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塩野瑛久演じるハイスペイケメン、性癖が歪んでしまった悲しすぎる理由とは… 内田理央主演『来世ではちゃんとします2』第7話〈ドラマでしゃべりたい〉

2021.09.26 Vol.Web Original

 内田理央主演のドラマ『来世ではちゃんとします2』(テレビ東京、毎週水曜深夜0時40分)。9月22日に公開された第7話では、内田理央演じる性依存系女子の主人公・桃ちゃんの本命セフレ・A君にスポットライトが当たった。

 塩野瑛久演じるA君は、高学歴高収入高身長、いわゆる”三高”のハイスペイケメンだ。全てを持っているように見えていたA君だが、彼にもそれなりの苦悩があって……?


優等生気質のハイスペイケメンが抱える、周囲からの”期待”の重圧

 

 桃ちゃんの本命であるA君だが、登場シーンはいつも夜中に桃ちゃんを急に呼び出す時ばかりで、前作含めて、これまで大きく人間性が描かれてこなかった。そんなA君の”事情”が、今回初めて語られた。

 甘いマスクに高身長、商社務めで高収入。高学歴大学の同期で、稼ぎもよく顔も可愛い恋人を本命に据えながら、桃ちゃんというセフレまで作っている…文句のつけどころがないし、人生を謳歌できないわけがないように思える。

 とはいえ、どんな人間にも悩みはちゃんとある。お金を稼いでいても、どれだけ可愛い彼女に愛されていても、心の穴が埋まらないことには意味がない。序盤でA君は「思えば、他者の評価を裏切らないよう、気を張り続けた人生だった」とひとりごちた。

 高学歴で青春時代に勉強を頑張ってきた人にはよくある話だ。保護者や周りの先生に褒められれば、子供心ながらにやっぱり誇らしい。しかしいつしか、周りの指導者たちはどんどん「あなたならもっとできる」と過度な期待を寄せるようになる。勉強に真剣に取り組めるような真面目な子ほど、こういった周囲からの期待に「答えねばならない」と思い込んでしまうのだ。

 幼い頃からの周囲からの期待に慣れてしまうと、典型的な「優等生気質」なキャラクターが出来上がる。A君も典型的な優等生気質で、親の期待、恋人の期待、周囲が勝手に想像する自身へのイメージというの期待に、全て応えようと生きてきてしまったのだ。「気にしなければいい」なんて言われて簡単に辞められるようなことでもなく、本人にとってはとても根強い、一種のコンプレックスに近いことだ。

 そんなA君が唯一自分をさらけ出せたのが、職場や学友と言ったメインのコミュニティーとは関係ない場所で知り合った、桃ちゃんとの性行為だった。自分を抑圧して生きている人ほど、性行為や飲酒など、ソフトドラッグ的な行為にのめり込んでいってしまうというのもよくある話だ。優等生気質な人は、自分に根深いコミュニティーの中では自分の弱みをさらけ出すことができない。だから、彼女や家族でなく、セフレという曖昧な関係に救済を求めてしまうのだ。A君の性癖はちょっとクセの強いSMプレイ……。ずっと周囲に気を配ってきたからこそ、普段はできないような手ひどい扱いをすることに背徳感を覚えてしまうのかもしれない。

 

セフレを取るか、まっとうな恋人を取るか。2人の行く末は…?

