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【編集部オススメ舞台】ハイバイ『ヒッキー・ソトニデテミターノ』

2018.01.22 Vol.702

 作・演出を務める岩井秀人が、自身が引きこもっていたころのことを題材とした『ヒッキー・カンクーントルネード』を上演したのが2003年。今回の『ヒッキー・ソトニデテミターノ』はそれから約10年後、岩井がひきこもり自立支援団体を取材し、書かれた続編。初演は2012年にパルコ・プロデュースで吹越満主演で上演された。吹越が演じた登美男を今回は岩井自身が演じる。初演に引き続きキーとなる20年ひきこもっている男を古館寛治が演じ、初演ではその母だった役を父として猪股俊明が演じる。

「ひきこもり」だった過去を持つ登美男は現在、外に出るきっかけを作った「出張お姉さん」の黒木香織のアシスタントをしている。その現場で登美男は自分とは違うタイプの2人のひきこもりに出会う。黒木と登美男は2人を「一時預かり」としてひきこもりたちの寝泊まりする寮に入れるのだが…。

 ちなみに「出張お姉さん」というのは自立支援団体に実際にいる「レンタルお兄さん」をモデルに岩井が生み出した設定。

 本作は国内4都市を回った後、フランスのパリでも上演される。フランスでハイバイの世界観がどのように受け取られるのか。

ハイバイ『ヒッキー・ソトニデテミターノ』
【日時】2月9日(金)〜22日(木)(開演は9・14〜16・21日19時、10日18時、11・12・17・18日14時/18時、20日14時/19時、22日14時。13・19日休演。開場は開演20分前。当日券は開演40分前)
【会場】東京芸術劇場 シアターイースト(池袋)
【料金】前半割(2月9日〜2月12日)前売3500円、当日4000円/一般(2月14日〜2月22日)前売4000円、当日4500円/学生(前売・当日共)3000円(受付にて要証明)/高校生以下(前売・当日共)1000円(前売は東京芸術劇場窓口のみ販売、要証明)
【問い合わせ】ハイバイ(TEL:080-6562-4520=10〜20時 [HP]http://hi-bye.net/ )
【作・演出】岩井秀人
【出演】岩井秀人、平原テツ、田村健太郎、チャン・リーメイ、能島瑞穂、高橋周平、藤谷理子、猪股俊明/古舘寛治

【編集部オススメ舞台】DRUM TAO『ドラムロック 疾風 総出演』

2018.01.17 Vol.702

 国境を越えて活動する和太鼓エンターテインメント集団のDRUM TAO(ドラム・タオ)の新春公演『ドラムロック 疾風 総出演』を1月18〜20日までの3日間、渋谷のBunkamura オーチャードホールで開催する。2017年春に誕生、国内外をツアーしてきた新作『ドラムロック 疾風』を、DRUM TAOのアーティストが総出演して届ける。

『ドラムロック 疾風』は、ロックをテーマにした作品で、ロックのビートを美しくて圧倒的な和太鼓パフォーマンスで表現するもの。コシノジュンコが手掛ける衣装を身に着けたDRUM TAOメンバーの和太鼓のパフォーマンスと映像クリエイティブ集団のZERO-TENによるプロジェクションマッピングが融合した、モードと疾走感のあるステージだ。

 DRUM TAOの2017年の集大成かつ、2018年のキックオフとなる公演。リズムと刺激のシャワーを浴びよう。
  DRUM TAOは1993年に結成。大分県の竹田市久住町を拠点に活動している、唯一無二の和太鼓エンターテインメント集団。2017年5月時点で世界23カ国500都市で上演。世界観客動員数は700万人を突破した。

DRUM TAO『ドラムロック 疾風 総出演』
【日時】1月18日(木)〜20日(土)(開演は18・19日が19時、20日は13時/17時。開場は開演45分前)
【会場】Bunkamuraオーチャードホール(渋谷)
【料金】S席8500円、A席6000円(全席指定。税込。6歳未満入場不可)
【問い合わせ】東京音協(TEL:03-5774-3030=平日11〜17時 [URL]http://www.drum-tao.com)
【演出・制作】フランコドラオ
【衣装デザイン】コシノジュンコ
【出演】DRUM TAO(フルメンバー)

