スティーヴン・スピルバーグ監督による不朽の名作『E.T.』特別上映会が22日、都内にて行われ、日本語吹き替え版で主人公の少年エリオットの声を担当した声優・浪川大輔らが登壇。当時の裏話などを語った。
製作40周年記念 アースデイ特別上映として実施された、1夜限りの上映企画。1982年に公開され日本でも社会現象的大ブームを巻き起こした作品。
ビデオ化された際に主人公エリオット少年の吹き替えを担当した浪川大輔は「スピルバーグ監督が決めるということで、声を吹き込んだテープを送ったんです。当時は船で送ったらしく、2週間くらいかかって。“スピルバーグ監に認められた男”なんて言われますけど(笑)、たまたま選んでもらったのが僕だった」と振り返った。
当時の配給元・UIP映画で宣伝部長を務めていた大森淳男氏は、日本では映画公開までE.T.の姿を明かさないという宣伝方法をとったことについて「アメリカで公開されたのが6月7日、日本は12月4日で半年の開きがあった。その間に、向こうのヒットの情報は日本にも入ってきていたが、写真は最後の最後まで伏せておこう、と。期待感を上げるために。携帯もSNSも無い、当時だからできたこと」。
結果的に日本でも、当時の配給収入100億円という歴史的ヒットを記録。大森氏は「当時、丸の内ピカデリーは1386席を備えた松竹のフラッグシップ館。その前に人の波、波…途切れることなく続いていた。今と違って、指定席制でも入れ替え制でもなかったので、我先に入場して良い席を確保するという…お客さんの努力が必要な時代でした」。浪川大輔も「昔は立ち見もありましたよね、僕も立ち見で見た覚えがあります」と明かすと、大森氏も「立ち見したり通路に座ったり…実際には2000人近い人が入ったのでは」と歴史的ブームを懐かしんだ。