NJKFでのデビュー以来、全日本キック、K-1 WOLRD MAX、Krushなどさまざまなリングで活躍した佐藤嘉洋が21日、都内のGENスポーツパレスで開かれた会見で引退を発表した。
佐藤は今年1月にサニー・ダルベック、5月にジョーダン・ピケオーに連続KO負け。エントリーされていた「K-1 WORLD GP -70kg初代王座決定トーナメント」(7月4日)への出場を辞退し、去就が注目されていた。
佐藤は「1月にサニー・ダルベックにKO負けし、5月にジョーダン・ピケオーに再度KOされたことが一番の要因。ピケオーとの試合でダウンをしましたが、その時に意識があった。今までなら意識が無くてもそのまま戦い続けるという、丈夫な骨太い試合ができていたんですけど、今回はそれができなかった。“なんで俺は膝をついているんだろう?”と試合中に思ったぐらいで、それがショックでした。師匠の小森会長からも『初めて辞めたほうがいいと思った』と打ち上げで言われ、その時に8割ぐらい自分の中でダメかという気持ちがあって、まだやれるという気持ちとダメかもという2つの気持ちが交互に来たんですけど、その後GAORAの試合映像で倒れ方を見て、踏ん切りがつきました。“ああ、これはいかんな”と。今までの自分だったら必ずそこから前に出て攻撃していたはずだと。自分は常に世界一を目指してやってきましたが、今回の試合が終わって初めて自分の衰えを感じて、もう世界一は目指せない。世界一を目指せないのなら現役をやめるとずっと思っていたので、決断しました」と引退へ踏み切った経緯を語った。
佐藤は全日本キック、K-1 WOLRD MAXと常にトップ戦線で戦い続け、通算戦績は80戦54勝(20KO)25敗1分。
印象に残っている試合として、2003年のガオラン・カウイチット戦、2004年のイッティポーン・アカスリボーン戦、2008年のK-1 WORLD MAXでのブアカーオ戦と魔裟斗戦などをあげた。
今後の活動についてはこの日早速「佐藤嘉洋の1001 KICK」というサイトをオープン。「伝えるほうで格闘技界に還元していきたい」という。
また、8月22日に佐藤の地元・名古屋で開催される「Krush.57」(名古屋国際展示場イベントホール)で引退セレモニーが行われることも合わせて発表された。
ジョーダン・ピケオー タグーの記事一覧
K-1-70㎏トーナメントでグレゴリアンが優勝
「K-1 WORLD GP2015 IN JAPAN~-70㎏初代王座決定トーナメント~」が4日、東京・国立代々木競技場第二体育館で行われた。
日本から4選手、海外から4選手の計8名で争われたトーナメントを制したのはヨーロッパのトップファイターであるアルメニアのマラット・グレゴリアン。
日本人選手はKrush-67kg王者の牧平圭太が1回戦でディラン・サルバドールを破ったものの、山崎陽一、中島弘貴、渡部太基はいずれもKOで敗れ、改めてこの階級での世界の壁の高さを感じさせた。
グレゴリアンは1回戦では山崎を2R左ハイキックでKO。準決勝では牧平を2R、左フックで粉砕。決勝は5月の「Krush.54」で佐藤嘉洋を破り今トーナメントの出場権を奪い取ったジョーダン・ピケオーを1R、パンチの連打でKO。3試合連続KOと圧倒的な強さを見せた。
Krush.54 王座防衛の卜部弘嵩が「60kgの世界の中心は自分」
立ち技格闘技「Krush.54」が4日、東京・後楽園ホールで開催され、メーンで行われたKrush-60kg級タイトルマッチで、王者の卜部弘嵩が挑戦者ヘルマン・タブエンカを3R1分44秒、KOで破り初防衛に成功した。
卜部は1Rのゴングが鳴るやリングのセンターを占拠し、プレッシャーをかける。この姿勢は最終ラウンドまで続き、常に先手を取って攻め続けるのは卜部。ヘルマンのガードが固いとみるや、ボディーフックの連打に移行。しのいだヘルマンが前に出て来た時にはカウンターのフックで迎撃とスキのない攻撃を見せる。時折、危険な距離でパンチを食らう場面もあったが、3Rには右の飛びヒザでぐらつかせたところにフックの連打で1度目のダウンを奪う。なんとか立ち上がったヘルマンだったが、卜部がコーナーに詰め、パンチの連打を見舞うと、右手を上げ、戦意喪失のポーズからしゃがみこみダウン。レフェリーが止め、3R1分44秒、KOで試合を決めた。
卜部は試合後の会見で「KOじゃないとKrushのチャンピオンじゃないので、KOできて良かった。本当はKOは狙っちゃいけないんだけど、今日は最初から狙っていた。最後は強引にKOに持ち込んだ。60kgの世界の中心は自分だと思っているので、Krushのチャンピオンとしてこのまま突っ走りたい」と語った。
途中、危険な間合いでヘルマンのパンチを食らった場面については「あの距離じゃないとKOが狙えなかった。(K-1で敗れた)1月18日から今日まで、あの距離でもディフェンスができて、攻撃もできる練習をしてきたので、マットに沈める自信はあった」と振り返った。
そして「4月のK-1で王者の功也がエルナンデスと戦っていたのを見て、全然つまらないと思ったので、やっぱり俺じゃないとダメだなと思ってます。60kgの世界の中心は自分です」と改めて宣言した。
この日は-60kgのスーパーファイトで山本真弘vs神戸翔太の一戦が行われ、山本が延長ラウンド1分54秒でTKO勝ちした。31歳の山本と21歳の神戸ということもあり“世代闘争マッチ”とうたわれたこの試合。1R開始から山本が持ち前のスピードとローキックで積極的に仕掛ける。神戸もミドルキック、ボディーフックを軸に対抗。一進一退の攻防が続く。3Rにはバッティングで山本が左目の上をカット。残り2分弱は激しい打ち合いが展開されたが本戦は1-1のドロー。
延長ラウンドも打ち合いが続くが、神戸のローブローで一時中断、再開後に山本が飛びヒザで神戸の鼻を破壊。ドクターストップによるTKOで勝利を収めた。