【編集部オススメ舞台】虚構の劇団『もうひとつの地球の歩き方〜How to walk on another Earth.〜』

2018.01.16 Vol.702

 この「虚構の劇団」は作・演出家の鴻上尚史が自身の演劇観を若い俳優たちと共有しつつ作品を作り上げるために2008年に旗揚げした劇団。

 今年で結成から10年目。節目となる今回の公演は劇団公演として約2年ぶりとなる鴻上の新作書き下ろし。

 かねてから鴻上の作品の中には時代や科学の発展を先取ったものが多くあった。それはバーチャルリアリティーの世界であったり、核戦争後の世界であったり。そして軽妙な会話の裏に社会的な問題を忍ばせたり。

 鴻上は新作を上演する際にストーリー的なものは一切外に出さない。ファンはタイトルとちょっとした抽象的な文言からその物語を想像する。

 今回は「もうひとつの地球」「記憶」「シンギュラリティ」「天草四郎」といったところが作品のヒントとなる。さてどんな「地球の歩き方」を示してくれるのか。

 今回は東京を皮切りに大阪、愛媛と回ってもう一度東京で凱旋公演を行う。鴻上の作品は観劇後に他人と話していたりするなかで気が付く部分も結構あるので、答え合わせのために2度見るというのもお勧めしたいところ。

虚構の劇団『もうひとつの地球の歩き方〜How to walk on another Earth.〜』
【日時】1月19日(金)〜28日(日)(開演は19・20・22・24・26日19時、21・23・25・27日14時/19時、28日14時。開場は開演30分前。当日券は開演1時間前)
【会場】座・高円寺1(高円寺)
【料金】全席指定4800円(前売・当日共通)/学割チケット3000円(虚構の劇団HPでの予約販売のみ)
【問い合わせ】サンライズプロモーション東京(TEL:0570-00-3337=10〜18時[劇団HP]http://kyokou.thirdstage.com/ )
【作・演出】鴻上尚史
【出演】秋元龍太朗/小沢道成、小野川晶、三上陽永、森田ひかり、梅津瑞樹、池之上真菜、溝畑藍/橘花梨、一色洋平 ほか ※東京凱旋公演は2月15〜18日に東京芸術劇場 シアターウエスト(池袋)で行われる。

【編集部オススメ舞台】RooTS Vol.05『秘密の花園』

2018.01.10 Vol.702

 東京芸術劇場が2013年から年1回のペースで取り組んでいる「RooTS」シリーズ。

 このシリーズは70年代前後に上演された戯曲を、若手演出家によって復刻し、改めて日本の演劇の魅力を再発見することを目的としたもの。

 つかこうへい×三浦大輔の『ストリッパー物語』を皮切りにこれまで4作が上演されてきたのだが、いずれもその戯曲の普遍性やパワーを感じさせ、かつてのファンには懐かしさと同時に新鮮さを。当時を知らないファンには古きを知るきっかけとなった。

 今回は福原充則が唐十郎の『秘密の花園』を現代によみがえらせる。

 福原は自らの劇団「ピチチ5」、俳優の富岡晃一郎とのユニット「ベッド&メイキングス」ばかりでなく小劇場から大きな劇場でのプロデュース公演まで作・演出家としてひっぱりだこのうえ、最近ではテレビドラマの脚本、映画監督と幅広く活動中。かねてから唐をリスペクトし、特に『秘密の花園』の演出を切望しており、今回の実現に至った。

『秘密の花園』は82年の本多劇場の杮落とし落しに書き下ろされた作品。日暮里を舞台に奇妙な男女の三角関係が描かれる。初演では柄本明が演じた核となる若い男を今回は息子の柄本佑が演じるというのも興味深い。

【編集部オススメ舞台】パルコ・プロデュース『アンチゴーヌ』

2018.01.02 Vol.701

 この『アンチゴーヌ』は時代を超え、世界中で上演されているフランスの劇作家ジャン・アヌイの代表的悲劇作品。栗山民也演出のもと、岩切正一郎の新訳で現代によみがえった。

