京都を拠点に活動するMONOの1年ぶりの本公演。前回公演の『その鉄塔に男たちはいるという+』は昨年3月、新型コロナウイルスの感染拡大が始まりかけたころに上演された。さまざまな情報が飛び交い、手探りの中、なんとか公演をやり遂げた。
主宰の土田は「今回のことで自身の価値観も揺さぶられ、現在は皆が前を向けるエンターテインメントを創りたいという猛烈な思いにかられている」として、コロナの猛威が収まらない中ではあるが、今回の作品を作り上げた。
舞台は江戸時代の初期にタイにあった日本人居留区の外れ。その居住区にはさまざまな理由から祖国を離れ暮らす人々がいたのだが、そこからも逃れて肩を寄せ合う人たちがいた。そんな人々の生活を通じて描かれるのは“MONOなり”のユートピア喜劇。土田は「タイを舞台にした江戸時代の日本人たちの『フレンズ』(1994~2004年放送のアメリカのドラマ)みたいな話にしたい」という。江戸時代でフレンズ? 果たしてどんな作品になるのか?