堂本剛が荻上直子監督作『まる』(10月公開)で27年ぶりの映画主演を務めることが発表された。
堂本は1997年に公開された『金田一少年の事件簿 上海魚人伝説』以来、27年ぶりの映画主演。10代のころから「金田一少年の事件簿シリーズ」(95~)、「ぼくらの勇気 未満都市」(97/NTV)など人気ドラマに出演してきた堂本。近年はKinKi Kidsやソロなどでの音楽活動が中心となっていたが今回、監督と企画プロデューサーから約2年間の熱烈オファーを受け「自分が必要とされている役なら」と心を動かされ出演に至ったとのこと。
堂本が演じるのは、美大卒だがアートで身を立てられず、人気現代美術家のアシスタントをしている男・沢田。無気力に生きていたある日、通勤途中の事故による腕のケガで職を失うことに。部屋に帰ると床には蟻が1匹。その蟻に導かれるように描いた○(まる)を発端に、日常が“○”に浸食され始める…。
これまで自らストーリーを進めていく役柄の多かった堂本が、不思議な事態に巻き込まれていく役どころで、27年ぶりの主演にして新境地を見せる。
堂本は「主演でお芝居させていただくのは久しぶりです。寝不足で誰のために何のために働いているのかも考えられない毎日を過ごしている主人公の沢田。だから顔色も良くはない、目の下にはクマ、顔の筋肉も動いていない…」と人物像をとらえながら「いろいろを整えることをやめて崩すイメージで演じさせていただきました」と語り、「“人は人に優しく生きることができる”を叶え合い大切な一日を繰り返し完成した作品」と荻上監督をはじめスタッフの支えに感謝。
劇中では多くの“〇”を描いたという堂本。「たくさんたくさん描きました。世の中が平和を諦めずに平和を作ることへ時間や命を繋げてほしいと想いを込めて“。”」とコメントしている。
監督・脚本を務める荻上監督も「撮影中の1カ月間、純度の高い無色透明な塊、みたいなもののそばにいるような気持ちでした。もし彼のタマシイが見えたら、きっとそんな感じなのだろうと思う」と堂本との撮影を振り返っている。