第97回米国アカデミー賞で最多5部門を受賞した『ANORA アノーラ』のショーン・ベイカー監督が来日。監督が大ファンという俳優・梶芽衣子がサプライズ登場に感激した。
ニューヨークを舞台にストリップダンサーと御曹司の身分違いの恋をリアルに映し出した、現代のアンチ・シンデレラストーリー。
3月2日(現地時間)に発表された第97回アカデミー賞では作品賞、主演女優賞、監督賞、脚本賞、編集賞の最多5部門を受賞。史上初めて作品賞、監督賞、脚本賞、編集賞を同時受賞する快挙を達成した同作。
オスカー像を掲げ、日本のファンの万雷の拍手に迎えられたベイカー監督。受賞後、初の公の場となった日本でのプロモーションに「受賞直後の来日なので、日本でお祝いしている気分」と満面の笑み。
オスカー像を手に「その辺で拾ってきたものなんだけど…」と冗談めかしつつ「これは監督賞のオスカー像。本当は全部持って来たかったんだけど1体25ポンドくらいあるからけっこう重いんです(笑)」。
今回一緒に来日できなかった主演のマイキー・マディソンだが、実は2週間ほど前にプライベートで来日し旅行を楽しんでいたとのこと。サマンサ・クァンプロデューサーも「今回も行きたかった、私だけ行けないなんて嫉妬しちゃうと言ってました(笑)」と明かした。
iPhoneで撮影した1作目『タンジェリン』から日本のファンの応援に感謝していると語るベイカー監督。「僕は日本の映画の大ファンで、作品作りにも大いに影響を受けています」。
そんな監督に、この日は、スペシャルなゲストがサプライズで登場。梶芽衣子が花束を手に現れると、監督も大興奮。梶にハグを求め「梶さんの大ファンなので、大スターに会えてぼーっとしてます」と感激しきり。
梶も作品を絶賛しつつ「こんな素敵な作品の監督が私のファンでいてくださるなんて非常に光栄です」。
そんな梶は「私事なんですけど…昭和40年に日活映画からデビューして、初めての撮影の日、それが60年前の3月8日なんです。一生忘れられない3月8日になりました」と言うと、ベイカー監督も「一緒に記念日をお祝いできるなんて」と完全にファンのまなざし。
実は、監督はマイキーに、主人公の役作りのために梶の代表作のひとつ『女囚701号/さそり』(1972年)を参考にと渡したとのこと。ベイカー監督が「どういうところを見てほしかったかと言うと、この映画の梶さんはとても力強く家父長制度と戦う姿。
まったく違う作品ではあるけど、マイキーも梶さんの演技を取り込んだようなので確実にDNAが受け継がれていると思います」
梶が謙遜しつつ「アノーラを演じた彼女は最高でした」とたたえると、監督も「梶さんから頂いた言葉をそのままマイキーに伝えます。ビックリすると思います(笑)」と感激していた。
『ANORA アノーラ』は公開中。