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日本アカデミー賞優秀賞決定!独巨匠ヴェンダースも優秀監督賞に

2024.01.25 Vol.web original

 第47回日本アカデミー賞の正賞15部門各優秀賞および新人俳優賞が決定。今年の司会を務める羽鳥慎一と俳優・岸井ゆきのもコメントを寄せた。

 1978年に誕生し、今年で47回目を迎える映画の祭典。2023年1月1日から12月31日までに公開され選考基準を満たした作品(日本映画 149作品、外国映画221作品)を対象に、日本アカデミー賞協会会員が投票。各部門の最優秀賞は、優秀賞の中から選出。3月8日に行われる授賞式で発表される。

 今回、決定した優勝賞には2013年に大いに話題を呼んだ作品がずらり。

 優秀作品賞は、第76回カンヌ国際映画祭において脚本賞、クィア・パルム賞を受賞した是枝裕和監督の『怪物』や、同じくカンヌで役所広司が主演男優賞を受賞したヴィム・ヴェンダース監督作『PERFECT DAYS』、森達也監督が歴史に埋もれた実話をもとに描き絶賛が相次いだ『福田村事件』のほか、海外でも記録的ヒットを果たした『ゴジラ-1.0』や山田洋次監督作『こんにちは、母さん』が受賞した。

 また優秀監督賞では『PERFECT DAYS』のヴィム・ヴェンダース監督が、是枝裕和らとともに受賞を果たしている。

 なおアメリカのアカデミー賞では、長編アニメーション賞に『君たちはどう生きるか』、視覚効果賞に『ゴジラー1.0』、国際長編映画賞に『PERFECT DAYS』がノミネートされている。

 連続5回目の司会となる羽鳥慎一は「この授賞式を見た方に“こういう映画が去年あったんだ!”と思っていただき、今年 1 回でも多く映画館に行こうと思っていただけるとうれしいです」とコメントを寄せ、昨年『ケイコ 目を澄まして』で最優秀主演女優賞を受賞し、今年の司会に臨む岸井ゆきのは「俳優さんへ聞きたいことがたくさんありすぎて、話し出すと止まらなくなってしまいそうですが、羽鳥さんに頼りつつ、聞きたいことを聞けたら良いなと思います」と映画愛あふれるコメントでその司会ぶりにも期待が高まる。

 また日本アカデミー賞協会は、今回の授賞式の収益の一部を能登半島地震被害への義援金として寄付するとしている。

 各最優秀賞が決定する第47回日本アカデミー賞授賞式は3月8日に都内にて開催。

巨匠チャン・イーモウ、ヴェンダースが東京国際映画祭で感動のスピーチ

2023.10.23 Vol.web original

 

 第36回東京国際映画祭のオープニングセレモニーが23日、日比谷にて行われ、チャン・イーモウ、ヴィム・ヴェンダースといった世界の巨匠監督が同映画祭への思いを語った。

 ヴァイオリニスト川井郁⼦による映画音楽演奏で幕を開けたオープニングセレモニー。

 この日はベルリン国際映画祭で金熊賞を受賞したデビュー作『紅いコーリャン』や高倉健主演作『単騎、千里を走る。』などを手がけた中国映画の巨匠チャン・イーモウ監督に、特別功労賞を授与。イーモウ監督は「思い返すと36年前、東京国際映画祭が始まったばかりのときに主演男優賞を受賞しました。そのときは私はまだ映画監督ではありませんでした。その後18年経って再び映画祭に来たときは審査委員長を務めました。それからまた18年がたち、今日ここに立ってこの賞を受賞しました」と東京国際映画祭との深い絆を振り返り「これからもいい作品を携えて、また皆さんとお会いしたい」と意気込みを新たにした。

 今年、審査委員長を務める世界的巨匠ヴィム・ヴェンダース監督は「オープンな心でコンペの15本を審査させていただきます。審査員たちともめるのは、クロージングセレモニーの後にするとお約束します」と茶目っ気たっぷりに挨拶。

 さらにヴェンダース監督の最新作となるオープニング作品と『PERFECT DAYS』の主演・役所広司をはじめキャスト、スタッフも登壇。ヴェンダース監督はうつむきがちに「私は日本で映画を撮りたいという夢を見ました。主演には役所広司さんを迎えたいという夢を見ました。カンヌ国際映画祭に出たいという夢を見ました。この映画で主演男優賞を取りたいという夢を見ました。米アカデミー賞への出品は夢見てませんでしたが。東京国際映画祭のオープニングとしてこの作品を日本の皆さんに最初に見てほしいという夢を見ました」と語っていたが、最後に顔を上げ「そして今、目が覚めてここにおります」。数々の願いを叶えた奇跡を感動的なスピーチで振り返った監督に会場からも大きな拍手。