 

 つまり、本命彼女としては置けないものの、A君にとって桃ちゃんは、意外と大事な存在だったわけである。しかし現在、松田君とのギリギリな関係にお熱の桃ちゃんは、第5話の時点でセフレ断ちを決意し、A君のLINEをブロックしてしまっていた。さて、A君にとって本当に大切なのは、周囲の期待に沿っている本命彼女なのか、自分のダメなところを理解してくれる桃ちゃんなのか……どっちなのだろう? 第7話では、桃ちゃんの家に押しかけてしまうまでのA君の苦悩も見えた。このままおとなしく引き下がってしまうのか、来週また番狂わせがあるのか。

 そんなA君の苦悩はつゆ知らず、同僚・松田君との友達以上恋人未満の関係をご満悦中の桃ちゃん。第6話では松田君とのおうちデート中にA君が押しかけてしまうという修羅場シーンもあったが、松田君との関係を前向きに考えているようだ。

 大好きな本命セフレ・A君には可愛くて稼ぎもいい本命彼女がいて、自分はその子を差し置いて選んでもらえることはない。その事実はきっと、ずっと桃ちゃんの自己肯定感を下げ続けていただろう。そんな中、気持ちをきちんと言葉にして伝えてくれる松田君の存在は、桃ちゃんにとっても大きい存在となっている様子。

 A君はどちらを選ぶのか、そして桃ちゃんはどちらを選ぶのか。惜しくも、来週で最終回となる来世ちゃん……見逃せない。

脱こじらせへの道 第14回 問題は向き合えるか向き合えないか

2016.01.08 Vol.658

 明けましておめでとうございます。田口です。
 もう8日ですが、今年1回目なので、恒例のご挨拶ということで。

 昨年6月に始まったこのコラム、ご好評いただきまして、無事に年を越すことができました。今年も女性のこじれを中心に、さまざまな問題について考えていきたいと思っていますので、ご期待下さい。

 さて、昨年後半は極端な二極化が進み、その中でのこじれについていろいろ考えてみました。
 今回と次回でその中間層の中にいるこじらせについて考えてみようかと思います。

 と言いつつ、今回のアンケートは「半数以上の人が経験あり!? 彼氏や夫がいても……セックスフレンドはいますか?」なんですが、あまり「セフレ」という言葉だけに引っ張られないで読んでいただければと思います。

 女性のセフレ事情としては2パターンがあると思うんです。

「セフレなんてありえない。心と体が別なんて…」という否定派と、「彼氏とはできないことをしたい、彼氏では満たされないことをしたい」ということでOKだという肯定派の2パターン。

 否定派の意見はまあ「そりゃそうでしょう」という感じですよね。

 肯定派の意見の中にはさらに「自分がこれをしたいから」「彼氏とはこれができないから」ということでセフレを作る場合と、彼氏との不具合があってセフレを作ってしまうという2パターンがあります。

 実際にセフレがいてもいなくてもいいんですが、その理由のところでこじれているか否かが分かれると思います。
 こじれているのは、ただただ寂しいからセフレを作っている人。
 理由が、「寂しいから」とか「今の彼氏とうまくいかないから」というものだったら、それは彼氏とちゃんと向き合わないといけない。

 反対にそうではなくて「○○がしたい」とか性的に満足していないということが理由だったら、彼氏ではなく自分の性癖に向き合って、もっと深めたほうがいいのではないかと思うんです。

 その性癖を深めるために、結果的にセフレができてしまうのはアリなのかもしれないですね。(セフレを全肯定するということではないですが、あくまで個人の問題ですからね)

 自分の性癖に気づいて、これを彼氏にお願いすると引かれてしまいそうだからセフレに走ってしまうという考え方は、なくもないです。彼氏とできるのが一番ですが、まあその趣味にもよりますから。
 もちろん、彼氏であろうとセフレであろうと、生活に支障が出ない範囲で、というのが基本だと思いますが…。

 ところで、男子が風俗に行く理由と、女子の「自分がこれをしたいから、彼氏とはこれができないから」という理由でセフレを作るというのはちょっと似ていて、女子の男子化が進んでいるという見方もできます。
 私はそれでいいと思っています。むしろ、今後はそれを目指すべきじゃないかと思っています。男子っぽくなってもいいのかなと。

 そもそも男と女の性欲についての認識のされ方は真逆ですよね。女性は性欲があるとなぜか否定されて、男性は性欲がないと否定されるみたいなところってありません? 据え膳食わねば男の恥、みたいな。

