たばこの煙の受動喫煙対策について、厚生労働省は1月30日、今国会に提出予定の健康増進法改正案の骨子を公表した。店舗面積150平方メートル超の飲食店を原則禁煙とし、加熱式たばこも規制対象に盛り込む方向で調整。例外として、150平方メートル以下など経営規模の小さい既存店で喫煙を認める。30平方メートル超を原則禁煙としていた当初案より大幅に後退した格好。
原則禁煙となるのは、ファミリーレストランなど一定以上の経営規模の店舗や新たに開設される飲食店。煙が外に流れない喫煙専用室の設置は認める。一方、小規模な飲食店は当面、喫煙や分煙の表示を掲げることで喫煙可能。対象は150平方メートル以下で、個人経営か資本金5000万円以下の既存店となる見込み。
需要が拡大している加熱式たばこについては、紙巻きたばこと同様に原則禁煙とする。ただ、健康への影響がまだ分からないため、加熱式たばこ専用の喫煙室で、食事をしながらの喫煙も可能にする。
当初案に比べ喫煙可能範囲が広がったが、改装を求められる飲食店の負担は大きい。
一方、東京都は1月30日、新たに制定を目指している罰則付きの受動喫煙防止条例案について、予定していた2月の都議会定例会への提出を見送ると発表した。小池百合子知事は2日の定例会見で、「国の案が都の考え方に近くなるような動きもあるのではと期待している」として、国の動きを注視する姿勢を強調した。
東京都の条例案は30平方メートル以下の飲食店を規制対象外とするものだった。