本塁上の危険な衝突を回避するために今季から導入された「コリジョン(衝突)ルール」について、プロ野球を統括する日本野球機構(NPB)は20日、新基準を22日のセ・パ公式戦(ファーム公式戦を含む)から適用すると発表した。
シーズン中のルール適用基準見直しは異例。
これまでは守備側の走路への侵入を禁止する指針を厳格に運用し、例えば送球がそれて捕手がやむを得ず走路に入り、走者との接触が避けられなかった場合も対象だったが、新基準では適用外となる。
NPBはオールスターゲームの中断を利用し、後半からの運用見直しを目指していたが、日本プロ野球選手会は15日に福岡で開催した臨時大会で、選手への説明が不十分なことなどを理由に後半戦開始時からの新基準導入には反対で一致。一時は後半戦からの導入は見送られたが、この日までに全球団の選手会が導入に理解を示し、了解を得た。
前半戦はルール適用をめぐり混乱が続いた。5月11日の阪神−巨人(甲子園)で阪神の捕手・原口が走路に入ったとみなされ、判定がセーフに覆ったケースをはじめ、検証された11件のうち4件が適用を受けた。阪神がNPBに意見書を提出するなど複数の球団が判定に不服を申し立てる事態となっていた。