皆さん、暑いですね~!連日の猛暑、熱帯夜で大変でしょう。今回は季節柄、涼しいトピックにしました。「いかすぜ、日本の滝!」です。
小生は滝が大好きです。機会さえあれば、滝を訪れ、安全を確認し、気合を込めて入ります。自分にとっては浄化と祈りの行為ですが、同時に楽しいです。時に凍えるほどに酷寒ですが、生き返った気分になります。また、猛暑の季節にも、最適のリフレッシュ活動です。ちなみに滝の語源は「滾つ(たぎつ)、激つ(げきつ)」。また、滝が多い三重県には「多気(たき)」の地名もあり、「気」との関係が伺えます。やはり自然現象として激しく漲る水には神秘的なパワーがあるのです。
自分の「滝好き」は兄の影響です。彼はパリの大学で文化人類学を教えています。年齢は15歳離れていますが、子供のころ、毎年夏休みに帰郷する兄に連れられ文化的拠点を中心に日本列島を広く旅しました。そこで、仏教徒でもある彼は、滝を見ると季節を問わず、入って祈るのです。「付いていきたい」の一心で僕も参加しました。それが病み付きになりました。まあ、当時は「祈る」とか「滝行」というより、遊びでしたね。特に夏などは、大はしゃぎです。気が付いたら、ずっと滝を求める生活をしています。
滝行は日本の伝統文化といえます。真言密教、修験道、神道などの行事として定着しています。根幹にある思想は自然界のいたるところに宿る神を拝み敬う。その最たる象徴が滝なのでしょう。言い換えれば、日本列島における最古の「崇拝の場」は「滝」なのかも知れません。また、宗教的な意味合いの延長線で、昔も現在も多くの方々が観光として日本中の滝を楽しんでいます。栃木の「華厳の滝」、熊野の「那智大滝」、茨城の「袋田の滝」は日本の3大名瀑と呼ばれており、毎年数千万人が訪れています。世界遺産の熊野は滝の宝庫で平安時代から巡礼と称した観光が盛んでした。「蟻の熊野詣で」と称したくらい、江戸時代には日本中から多くの人々が那智の滝を目指して訪れていたようです。でも、このような名瀑は自分には向いていません。滝行が「規制」されているからです。祈りの一環として滝に入るのが、従来の目的であるのに、そんなことをしたら「始末書」を書かされたり、警察を呼ばれたりします。うんざりです。滝をエンジョイする際には管理体制に気をつけましょう!
海外の方々が日本を訪れ、よく驚かれるのは自然の豊かさです。近代日本のイメージは「都会」なのでしょうが、実は日本の七割が山岳地帯であり、豊かな自然にあふれています。それがゆえに、雨量が多く、山々が連なる日本列島は滝の宝庫なのです。ただし、滝を求めて旅すると素晴らしく整備された林道に驚かされます。ほぼどこでも容易にアクセスできるのです。
そこで提案です。古代から滝を拝み、はたまた楽しんできた日本列島の住民に学び、海外からの観光客の皆様にも滝めぐりを通じて日本の自然を満喫して頂いたらいかがでしょう? インバウンド観光客が本年度には1800万人に達します。最初はどうしても観光の内容が都会中心になりがちですが、リピート客を狙うなら自然と文化の融合企画がもってこいだと確信します。観光庁やJTB、近畿日本ツーリストなどがタッグを組んで滝観光を世界にアピールしましょう! 滝は海外にも通用する立派な日本の観光資源なのです。