 役所も監督のスピーチをたたえつつ「監督の温かいまなざして、命ある人間たち、たくさんの樹木、東京の風景をカメラに収めたドキュメンタリーのような作品。次に何が起きるか分からない、ドキドキする映画を楽しんでいただきたい」とアピールした。

 この日は、西村康稔経済産業大臣が登壇した他、岸田文雄首相がビデオメッセージで「世界的映画人を東京にお迎えし、世界の皆さんに日本の文化芸術を紹介できること大変に光栄」と、今年6月にイタリアとの間に締結された日伊映画製作合同協定にもふれ、日本映画の発展にさらなる期待を寄せた。

 第36回東京国際映画祭は10月23日から11月1日まで日比谷他にて開催。

チャン・イーモウ、トニー・レオン来日決定 東京国際映画祭「今後はアジアの映画祭としての特色を」

2023.09.27 Vol.web original

 第36回東京国際映画祭(TIFF)のラインナップ発表記者会見が27日、都内にて行われ、全上映作品219本が発表された。
 
 安藤裕康チェアマンは「作品数は昨年の174本よりから今年は219本に増え、約25%増。現時点で来日するお客様は映画人、関係者、メディアなど600人以上を予定。スポンサーも昨年より11社増えた」と、量的拡大をアピール。さらに「TIFFはアジアの映画祭であるので、今後の方向性としてアジアの国々との連携を強化してアジアの映画祭としての特色を出したい」と語り、今年は6割以上がアジア作品、来日する映画人・関係者も半数以上がアジアからとなると語った。

 海外映画人では、今年の審査委員長を務めるヴィム・ヴェンダース監督をはじめ、チャン・イーモウ監督、俳優のトニー・レオン、ジャ・ジャンクー監督らが来日予定。

 フェスティバル・ナビゲーターを務める映画監督・安藤桃子は、ポスタービジュアルでも着用したコシノ・ジュンコによる衣装で登壇。「今年から“アンバサダー”から“ナビゲーター”という言い方に変わりましたが、コロナを経て私たちがこれからどこを目指していくか、そのナビゲートすることを意識されているのかと、光栄に思いました」と意気込みを語りつつ、父・奥田瑛二と撮影したポスタービジュアルについて「父から受け継いでいくことを、父も意識する年齢になり…、ポスターを撮影するなか、そういった見えないものがつながっていく気持ちでした」と振り返った。

 オープニング作品は役所広司が今年のカンヌ国際映画祭で最優秀男優賞に輝いたヴィム・ヴェンダース監督作『PERFECT DAYS』。アジアプレミアとなる。クロージング作品には、神木隆之介、浜辺美波が出演する山崎貴監督作『ゴジラー1.0』。公開前の一般向け上映では唯一の機会となる。

 他にもガラ・セレクションでは、今年のヴェネツィア映画祭で金獅子賞を受賞した『哀れなるものたち』や、北野武監督作『首』など国内外で注目必至の話題作が集結。

 小津安二郎生誕120年記念として、デジタル修復版18作品の他、国立映画アーカイブとの共催で、ほぼすべての小津作品を上映する。小津ファンを公言するヴェンダース監督も参加するイベントなども予定。

 アニメーション部門では、『アートカレッジ 1994』や『深海レストラン』といった中国の注目監督の作品や、アヌシー国際アニメーション映画祭受賞作『リンダはチキンがたべたい!』(フランス)など海外作品のほか、日本の人気コミックのアニメ映画化『BLUE GIANT』など国内外の長編アニメを上映。藤津亮太プログラミング・アドバイザーは、今年から海外作品も上映する方向性に変えた背景について「この10年あまりで、世界でさまざまな長編アニメーションがつくられるようになった。世界の潮流の一方、国境を超えた共通点なども感じてもらえれば」と解説。

 この日はコンペティション部門に出品する日本人監督3名のうち『曖昧な楽園』の小辻陽平監督、『わたくしどもは。』の富名哲也監督も登壇し意気込みを語った。

 第36回東京国際映画祭は10月23日より11月1日まで日比谷、有楽町、丸の内、銀座地区にて開催。10月23日のオープニングには日比谷にてレッドカーペットセレモニーが行われる。

安藤裕康(東京国際映画祭チェアマン)

 

親日家ヴィム・ヴェンダース監督が東京国際映画祭審査員長に決定 今年は役所広司主演作でカンヌ受賞

2023.06.12 Vol.web original

 

