SearchSearch

“思春期の自分をハグしたくなる”大人が続出『インサイド・ヘッド2』監督&Pが語る「誰もが共感する理由」

2024.08.11 Vol.web original

 少女ライリーの頭の中の感情たちの冒険と成長を描くディズニー&ピクサーの大人気アニメーション待望の続編! ピクサー作品史上最高の世界興行収入を記録。日本でも8月1日に公開されると、なぜか大人世代にもグサグサ刺さっているもよう。国や文化、世代や性別を超えて共感を生む作品作りの秘密を、同作を手がけたケルシー・マン監督とマーク・ニールセン プロデューサーに直撃した。

 ヨロコビ、カナシミ、イカリ、ムカムカ、ビビリ。少女ライリーを子どものころから見守ってきた頭の中の感情たち。ある日、高校入学を控えるライリーの頭の中にシンパイやハズカシ、イイナーといった“大人の感情”たちが現れる。ところが暴走するシンパイたちが巻き起こす“感情の嵐”に翻弄され、ライリーは自分を見失っていき…。

 最新作の舞台は“思春期を迎えたティーン女子の頭の中”! 嵐の思春期を乗り越えた大人たちが「グサグサ刺さる」と共感ど真ん中のコメントを続々寄せている本作。マン監督も「本作で最終的に伝えたいのは“自分を受容しよう”ということ」と語る。

マン監督「僕自身、当時、自分が抱えていた感情を振り返ってみると、まず思い出すのが“自分はダメなヤツ”という感情でした。10代って自分を外から見るようになり、他人が自分をどう見ているかがすごく気になってくる。人間は社会的動物だから、自分が社会に適合できているかを気にし始めるんですよね。でもそれが行き過ぎると自分を肯定できなくなってしまう。この映画で語られているのは、自分を受け入れてあげようということなんです」

 シンパイをはじめ、人をうらやむ気持ちのイイナーや、羞恥心のハズカシ、倦怠感のダリィなど、ときにやっかいな“大人の感情”たちと初めて出会い、混乱するライリーの姿は“思春期あるある”のかたまり。

マン監督「いろいろな“思春期あるある”のエピソードを集めました。まずは自分たち…10代のころって忘れがたい経験をたくさんしますよね(笑)。脚本家だけでなくいろんな部署のクルーたちにも聞いて回って」

ニールセンP「今回、ストーリーチームの半分以上が女性なんですけど、彼女たちにも学生時代のことを思い出してもらってね」

マン監督「性別や世代に関係なく共感してもらえるために、いろいろな人の経験談を集めたんです。でも結局のところ僕らは13歳ではないから…」

ニールセンP「ちょっと前まで13歳だったけど(笑)」

マン監督「現在、13歳の視線がほしいよね、と。僕らは父親で、10代の息子や娘がいるんだけど、実際に10代の人の話も聞きたいよねということになって」

ニールセンP「それで13歳から16歳の女の子9人を集めて、製作期間の約3年の間、何度も試写を見てもらって、彼女たちとオンラインミーティングを重ねたんです。見てどう思ったか、共感できたか、ライリーや周りの女の子たちはリアルに感じるか…。僕らは彼女たちを“ライリーのクルー”と呼んでいたんですけど、彼女たちのフィードバックはとても助けになりました」

 ピクサーが1作品にかける年月は平均的に4年。その間、人物設定から物語など構想を何度も変えながらブラッシュアップしていくという。

ニールセンP「作っている私たち自身はもちろん全世界の観客に共鳴してもらえる作品を作るために、それくらいかかるんです」

マン監督「最初の段階はひどいものですよ(笑)。本作も紆余曲折ありました」

ニールセンP「初めは、ライリーがもうホッケーをやっていないバージョンだったんです」

マン監督「そうそう。10代が直面するプレッシャーとして、学芸会を舞台にしようと思ったり。でもライリーはアイスホッケーやってたよね、子供のころからスポーツをやっていると成長するにつれいろいろな変化に直面するよね、ということでホッケーを戻したんです」

ニールセンP「あと、映画ではライリーの頭の中と外の世界が描かれるけど、あまりにいろいろな要素がありすぎるので少しシンプルにしたほうがいいということで5回目で“信念の泉”をなくしたんだけど、その後また戻したり」

大竹しのぶと多部未華子が大ヨロコビ『インサイド・ヘッド2』来日製作陣から「英語版よりいいかも?」

2024.07.18 Vol.web original

 

 映画『インサイド・ヘッド2』(8月1日公開)の来日イベントが18日、都内にて行われ、ケルシー・マン監督ら来日スタッフと日本語吹き替え版声優を務めた大竹しのぶ、多部未華子が登壇。大竹が製作陣からサプライズで誕生日プレゼントを贈られた。

 ディズニー&ピクサーによる大ヒット作品『インサイド・ヘッド』の続編。成長し思春期を迎えた主人公ライリーの中で“子供のころから見守る感情”と新たな“大人の感情”とが揺れ動く。

 それぞれのキャラクターのイメージカラーの衣装で登場した大竹と多部。新たなキャラクター“シンパイ”を演じる多部が「前作は劇場で見て、とても素敵な作品だと知っていたので参加できてうれしい」と言えば前作に続き“カナシミ”を演じる大竹も「ライリーが大人になった分、感動も大きくて。心の底から宣伝したいと思いました」。

