SearchSearch

ネットカフェ難民どう救う?休業要請でセーフティネット拡充急ぐ

2020.04.12 Vol.Web original

 東京都は11日、新型コロナウイルスの感染拡大を受けた緊急事態措置として、対象の事業者に対し、店の休業や営業時間の短縮を要請した。この中に含まれるインターネットカフェについて、現在住まいを失い、インターネットカフェやマンガ喫茶などで寝泊まりをして過ごす、いわゆる「ネットカフェ難民」に焦点が当たっている。都の2018年の調査では、ネットカフェ難民は、都内に4000人いると推計されている。

 都は、11日に行われた休業措置による影響で仕事や住まいを失う人の受け皿として、ビジネスホテルへの入室を一時的に受け入れた。当初100室だったところ、問い合わせを受け、約2000室に拡充。また、都の無料相談窓口「TOKYOチャレンジネット」では、都内に直近6ヶ月以上継続して生活をしており、現時点で住居がない人を対象に、暮らしや仕事、住まいなどについて相談を受け付けている。窓口は平日・土曜日のほか、日曜日も特別開設。担当者は「ビジネスホテルへの入室は緊急対策として、基本的に土日のみということになっているが、一人一人の状況に合わせて、今後の状況を決めていきたい。安心してほしい」と語った。

 民間団体も動き出した。国内の貧困問題に取り組む「認定NPO法人自立生活サポートセンター・もやい」では、緊急相談会を開設。新型コロナウイルスに関連して住まいを失ったり、収入が減ってしまった人たちを支援するため、4月中は、毎週火曜日と土曜日に相談を受け付ける。また、生活困窮者の支援を行う「一般社団法人つくろい東京ファンド」では、緊急の相談フォームを開設したほか、住まいを失った人がすぐに入居できるよう、個室シェルターを拡充するための寄付を募っている。

 小池百合子都知事は、ネットカフェ難民の問題について10日の記者会見で、収容施設やアパートの環境整備のため、12億円の予算措置をしたと発表。「500人を想定しているが、(人数が)もっとということであれば、予算措置を高めていく必要がある」と語った。

Copyrighted Image