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赤ちゃんファースト、世界一のコスパ「カラオケパセラ」に天国があった!【徳井健太の菩薩目線 第220回】

2024.10.10 Vol.web original

“サイコ”の異名を持つ平成ノブシコブシ・徳井健太が、世の中のあらゆる事象を生温かい目で見通す連載企画「徳井健太の菩薩目線」。第220回目は、「カラオケパセラ」について、独自の梵鐘を鳴らす――。

 赤ちゃんを育てていると、「行く場所を選ぶ」という人は多いのではないでしょうか?

 現在、僕たちは1歳の赤ちゃんを育てています。僕は、赤ちゃんと行動するときに、あまり難しく考えていないのですが、奥さんは気にするようで、ご飯を食べに行くにしても、「赤ちゃんがぐずったりしても大丈夫か」とか「赤ちゃん用のイスがあるか」といったことを考えています。

 僕は、赤ちゃんが泣いたからといって、周りに迷惑をかけているつもりもないし、彼が成長していく上で必要なことだと思っているので、周りの目を気にしない。まぁ、気にしないということを気にしているとも言えるので、ベクトルが違うだけで、奥さん同様、「気にしている」のかもしれない。

 皆さんは、「カラオケパセラ」をご存じでしょうか? 「知ってるに決まってんだろ」と目くじらを立てたアナタ。実はパセラは、東京、横浜、大阪にしかないということもご存じで? 

 新宿や渋谷、池袋、上野といった都心の繁華街に馴染みのある人であれば、「カラオケパセラ」は一般的でも、そうではない人からすればピンとこないかもしれない。東京に暮らす僕たちにとって、「カラオケパセラ」は当たり前の存在だけど、非東京では当たり前ではない、なんとも不思議な存在でもあるのです。

 知っている人にしか伝わらなくて恐縮ですが、「カラオケパセラ」と言えば、ハニートーストですよね? 僕もそのイメージが強く、若い頃にちょこちょこ通っていた――その程度のイメージしかありません。

 ところが調べてみると、“新宿の「カラオケパセラ」が子連れにとって使い勝手がいい”らしい。そこで先日、僕も奥さんもカラオケが好きなので、新宿の靖国通り店に三人で行ってみることにしました。

 結論から申し上げると、小さな子ども育てている人にとって新宿靖国通り店は、天国に一番近い場所でした。

 パセラを運営している親会社は、ホテルやレストラン、ウェディング&パーティースペースなど多角的な展開をしている。だからなのか、カラオケボックスとは思えないほどアメニティが充実していて、おむつまで無料……ひっくり返りそうになりました。プランに応じて利用できるものは変わってくるのですが、とにかく子どもが飽きないような工夫がいたるところに張り巡らされているのです。

 部屋に入れば、終始、キッズチャンネルが流れているし、子どもが遊べるような玩具も豊富。もちろん、ドリンクも無料です。「授乳中」というドアサインまで用意してあり、これをドアに掲げておけば、ホテルの「Please Don’t Disturb」よろしく、スタッフさんが入ってくることもない(ノックをすることもない)。ハニートースト一色だったパセラの思い出は、入店からものの10分程度で、子育て組の楽園として上書きされたほどでした。

――気が付くと、僕らは8時間もいました。

 料金は3時間パックと5時間パックがあるのですが、夫婦2人でまさか8時間も歌うなんて。どこのウッドストックだよって。

 子どもはキャッキャウフフと楽しそうにしているし、僕ら夫婦はカラオケで盛り上がる。こんなに気兼ねなく子育て世代が楽しめる場所が世の中に存在したのかと思うと、なんだかんだで僕自身、やっぱり「気にしないことを気にしていた」んだなと再確認しました。「お時間です」の電話がかかってこなければ、僕らは肉体が朽ち果てるまで、ストレスフリーのネバーランドに居続けたと思います。世界は、自分次第で広げられるんですね。

 周りの目を気にすることもなければ、子どもに必要なものまで揃っている。入店したとき、各部屋の前に利用者のベビーカーがずらりと並んでいたのが印象的だったのですが、すでに保護者から絶大な支持を集めているんだなということが分かりました。大納得です。

 ちなみに、お酒も飲んでご飯も食べて8時間歌って、お会計は15000円ほどでした。お酒を飲まなかったらもっと安いはず。8時間はどうかしていると思いますが、3~4時間であればとてもリーズナブルに家族の思い出を作ることができると思います。

 僕たちは、「カラオケパセラ」をナメていた。すべての「カラオケパセラ」が、ファミリー向けに特化しているわけではなさそうなので、利用する際は事前に確認してから行くことがオススメですが、どうしてもっと知られていないのか、本当にナゾ。店舗によってはライブやイベントができるスペースがあったり、ダーツバーを有していたりと、違うジャンルに特化しているようで、日本の企業努力は恐るべしです。異様な進化を遂げるジャパニーズクオリティ。子育てに奮闘するママさん、パパさん。誰にも気兼ねすることなく時間を過ごせるネバーランドが、新宿にあったんです!

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