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TSUTAYA えほん大賞に『かみはこんなに くちゃくちゃだけど』 横澤夏子も感激「娘はこういう気持ちだったのね」

2022.10.26 Vol.Web Original


 全国のTSUTAYAと蔦屋書店の店員が選ぶ『第3回 TSUTAYA えほん大賞』の受賞式が26日、代官山の蔦屋書店で行われ、数多くの人気作品を世に送り出しているヨシタケシンスケ氏の『かみはこんなに くちゃくちゃだけど』が1位に輝いた。2位は鈴木のりたけ氏の『大ピンチずかん』、3位は柴田ケイコ氏の『パンどろぼうとなぞのフランスパン』、新人賞に阿部結氏の『なみのいちにち』が選ばれた。

 ヨシタケ氏は受賞を感謝したうえで、「普段生きていて、いいこともあるけど悪いこともあるな、どちらかってことはないなって思いが常々ありまして、『いいこともあるけど悪いこともある』『悪いこともあるけどいいこともある』というふうに、いいことも悪いことも自分が受け取る順番なんだなと。そういう世の中の在りようみたいなこと、ままならなさみたいなものをそのままの形で本に出来ないかと思っていました。それを今回こういう形で本にできたことがうれしい」と、コメント。

 また「絵本というもののジャンルの懐ろの深さ、奥の深さを感じることができた」とし、「この先もこういう形でなかなか変なテーマを変な形で本にして、本を見てくださった方々に素敵な苦笑いを提供できるような本ができたらと思います」と、話した。

 プレゼンターを務めた横澤夏子は受賞作について「一枚めくるごとに面白い気持ちになったりグッと泣けるときもあって、この繰り返しすごいなって。でも分からないという気持ちは一切ないんです。いま娘がスリッパが大好きでスリッパをめっちゃ食べているんですけど、その種明かしというか、娘はこういう気持ちだったのねって。いろんな世代、どんな人でも当てはまるページがあって、背中を押されたというか……すごく毎日大変だけど私はこの絵本に出会えたから幸せって気持ちで頑張ろうと思う作品でした」と、感想を述べた。

小学生が好きな本1位に『ふしぎ駄菓子屋 銭天堂』“こどもの本”総選挙結果発表

2022.02.11 Vol.Web Original

 第3回「小学生がえらぶ!“こどもの本”総選挙」のベスト10が11日、発表された。YouTube チャンネルの「こどもの本総選挙TV」では受賞作品の著者やアンバサダーのお笑い芸人で作家の又吉直樹も参加した結果発表会も配信された。

 1位に選ばれたのは『ふしぎ駄菓子屋 銭天堂』(偕成社)。結果発表会には、著者の廣嶋玲子氏と銭天堂の女店主・紅子さんも登壇し、又吉から賞状を受け取った。
 
 同作は、幸運な人だけがたどり着ける不思議な駄菓子屋が舞台となっている物語で、女主人の紅子が勧める駄菓子が客の運命を翻弄する。

 同作に投票した小学2年生の男の子は、「銭天堂の第1巻を読みました。僕は自作の小説を書いています。言い回しは銭天堂を参考にしています。読んだ時、自分が銭天堂にいるかのようだったからです」と選んだ理由をビデオコメントで発表。

 廣嶋氏は「子どもが選んでくれるということでこんな素敵な賞はないと思います。1人でも選んでもらえたたらうれしいなと思っていたところ、1位に選んでいただけた事がうれしくてうれしくてたまりません。本を書いていて良かったなと心から思っています」と、喜びのコメント。

 又吉は「すごい面白かったです。駄菓子屋という設定、運が良くなければたどり着けないこともワクワクします。自分が欲しいお菓子がもたらす作用みたいなものにも手加減がなく、ちゃんと恐かったりするんです。解説書や説明書はちゃんと読まないといけないなと改めて思いました(笑)。(本の中に出てくる)硬貨も昭和何年のって書いてくれていたりして、小銭を使う時とかに入口があるんじゃないかと日常から不思議な世界に入っていけそうなワクワクする仕組みがいっぱいあります。年齢問わず楽しめる作品だと思いました」と、コメントした。

 2位は今泉忠明氏監修の『おもしろい! 進化のふしぎ ざんねんないきもの事典』(高橋書店)、3位はヨシタケシンスケ氏の『あるかしら書店』(ポプラ社)。ヨシタケ氏による作品はトップ10に3作がランクイン。また長きにわたって愛され続ける『スイミー ちいさなかしこいさかなのはなし』(好学社)は9位だった。

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