国際短編映画祭「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア(略称:SSFF & ASIA)」による「Withコロナ & Afterコロナの映画業界を考えるオンライントークシリーズ」第4回が16日、公式YouTubeチャンネルにて配信され、海外映画人がコロナ禍でのチャレンジや、現地の状況などを語った。
前半は、オンラインで『コロナ短編映画祭』を開催したドイツのデヤン・ブチン氏のインタビューを配信。「ベルリンではロックダウンも解除され、ほぼ通常の日常に戻っているが、規制は完全に解除されていないのでまだ気を抜けない状態」と、地元ベルリンの状況を語ったブチン氏。『コロナ短編映画祭』について「きっかけはヨーロッパでの感染拡大。ロックダウン後、撮影も休止になり仕事がなく、家の掃除をするより創造的なことをしようと思い1人でショートフィルムを作ろうとしたんですが、何回やっても失敗ばかりで。知り合いの映画関係者に声をかけて、人々に創造性を発揮してもらうコンペを立ち上げることにしたんです」と振り返った。
アイデアを思いついてから2週間後にはWEBを立ち上げ公募開始。募集はわずか3週間で締め切ったが、最終的に世界70カ国以上から1200本を超える作品が集まった。
ブチン氏は「僕らも驚きました。始めはちょっとした表現の場を作りたかったんですが、動き始めるとどんどん規模が大きくなっていきました。」と振り返り「人々のひらめきを大事にしたかったし今の状況が変わらぬうちに開催したかった」と異例のスピード開催を実現させた背景や工夫などを明かした。また同映画祭では作品応募の費用は設けず、代わりに国境なき医師団への寄付を呼び掛けたという。
応募作品について「ルールは5分以内の作品であることと、通常の映画やテレビ制作のように大人数で集まることができないので、なるべく自宅や自粛エリア内で制作するようにと伝えていました。家族や自分一人で作った作品もありましたね」。ちなみに日本からも少数ながら応募があったとのこと。「僕のお気に入りの作品もありました。残念ながら最終選考には残りませんでしたが。今後、この映画祭を継続させていくのか僕らもまだ考え中ですが、何らかの形で全応募作品へのリスペクトを示したいと思っています。感染の第2波は来ないように祈っていますが、映画祭の“第2波”は行うかもしれません」と意欲を見せていた。