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『ウルトラQ』が史上最高画質でよみがえる

2019.11.01 Vol.723

 円谷プロダクションのウルトラマンシリーズの原点となった特撮テレビドラマ『ウルトラQ』が最新の技術である「4K HDR」を用いた史上最高画質でよみがえった。

 ウルトラQは昭和41年に米国の『トワイライトゾーン』などをヒントに1話完結型のSFドラマとして製作された、独特の怪獣路線を融合させ、子供たちを虜にした“空想特撮シリーズ”。映画『ゴジラ』の特撮監督として世界的に名をとどろかせた円谷英二の構想の下、円谷プロ、東宝、TBSの3社が組んだ国内初の特撮テレビ映画。最高視聴率36.4%、平均視聴率32.39%をたたき出し、日本に怪獣ブームを引き起こした。

 4K HDR化にあたっては35mmフィルムで撮影されたオリジナルネガフィルムを1話につき3日間かけてスキャンし、全シリーズで約100万コマに及ぶ膨大な量のコマの汚れなどをクリーニングして修復。それをまたひとコマずつスキャニングするという気の遠くなるような作業を行い、4Kデータを作成した。

 4Kにすると暗い部分が黒くつぶれたり、明るい部分が白く飛んだりといったことがなくなり、人間の目で見るものと近い映像表現が可能になることから怪獣の目の妖しい光、宇宙人の潜む闇といったものがより鮮明にシャープに見えるようになった。

 しかしそうなると逆に「見えすぎる」という事態も起こってしまう。特撮、作品の時代背景なども鑑みると、見えすぎることは必ずしも「是」ではないため、当時のスタッフにチェックしてもらい、あえて見せないように編集し直すなど、細部にわたって作品の持つ世界観にこだわったものとなった。

 11月20日から「ULTRAMAN ARCHIVES ウルトラ Q UHD MovieNEX」として発売。10枚組で全28話を収納し映像特典として当時のスタッフの創意工夫・苦労・作品にかける思いのすべてが語られたPremiumTalkもプラス。また「TSUBURAYA MovieNEX 特典」として「TSUBURAYA・GALAXY」が月額480円(税込)で利用可能になるなどさまざまな特典も付いて、価格は7万円(税抜き)となっている。

鴻上尚史が円谷プロに令和の「カネゴン」制作を期待

2019.09.22 Vol.Web Original

鴻上尚史と森永卓郎が「カネゴン」について語る
 劇作家・演出家の鴻上尚史氏と経済評論家の森永卓郎氏が9月21日、円谷プロダクションの「ウルトラQ」に登場する「カネゴン」について語り合った。

 特撮作品でおなじみの円谷プロダクションではウルトラマンシリーズの魅力を幅広い世代に伝えるべく昨秋、「ULTRAMAN ARCHIVES(ウルトラマンアーカイブス)」というプロジェクトを発足。

 同プロジェクトでは作品の上映と作品ゆかりのクリエイターなどを呼んでのトークショー「『ULTRAMAN ARCHIVES』Premium Theater 上映&スペシャルトーク」を開催しているのだが、この日は鴻上氏と森永氏をゲストにその第4弾が行われた。

 上映されたのは「カネゴンの繭」。鴻上氏は上映前にこのシリーズでトークショーの進行役を務める映画評論家の清水節氏とのトークセッションに登場し、ウルトラQについて「小学2年生の時に見ていた。“なんだこれは”という面白いんだけど理解しがたいものが始まったという印象だった」と話した。

 カネゴンについては「怪獣は無敵の存在だが、カネゴンは絶対的な存在としての怪獣ではない。非日常の存在ではないところが好き。ベムラーが山を壊したりということにはあまりピンとこなかった。圧倒的な存在ではないものと人間がごにょごにょしているのが面白かった」

「カネゴンの何がすごいかというと、子供たちがカネゴンという非日常と割と普通に接している。最初に金男君がカネゴンになった段階で、街の中を歩いているというのはまだあの時代は非日常とか異物に対して受け入れる余裕が大きかった時代だと思う。子供たちはカネゴンと通常のコミュニケーションをしている。最初は助けたいと思っているが、あんまり金を食うから嫌だとなる。対等のコミュニケーションを外見が異形の人間に対して普通にやっている風景は、今やろうとしても説得力がないと現場に言われる可能性が高い」などと劇作家ならではの視線で語った。そして「カネゴンを見てお金には執着するのはやめようと思った」などと幼少期のカネゴンとの出会いを振り返った。

片桐仁が「特撮モノに出たい。基地にいる人をやりたい」とアピール

2019.06.16 Vol.Web Original

 特撮作品でおなじみの円谷プロダクションがウルトラマンシリーズの魅力を幅広い世代に伝えるべく昨秋、発足したのが「ULTRAMAN ARCHIVES(ウルトラマンアーカイブス)」というプロジェクト。同プロジェクトでは作品の上映と作品ゆかりのクリエイターなどを呼んでのトークショー「『ULTRAMAN ARCHIVES』Premium Theater 上映&スペシャルトーク」を開催しているのだが、6月15日にはその第3弾が行われた。

