今年で第22回を迎える三鷹市芸術文化センターの名物企画「MITAKA“Next”Selection」の第2弾。
桃尻犬は2009年に立ち上げた団体で、メンバーは作・演出の野田慈伸のみ。その作品は人間の悪意や杜撰さ、どうしようもなさ。人生のくだらなさ、つらさ、どうしようもなさ。それらがポップに楽しく、HAPPYに描かれる。
今回の作品は10年前にコンビニに煙草を買いに行ったまま帰ってこない母親に置いていかれた兄妹のお話。2人はいつしか兄が妹を殴り始め、妹もなんとなく「嫌だなぁ」とは思いつつもあまり強く出られない関係に。その一方、隣の家は日曜のお昼に庭で焼き肉を食べるようなハッピーな家だったりするのにだ。この捨てられた兄妹をめぐり、それを助けたり、助けられたり、ただ一緒にいたりする人たちの隣をうらやむ羨望のお話。野田曰く「うるさく、元気がいいお芝居にしたい」とのこと。
桃尻犬は公演のたびに俳優を集め、作品を作るスタイルなのだが、今回も野田の世界観を熟知したメンバーが揃った印象。