバージンではなく、 熱に強いピュアを選びましょう。
【油の温度の確かめ方】
濡れていない菜箸を油に入れて、小さい泡がジワジワとゆっくり出てきたら150〜160℃の低温。泡がシュワーッと勢いよく出てきたら170℃前後の中温。すぐにシュッと泡がたてば180〜190℃の高温です。また、揚げ油は温度が上がってくるとサラサラしてきます。
【揚げるコツ:絶えずかき混ぜながら揚げる】
揚げ油に素材を入れて衣が固まり始めたら、絶えず菜箸でゆっくりとかき混ぜて対流させると、油の温度が安定して早くきれいに揚がります。
【揚げるコツ:一度にたくさん入れずに油の温度を安定させる】
揚げものは高温でさっと揚げると油ぎれもよくカラリと揚がります。揚げ油に一度にたくさん入れると、油の温度が下がってしまいます。初心者ほど少しずつ揚げるのがおすすめ。油の温度が安定して失敗しにくくなります。また、IHコンロはガスコンロに比べて温度が上がるまで時間がかかるので、少しずつ揚げるのがいいでしょう。
【揚げるコツ:揚げたあとは縦にして置くと油ぎれがよくなる】
揚げものは平らに置いて油をきるより、傾けて置くのがコツ。素材の重み(圧)がかかって油が下に早く落ち、よく油がきれます。
【使い終わった油はペーパーでこして保存する】
揚げ油に油かすを残したままだと、焦げた臭いがついて油が早く悪くなってしまいます。揚げものが終わったあとは、粗熱がとれてからペーパータオルでこしましょう。油は空気に触れると酸化するのでふたやラップをかけて保存します。
【油を捨てるタイミングは臭いで判断するのも手】
揚げ油が悪くなる原因は卵、肉、魚などを揚げることで動物性の脂が溶け出すから。油からぶくぶくと白い泡が沸いてくるようになり、臭みが出てきたタイミングで捨てるといいでしょう。
【使い終わった油の処理は油凝固剤が手軽】
揚げ油を捨てるときは、流しに捨ててはダメ。少ない量なら新聞紙などで油を吸わせて空いた牛乳パックや袋に入れて燃えるゴミとして捨てます。量が多いときは市販の油を固める凝固剤が便利。油がまだ温かいうちに凝固剤を入れて溶かし、そのまま冷ますと固まります。凝固剤を入れたことがわかるように凝固剤が入っていた袋も一緒に入れておくといいでしょう。