ムーンショット型農林水産研究開発事業に採択された、「地球規模の食力問題の解決と人類の宇宙進出に向けた昆虫が支える循環型食料生産システムの開発」キックオフシンポジウムが22日、都内にて行われオンラインで配信。プロジェクトメンバーや協力機関の研究者、また昆虫食に関係する事業をおこした若手起業家らが登壇またはオンラインで参加し、昆虫食の必要性や可能性を語った。
お茶の水女子大学、早稲田大学教授の由良敬氏をプロジェクトマネージャーとする同研究課題を軸に立ち上がったコンソーシアム。幅広い研究・教育期間が参加し、人口爆発に伴う食料問題の解決や、人類の宇宙進出を支える食料開発、社会実装に挑む。
「ムーンショット」とは、ケネディ大統領が月面着陸を掲げたときに広まった言葉で、実現が困難に思われる目標への挑戦を指す。現在、国は2050年の実現を目安に、現在抱える多くの社会課題解決にもつながる、人々を魅了する野心的な目標としてさまざまな「ムーンショット目標」を設定している。
その課題の一つが近い未来に予想される、人口爆発による世界的な食糧危機問題。2050年には人口が98億人になり食糧が足りなくなることが予測されている。牛や豚といった家畜と比べ、コオロギは育てる場所もさほど必要とせず、温室効果ガスも排出しない。中でもコオロギやミズアブは飼育のしやすさなどの点から、とくに優位性が高いという。