ウルトラQ『東京氷河期』上映後に片桐仁×中野昭慶氏がトークショー

2019.05.16 Vol.Web Original

ウルトラマンシリーズ作品の魅力を掘り下げる
 円谷プロダクションがウルトラマンシリーズ作品の新たな魅力を伝えるべく昨年からスタートした「ULTRAMAN ARCHIVES(ウルトラマンアーカイブス)」プロジェクト。同プロジェクトでは「『ULTRAMAN ARCHIVES』Premium Theater上映&スペシャルトーク」と題し、過去作品の上映とさまざまなゲストによるトークショーを開催。上映作品を振り返りつつ、ウルトラマンシリーズの魅力を掘り下げている。

 これまでに2回開催され、その第3弾が6月15日にイオンシネマ板橋で開催される。今回はウルトラQ『東京氷河期』の上映後に、怪獣ファンとして知られる俳優で彫刻家の片桐仁と、円谷英二監督の下で円谷特技プロダクション(現・円谷プロ)の創立や、『ウルトラ Q』の企画立ち上げに参加した特技監督の中野昭慶氏がトークショーを行う。

 昨年11月に行われた第1弾では『2020年の挑戦』の上映と同作の監督を務めた飯島敏宏氏と漫画家の浦沢直樹氏によるトークショー、今年2月の第2弾では『ガラモンの逆襲』の上映と特撮監督の尾上克郎氏と特撮美術・特技監督の三池敏夫氏のトークショーが行われた。

ウルトラQ「ガラモンの逆襲」上映&トークショーでCGが主流の時代に特撮の魅力を再発見

2019.02.17 Vol.Web Original

特撮監督の尾上克郎氏と三池敏夫氏がスペシャルトーク
 ウルトラマンでおなじみの円谷プロダクションがウルトラマンの魅力を幅広い世代に伝えるべく昨秋、発足したプロジェクト「ULTRAMAN ARCHIVES(ウルトラマンアーカイブス)」の「『ULTRAMAN ARCHIVES』Premium Theater 上映&スペシャルトーク」の第2弾が2月16日、東京都内で開催された。

 この日は特撮監督の尾上克郎氏と三池敏夫氏によるスペシャルトークと「ウルトラQ」より「ガラモンの逆襲」が上映された。

 トークパートは上映を挟んで2回行われ、三池氏は同作について「ウルトラQの28作品の中で最後に作られたもの。最後にみんなの総力を挙げて作った作品」と話し、作品を見るにあたっての注目ポイントとして強制遠近法というミニチュアのセットをいかに広く見せるかという技術を挙げた。

 尾上氏は幼少期を振り返り「円谷英二監督の怪獣が毎週出てくるというのが子供だったので怖かったという記憶がある」としながらも、大人になってからウルトラQを改めて見て「これはすごいと思った。特撮のクオリティーというか作品全体のクオリティーの高さにやられた」と話した。そして見どころとして「ガラモンのキュートさ」と「合成技術の高さ、円谷プロダクションは当時のテレビのレベルではやってはいけないレベルの仕事をしていたことに感動した」といったポイントを挙げた。

 作品上映後には尾上氏は「バレが多い。トラックを止めるシーンの奥で制作部が車止めをしているのが見えた(笑)。今日発見しました。あと、虫が飛んでいた」「いい感じでズームするところは何かのバレを隠すためにあえてトリミングして寄っている感じ。逆にそれがいい効果になっている」などとマニアにとってはたまらない視点のトークを展開した。

 また円谷氏のマインドから学ぶこととして三池氏は「過去の価値観にとらわれずに、いろいろと失敗前提でチャレンジするという精神は大事。失敗した数だけ間違いない確実なことも見えてくる。今は最初から失敗するな、という現場が多くてなかなか試すことができないのが残念。円谷さんの時代は自由度があってよかったんだろうなと思う」などと語った。

ウルトラマンを多くの人に!「ULTRAMAN ARCHIVES」スタート

2018.10.15 Vol.Web Original

円谷プロダクションが新プロジェクト発表
「ウルトラマンシリーズ」でおなじみの円谷プロダクションが10月15日、東京都内で会見を開き、今後、新プロジェクト「ULTRAMAN ARCHIVES」を展開していくことを発表した。

 これはコア層ばかりではなく、より多くの人にウルトラマンの魅力を伝えることを目的としたもの。

 昨年8月に代表取締役社長に就任した塚越隆行氏がこの日、報道関係者の前に初めて現れ、今後の円谷プロの方向性において「みんなの大好きなULTRAMANをもっともっと好きになってもらおう」「ULTRAMANの魅力をより多くのみなさんにお届けする」「ULTRAMANを日本発、世界規模のブランドに育てる」という3つのスローガンを掲げた。

「ULTRAMAN ARCHIVES」はこれらのスローガンを具体化するプロジェクトの一つ。“アーカイブ”というとシリーズ作品丸々を収納するイメージだが、今回は『ウルトラQ』『ウルトラマン』『ウルトラセブン』『帰ってきたウルトラマン』というシリーズ初期の作品の中から、厳選されたエピソードをより深い考察と解説のもと紹介していく形となる。第1弾は「ウルトラQ」の「2020年の挑戦」となった。

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