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レ・ロマネスクTOBI、初小説『七面鳥』は父へのラブレター

2021.03.08 Vol.739

 音楽ユニット「レ・ロマネスク」メインボーカル、「仮面ライダーセイバー」タッセル役などさまざまな顔を持つレ・ロマネスクTOBI(トビー)さん。初の小説『七面鳥 山、父、子、山』(リトルモア)は、破天荒な父・フミャアキと「ぼく」の39年の物語だ。当初はエッセイとして執筆も「親と子の関係って人に分からない独特の感情があるじゃないですか。楽しく笑って書いていたんですが、何かしんみりしてしまう部分もあって。これは小説にしたほうがいいんじゃないかという編集者の勧めもあって、小説にしようと思ったんです」。

 小説とエッセイ、書き方に違いは?

「エッセイは自分の気持ちを主体に書くのですが、小説にするにあたって五感で感じられるもの、においであったり風景の描写であったりを入れていきました。エッセイでは断定的な書き方になるところを、小説だとたとえば『鳥が飛んでいました』と書いても、その時にどんな気持ちだったのかは読者が想像して読むことができる。どういうふうに取ってもらっても大丈夫だし、表現に広がりがあるなと思いました」

 父親とのエピソードを書こうと思ったきっかけは?

「自分はどこから来てどこに向かっているのかに興味がありました。僕はメイクして人前に出る仕事をしていて、自分はどうしてこんなにデコレーションすることにこだわっているんだろうと考えた時に、憎々しいほどに父親の影響を受けているわけです。会社の上司だとそうはならないのに、何で親だとこんなに憎らしいんだろうと思っていたんですけど、その謎が解けた気がしましたね。結果的にカウンセリングになったというか、小説を書くことによって納得できた瞬間がありました」

 

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