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河瀨直美監督「これからカンヌへ出発」オリンピック公式映画完成披露に登壇し『SIDE:B』の未完成を告白

2022.05.23 Vol.web original

 

『東京2020オリンピック SIDE:A』完成披露舞台挨拶が23日、都内にて行われ、河瀨直美監督が登壇。「私にしか撮れない作品を」と臨んだ本作への思いや、第75回カンヌ国際映画祭オフィシャルセレクション クラシック部門(カンヌ・クラシックス)に選出された感激を語った。

 2021年、コロナ禍の中、史上初の無観客で開催された「東京2020」を追ったオリンピック公式映画。表舞台に立つアスリートを中心としたオリンピック関係者たちを描いた『東京2020オリンピック SIDE:A』と、大会関係者、一般市民、ボランティア、医療従事者などの非アスリートたちを描いた『東京2020オリンピック SIDE:B』の2部作で製作。

 大会が1年延期になったこともあり撮影時間は延べ5000時間超。閉会から3年近くが経った今の心境を聞かれた河瀨監督は「歳をとりました(笑)。5000時間(の映像)は24時間見ても相当かかる。それだけの時間が目の前にやってきて夢中になりました。物事に対して、できるだけ客観的でいよう、と。この先、100年、1000年先の人たちにも、どんな立場であれ一生懸命生きていたということを伝えたいと思いました」と本作への思いを語った。

 大会の延期、コロナ禍での練習、無観客試合と異例尽くしの大会の中で追ったアスリートの姿に「彼らはスポーツを通して生き様を体現している。そこに私たちは勇気や感動をもらえる。スポーツとはそういうものだと感じました」と選手へのリスペクトをあふれさせた。

 また今注目のアーティスト藤井風の主題歌について「最高です。風さんはコロナ禍でデビューしたまだ若いアーティストですが、この人の歌声や奏でる音、歌詞に存在しているものは、すべてを愛で包むんです」と絶賛。

河瀨直美監督の東京五輪公式映画は別視点で2作品 森喜朗氏の会長交代劇も「記録すべきだと思った」

2022.03.25 Vol.web original

 東京2020オリンピック公式映画の製作報告会見が24日、都内にて行われ、総監督を務めた河瀨直美監督が登壇。異例尽くしのオリンピックを2つの視点でつづる公式映画について語った。

 歓喜の声に包まれた開催決定から一転、新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大により、史上初めての延期、さらに無観客開催と異例尽くしの大会となった東京2020。その750日、5000時間を、表舞台に立つアスリートを中心としたオリンピック関係者たちを描いた「東京2020 オリンピック SIDE:A」(6月3日公開)と、大会関係者、一般市民、ボランティア、医療従事者などの非アスリートたちを描いた「東京2020 オリンピック SIDE:B」(6月24日公開)の2作品で製作する。

 実施種目はオリンピック史上最多となる33競技339種目。延期期間を含め撮影に費やした時間は750日、5000時間。「(編集作業が)まだ終わりません」と苦笑した河瀨監督。今回、2本の映画で製作する理由について「一番はコロナ。1年延期という異例の事態になり、そこから撮影を始めました。オリンピック期間中のアスリートの姿だけでは、今回の事態を記録し未来に伝えていくアーカイヴの意味をなさないのではと思い、2本にしたほうがいいと提案しました」と明かした。

 政治問題やジェンダーなど、さまざまな課題に向き合うアスリートたちの姿も丁寧にとらえた。「私は高校時代、奈良県代表でバスケットボールの国体選手だったので、一つひとつのシーンに涙ぐむ思いで撮影していました。すべてのアスリートは美しい」と明かした監督だったが、無観客開催について「最後までくやしいなと思っていました。子供たちに、この素晴らしいアスリートたちの姿を目の当たりにしてほしかった」と残念がった。

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