SearchSearch

「来日53回目」“ドクちゃん”現在は双子のパパ 子どもの名前は“フジ”と“サクラ”

2024.04.11 Vol.web original

 

 ドキュメンタリー映画『ドクちゃん -フジとサクラにつなぐ愛-』の特別試写会が11日、広尾・日本赤十字看護大学にて行われ、来日したグエン・ドクさんが看護を学ぶ学生たちに熱いメッセージを送った。

 1981年、ドクさんはベトナム戦争で使用された枯葉剤の影響を受け結合双生児として出生。1986年に兄のベトさんが「急性脳症」と診断され2人とも命を失いかねない状況となりホーチミンから緊急来日。東京・広尾の日本赤十字社医療センターで約4か月に及ぶ入院生活を送った後、1988年にホーチミンで分離手術を行った。

 この日のイベントは、分離手術を支援した日本赤十字社との縁もあり、同看護大学で介護を学ぶ学生たちを迎えて実施。

 ゆかりの深い日本での映画公開に、ドクさんは「この映画を通して伝えたいのは、現在の私の姿をありのままに見せたいということ。そして、平和のありがたさです。私は戦争が残す苦しみを味わって来ましたので、今こそ戦争を起こすまいという気持ちを伝えたい」。

 分離手術から35年。最初の緊急来日からは38年。当時のことは「小さかったもので、飛行機に乗るのが大変だったという記憶はおぼろげにあるんですが、日本に着いてからの記憶がほとんどないんです」と振り返りつつ「日本に来るのは53回目。日本は第二の故郷だと思っています。ここ(日赤病院)に来るのは初来日以来、2回目ですが戻って来れてうれしい。日赤の医師の方々に私の分離手術に立ち会っていただいたり、機材を提供していただいたおかげで手術も成功しました。きな恩を感じています」と感謝。

 現在ドクさんは、妻ユエンさんやフジくん、サクラちゃんという日本にゆかりの深い名前を付けた双子の子どもたちと暮らしながら、病院で事務員として勤務していると言い、看護を学ぶ学生たちに「患者さんに喜んでもらえる看護師さんになってもらえたら。私は障がい者なので周りに支えられながらも病院で働きながらどれだけ多くの人を助けられるかを考えています。皆さんと同じ思いを持っていると思います」と未来の医療従事者たちに期待とエールを送っていた。

 

海宝直人「未来に思いをつないでいかなければ」長崎の被爆体験者の証言まとめたドキュメンタリー映画で主題歌

2021.08.09 Vol.Web Originnal

 

 映画『a hope of NAGASAKI 優しい人たち』の公開記念舞台挨拶が9日、都内であり、主題歌を歌う海宝直人、音楽を担当した小野華那子、松本和巳監督が登壇した。

 長崎で被爆を体験した10名の新たな証言をまとめたオーラル・ヒストリー・ドキュメンタリー映画。親を亡くした人、友人を亡くした人、差別や偏見、いじめで苦しむ、貧困や孤独など、10人それぞれが乗り越えて来たことを語る。

 海宝は「映画を見させていただいて、被爆体験のお話がすごく胸に響いたんですが、繰り返している歴史のひとつだとも感じました。国であったり、人種であったり、世界が分断していく流れになっているなかで、(映画の中で)みなさんがおっしゃっていた『話せばわかる』ということであったり、アメリカ兵と個人個人でやりとりをしてみたら分かり合える経験があったとか、音楽を通して分かり合えたとか、それは現代を生きる我々にとって大事な感覚だなと。そのメッセージを大事にして生きていかなければいけないなと思いました」

Copyrighted Image