 物語の舞台は古代ギリシャ。兄であるオイディプス王の後に王位に就いたクレオンは権力者として政治の責任を貫こうとする。それに対し、自分の良心に従い、自己の信念を貫くアンチゴーヌ。国の秩序を守るためにクレオンはアンチゴーヌに死刑を宣告するのだったが…。

 クレオンとアンチゴーヌ、2人の相対する立場と信念は、そのまま国家と個人、現実と理想の対決を投影する。そしてこの2つの思いは通じ合うことはなく、物語は悲劇へと進んでいく。

 このたった一人で世界に立ち向かおうとする少女アンチゴーヌに蒼井優、冷徹な王クレオンに生瀬勝久。2人の対立を通して、生きることの矛盾や人間が存在することの本質的な意味を否応なしに目撃させられる。

 昨今、流され気味だったり、信念を貫き通せていない人は自戒の念も込めてぜひ見ておきたい作品。

パルコ・プロデュース『アンチゴーヌ』
【日時】2018年1月9日(火)〜27日(土)(開演は火金19時、水14時/19時、木14時、土13時/18時、日13時。月曜休演。開場は開演30分前。当日券は開演1時間前)【会場】新国立劇場 小劇場〈特設ステージ〉(初台)【料金】全席指定9800円/U-25チケット 5000円(観劇時25歳以下対象、当日指定席引換、要身分証明証。チケットぴあ、パルステ!にて前売販売のみの取り扱い)【問い合わせ】パルコステージ(TEL:03-3477-5858=月〜土11〜19時/日・祝 11〜15時[HP]http://www.parco-play.com )【作】ジャン・アヌイ【演出】栗山民也【出演】蒼井優、生瀬勝久、梅沢昌代、伊勢佳世、佐藤誓、渋谷謙人、富岡晃一郎、高橋紀恵、塚瀬香名子

【編集部オススメ舞台】『4Stars 2017』

2017.12.19 Vol.701

 2013年に東京と大阪で上演され、ミュージカルファンのなかでは伝説のショーとして語り継がれている日本発のミュージカルショーが、『4Stars 2017』として再び新しい物語を綴る。ミュージカルの本場であり最前線でもある米ブロードウェイや英ウエストエンドで活躍するトップスターが集結し、世界を唸らせる歌声で、ミュージカルナンバーを歌いあげる。

 最新公演のテーマは「Jourey(旅)」。シンシア・エリヴォ、ラミン・カリムルー、シエラ・ボーゲス、そして城田優は、『ラ・ラ・ランド』の「Another Day of Sun」、『美女と野獣』の「Beauty and the Beast」、『レ・ミゼラブル』の「カフェ・ソング」、『サウンド・オブ・ミュージック』の「私のお気に入り」、『エリザベート』の「闇が広がる」など誰もが一度は耳にしたことがあるであろうミュージカルナンバーを歌いながら、友情や愛など、それぞれが大事なものを探し旅をする。

 先日公開されたプロモーションビデオでは、本番さながらの条件で初めて歌を合わせたにも関わらず、息の合ったところを見せた4人。ステージの上ではどう魅せ、聴かせてくれるのか楽しみでならない。彼らの旅を演出するダンサーたちのパフォーマンスも楽しみ。

『4Stars 2017』
【日時】12月20日(水)〜28日(木)(開演は水19時、火木14時/19時、金19時、土日祝12時30分/17時30分。27日は14時。25日は休演。開場は30分前)【会場】東京国際フォーラム ホールC(有楽町)【料金】S席1万2500円、A席8500円、B席5000円【問い合わせ】キョードー東京0570-550-799(オペレータ受付時間 平日11〜18時 土日祝10〜18時[URL]http://4stars2017.com/)【演出】サラナ・ラパイン【出演】シンシア・エリヴォ、ラミン・カリムルー、シエラ・ボーゲス、城田優【ダンサー】大村俊介(SHUN)、前田純枝、三井聡、矢野祐子

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