 女性も男性のそういうところには近づいてもいいし、男性の中にも性に消極的な人がいるというのは知られてもいいことですよね。
 セックスの前では平等であってほしいですね。

 さて、アンケートを見ながらお話しましょう。
 どのくらいの状態をセフレと言っているのかにもよりますが、「1回だけ」とか、「一人だけいた」という状態を含めるとこういう数字になると思います。
 
「いる」という人の中にも、火遊びの人と常習の人がいて、常にセフレが何人もいるとか、常に誰かいないといけないというパターンは「いる」という状態。1回だけのアバンチュールみたいなパターンはセフレがいるとはいえないと思います。一人の人と定期的にやっているのがセフレ。

 アンケートにあるように、「いる」という人が3割くらい。「いた」という人も含めると半分以上というのは妥当な数字かと思います。その「いる」という人の中でも半分以上は、セフレとしてつきあった人数は1人とか2人だと思うんです。
 一度や二度の浮気が長引いちゃったという感じ。
 常習化している人は2割いないと思うんです。感覚としてですが…。

 セフレも、特定のパートナーがおらずセックスをする相手だけがいる場合と、彼氏や夫がいてセフレもいるという場合もあります。
 夫がいる場合、
「旦那が女として見てくれない」というのは、それを求めたいんだったら別れたらいいのにって思いますけどね。こういうと随分乱暴に聞こえてしまうかもしれませんが、生活と女として生きることのどっちが大事なの?って考えて、生活を取るんだったら、セフレとは別れたほうがいいですよね。極論ですが。そういう選択って、アリだと思うんです。

 そう考えると、以前お話した「物語を作る人」と別のパターンで「選択をできない」というのはこじらせの原因のひとつの定型かもしれないですね。
 選択をしなければ、今の状況がずっと続くと思えるし、そうすれば傷ついたり勝負することから逃げられますもんね。でもそれって、前にも進まなければ現状を維持することもできない、負のスパイラルに陥る可能性があります。だから余計にこじらせるのかなって思います。

 
 その一方で、「前の彼氏のときはいたけど、今は彼氏一筋です」という人がいますが、それは今は彼氏と向き合えているということ。「昔はいろんな人としてみたかった」とも書いているんですが、そのころは興味があったんでしょうね。やるだけやって一回りして、今の彼氏とは向き合えている。いいことだと思います。それで気が済んだのだったら。

 ここまで話して、結局はセフレって性欲を満たすためのものなのか、心を満たすためのものなのか、という問題も出てくるんですが、こじれという観点でいえば、そこはあまり関係ないかと思います。
 どっちにもこじれはあるんですが、原因や問題と向き合えているかどうかが大事。向き合えていないのがどっちのパターンでもこじれているのではないでしょうか。

 だからみなさんにお願いです。友人に「セフレがいる」ということを告白されたり、相談されたときには「なんで?」と聞いてあげましょう。
 もしかして、ただ彼との不満を抱えてるだけなら、あなたが話を聞いてあげればセフレを作らなくても良くなるかもしれない。セフレと別れて女子会で済むかもしれないですから。
 建設的ですね。今年はこういう建設的なこともたくさん言っていきたいと思います。

 最後に私の今年の目標を。
 私、実は読書ができない女なんですが、最近はコラムなどを書かせていただく機会が増えてきて、だんだん活字に対する苦手意識がなくなってきました。
 なので、「今年は本を出したい」というのを目標にしたいと思います。
 内容ですか? まあ普通で考えれば、このコラムで書いているような女性とかセックスに関わるものになると思われるかと思いますが、できれば私のような読書が苦手な人間でもこうすれば本が書けるんだというハウツー本にしたいです。その中で、GIRL’S CHや女性の性に関することを存分に書いていければ。
 できればお堅い出版社から出したいな〜。
 どちらか、お願いします(笑)

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