今月3日、和歌山市の水道水を送る橋が崩落し、およそ6万世帯で断水が発生した。いつも当たり前にあると思っていた「水」が突如使えなくなる…という事態に、ネットやSNS上では、近隣の店舗などで「ミネラルウォーター」などの飲料水が一時的に品切れになったという声もあり、ニュースに触れた方の中には、こういった万が一のために、「ミネラルウォーター」などの生活必需品を備えることの重要性を改めて感じた方もいるのではないだろうか。
さて、「ミネラルウォーター」は、ここ30年ほどで市場規模が30倍近く膨れ上がったと言われている。健康志向の高まり、水質に対する不安など、さまざまなきっかけを受け、「ミネラルウォーター」は人々の生活に浸透していったが、2011年の東日本大震災をきっかけに、「ミネラルウォーター」を備蓄する人が増加したことで、さらに成長を加速させたようだ。
そんな「ミネラルウォーター」だが、ここ1~2年のコロナ禍の生活の中で、どのような変化を受けたのか。このほどサントリーから発表された「サントリーウォーターレポート」を参考に、その変化を見てみたいと思う。
参考)サントリーウォーターレポート URL
https://www.suntory.co.jp/softdrink/news/pr/article/SBF1183.html
コロナ禍の生活の中で起こった意識・行動の変化として、コロナ禍以前と比べ、6割以上の人が「在宅時間」が増加した。次いで「ストレス」、「健康への不安」などの意識が増加し、行動制約の原因でもある感染を避けるために、「インターネットでの買い物」、「食料品などの備蓄」が3割程度増える結果となった。
そういった生活変化の中で、人々が飲む「ミネラルウォーター」をはじめとする「水」の摂取量は19年と21年を比較すると約3割弱も増え、「ミネラルウォーター」だけでみると、4割も増えていることがわかった。さらに、飲用時の意識としては、「健康を気にして飲用する」という人の割合が7割を超えており、長引くコロナ禍の生活で、体調管理や、健康不安に対する対応として、「水」を飲む量が増えていると見てもいいのかもしれない。
また、「ミネラルウォーター」の買い置き状況を見ると、6割超の人が実施しているという結果が出た。防災備蓄意識が高まっていることに加え、コロナ禍で食料品の買い置き・まとめ買いを意識するようになったことで、日常的な利用のために「ミネラルウォーター」を買い置きする人が増えたのが特長だ。さらに、買い置きやまとめ買いが増えたことで、ミネラルウォーターの価格に対する意識も、19年と比較すると更に高まっていることがわかった。
ただ、一方で日常的な飲用機会が増えた「ミネラルウォーター」だからこそ、その中味に目を向ける人々も増えていると見え、「ミネラルウォーター」を製造・販売するメーカーに対する要望としては、価格以上に「おいしいこと」・「安全であること」を求める声が高いことが分かった。
以上のように、コロナ禍の生活の中で、「ミネラルウォーター」はより一層、生活の中に浸透していったことがうかがえる。もしもの事態に対する備えとして、また日常的な飲用水として、「ミネラルウォーター」は、もはや人々の生活の中でインフラ的な存在になったと言えるのかもしれない。