 エグゼクティブプロデューサーのピート・ドクター氏とは前作以来9年ぶりの再会という大竹。「ライリーの成長が2年分くらいなんですが、私もそのくらいの感覚。人生はあっという間に時間が過ぎてしまって悲しい」と一同を笑わせつつ「前にきれいな本を頂いて。当時96歳の母が毎日見ていました」とドクター氏に感謝。

 そんな2人の吹き替え版にドクター氏は「ファンタスティック。英語バージョンよりいいのではと思うくらい」と絶賛し、大竹も思わず「ええー!?」と驚きつつ感激の表情。多部も「公開までずっとシンパイすると思うんですけど、ほめていただいたので少しは調子に乗りたいと思います(笑)」。

 マン監督も太鼓判を押し「お2人が私たちの心を“シンパイ”と“カナシミ”で埋めてくれました、いい意味で(笑)」とジョークで笑いを誘った。

 9年ぶりの新作に、多部が「誰もが経験してきた感情がグサグサと心に刺さる共感ばかり。でもどれも必要な感情だと教えてくれた。もう1回見て、また一杯刺さりたい」。大竹も「皆の心の仲がヨロコビでいっぱいになるようにカナシミやシンパイたちがいるんだと分かった。これからもライリーが成長するにつれてまた作ってほしい」と続投にも期待。

 この日は、大竹と多部から監督らにカラフルにキャラクターたちが絵付けされた九谷焼の特製小皿をプレゼント。「ずっと大切にします」と感激したマン監督は「今日、どなたかが誕生日ですよね」と言い、今度は17日に67歳の誕生日を迎えた大竹に花束と劇中にも登場する“思い出ボール”をプレゼント。大竹のアフレコ風景を描いたイラスト入りの思い出ボールに大竹も「お誕生日はそんなにうれしくないんですけど…」と笑わせつつサプライズの誕生日プレゼントに感激。最後に「今こういう時代だからこそ余計に子どもたちの頭の中がJOY(ヨロコビ)であふれる世界になることを願っています」と語っていた。

 この日の登壇者は ケルシー・マン監督、ピート・ドクターエグゼクティブプロデューサー、 マーク・ニールセンプロデューサー、村山佳子(キャラクター・アート・ディレクター) /日本版声優ゲスト:大竹しのぶ(カナシミ役)、多部未華子(シンパイ役) 。

「新キャラに日本のアニメ表現を使った」『インサイド・ヘッド2』日本人スタッフが来日イベントで制作裏話明かす

2024.07.18 Vol.web original

 

 映画『インサイド・ヘッド2』(8月1日公開)の来日イベントが18日、都内にて行われ、ケルシー・マン監督ら来日スタッフと日本語吹き替え版声優を務めた大竹しのぶ、多部未華子が登壇。製作陣が本作への思いを語った。

 ディズニー&ピクサーによる大ヒット作品『インサイド・ヘッド』の続編。成長し思春期を迎えた主人公ライリーの中で“子供のころから見守る感情”と新たな“大人の感情”とが揺れ動く。

 世界各国でアニメーション史上歴代 No.1 オープニング、さらにピクサー作品では史上最高の世界興行収入達成という世界的なヒットを記録する中、最後の公開国となる日本にやってきたケルシー・マン監督たち製作陣。一同が「コンニチワー」とにこやかに挨拶する中、本作でキャラクター・アート・ディレクターを務めた村山佳子氏が「緊張しています」と言うと、マン監督が「シンパイを感じているようですね、あとちょっとハズカシも(笑)」とツッコみ、和気あいあい。

 そんな村山氏は本作で主人公ライリーの他にも新キャラのイイナーやハズカシのキャラクターデザインを担当したといい「ハズカシは一番体格が大きいんだけど一番かわいくて、思わずハグしたくなる感じを目指しました。ライリーは思春期の子どもでもない大人でもない不思議なちょっと気まずい感じ、等身大の13歳を表現できるように頑張りました。イイナーは、嫉妬という感情はあまりいいものではないので、見ていてかわいいな、好きだなと思ってもらえるように工夫しました。彼女の目なんですけど、キラキラを入れると“イイナー”という感情がちょっとポジティブになるんですよね。そこで意図せず日本のこういう表現がでました」と日本のアニメの影響もあったと明かした。

 そんな村山氏との仕事にマン監督も「夢が叶ったような気持ちでした。ケイコさんと一緒のお仕事はとても楽しかった。『私ときどきレッサーパンダ』のときから、ピクサーで一緒にお仕事出来たらと思っていたんです」と明かし、村山氏も「そうおっしゃっていただいて光栄です」と感激。

 この日は、日本語吹き替え版に出演した大竹しのぶと多部未華子も登壇。多部から日本のファンに制作秘話をと聞かれると、マン監督が「ピクサーでは“イースターエッグ”と呼ばれるちょっとしたお楽しみを隠すことがあるんですけど、今回も、前作で愛されたビンボンがよく見ると、どこかにいるかも(笑)」と明かし、2人も「ええっ!?」と驚き大興奮だった。

 この日の登壇者は ケルシー・マン監督、ピート・ドクターエグゼクティブプロデューサー、 マーク・ニールセンプロデューサー、村山佳子(キャラクター・アート・ディレクター) /日本版声優ゲスト:大竹しのぶ(カナシミ役)、多部未華子(シンパイ役) 。

Copyrighted Image