ジャーナリストの堀潤氏が主宰する「8bitNews」が2月13日、シリア人ジャーナリスト、エルカシュ・ナジーブ氏への緊急インタビューを公開した。
シリアでは2月6日に起きたトルコ南東部を震源とするマグニチュード7.8の地震により、甚大な被害が発生。シリアとトルコの両国を合わせ4万人近くの人が亡くなったとみられている。
中でもシリアについては人道支援の遅れから被害が拡大。その様子は全世界に報じられているのだが、ナジーブ氏の口からはその原因などが明かされた。ナジーブ氏は長く日本に滞在し、東日本大震災の取材などを続けているジャーナリスト。
ナジーブ氏は「人道支援が入らない理由が異常。政治が人道支援を妨げている。いろいろな政治勢力がこの危機を利用しようとしている」と語ったうえで「トルコは問題はあるが普通の国、普通の政治だから、政府は地震の2時間後に非常事態宣言を出して世界から支援を受けた。シリアの場合は中央政権は3日経ってから非常事態宣言を出した。それはこの危機を利用して国連から政権にかかっている制裁を解除したいという思惑があったから。しかし国連や米国の言い分は“そもそも制裁から人道支援は外されている”。制裁はあってもシリアの会社は貿易もできる。制裁のターゲットは中央政権の決まった人物と金融セクター、石油セクター。制裁の話をすると複雑だが、(人道支援の遅れは)間違いなく制裁は原因ではなかったが、制裁に対するオーバーコンプライアンスという現象がある。人道支援だから大丈夫なのだが、結局、世界の企業は怖いと思っている。本当に大丈夫なのか? 事務的な段取りも時間がかかるしいろいろ複雑。なので先日、米国も臨時的に制裁を外した。人ががれきの下で死んでいく状態の中でそういうメカニズムがあった」などと訴えた。