 今秋開催の第36回東京国際映画祭にて、コンペティション部門の審査員長をドイツの映画監督のヴィム・ヴェンダースが務めることが発表された。

 ヴィム・ヴェンダース監督は、『ことの次第』 (1982)でヴェネチア国際映画祭の金獅子賞を受賞、 『パリ、テキサス』(1984)でカンヌ国際映画祭でパルムドール、『ベルリン・天使の詩』(1987)で同カンヌ国際映画祭で最優秀監督賞を受賞。また、『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』(1999)などで米国アカデミー賞長編ドキュメンタリー部門へのノミネートを果たしている。

 親日家としても知られ、特に『東京物語』(1953)を観て見て魅せられたという小津安二郎監督への傾倒は深く、小津安二郎へのオマージュとしてドキュメンタリー映画『東京画』(1985年)を制作。

 また、東京・渋谷の公衆トイレのリノベーションを紹介したアートプロジェクト「The Tokyo Toilet」の一環として製作された最新作『パーフェクト・デイズ』(2023)は、主演に迎えた日本の俳優・役所広司が今年のカンヌ国際映画祭で最優秀男優賞に輝いている。

 ヴェンダース監督が東京国際映画祭に参加するのは1991年のクロージング作品『夢の涯てまでも』、1993年のヤングシネマコンペティション部門の審査委員長、2011年の『Pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち』以来4回目となる。

 ヴェンダース監督は「東京国際映画祭にまた戻ってこられることを嬉しく思います。以前の私の初めての審査委員長体験は本当に良い思い出しかなく、今でも当時の審査委員の人たちとは交流があり、お互いに“クローディーさん(プロデューサーの Claudie Ossard)”、“ポールさん(作家の Paul Auster)”、“ヴィムさん(監督本人)”と“さん”を付けて日本風に呼び合っています」と明かし「今年の東京国際映画祭は私が敬愛する巨匠・小津安二郎監督の死後60年、生誕120年の記念すべき年に開催されるもので、そんな機会に参加できることは私にとっては特別なことです」と意気込みのコメントを寄せている。

 今年の映画祭では生誕120年となる小津安二郎監督の特集も決定しており、小津ファンでもあるヴェンダース監督を迎えることで、さらなる盛り上がりを見せそうだ。

 第36回東京国際映画祭は10月23日から11月1日まで日比谷・有楽町・丸の内・銀座地区にて開催。

役所広司と巨匠ヴィム・ヴェンダースの初タッグ作にカンヌで約10分のスタンディングオベーション

2023.05.26 Vol.web original

 俳優・役所広司が、現在フランスにて開催中のカンヌ国際映画祭にヴィム・ヴェンダース監督や共演者とともに参加。コンペティション部門出品の主演作『PERFECT DAYS(原題)』への絶賛に感激した。

 同作はドイツの巨匠ヴィム・ヴェンダース監督が、役所広司を主演に迎え、日本・渋谷の公共トイレ清掃員の日常を描く長編映画。

 現地時間5月25日のレッドカーペットには、ヴェンダース監督と役所広司、中野有紗、アオイヤマダ、田中泯が登場。レッドカーペット前の取材で、役所について聞かれた監督は「警官としても侍としても素晴らしい、なんという役者なんだと思っていた。役所さんと仕事するのは夢のようでした」とたたえ、一方の役所も「常に楽しそうにしていたので、その姿勢がキャストを励まし、大きな演出になっていた」と監督との撮影を振り返った。

 その後に実施された公式上映終了後には、約10分にわたるスタンディングオベーションが起こり、一同も大いに感激。

 役所は「みなさんほめるの上手ですよね(笑)」と照れつつも「監督が言ってたんですけど、ほめられても自分がうまいと思わないで、けなされても自分がダメだと思わないで、映画で語りなさい。と。まさにそうだなと。でも今日みたいな温かい拍手を受けて、ああお客さんが喜んでくれてるんだ。良かったな。と単純に思いました」と笑顔を見せていた。

 第76回カンヌ国際映画祭 コンペティション部門の最高賞は現地時間27日のが授賞式にて発表される。

巨匠ヴィム・ヴェンダース最新作は“東京のトイレ”が舞台!主演・役所広司「この企画を断る俳優はいない」

2022.05.11 Vol.web original

 渋谷区の公共トイレ改修プロジェクト「THE TOKYO TOILETプロジェクト」の記者会見が11日、都内にて行われ、映画監督ヴィム・ヴェンダース、俳優・役所広司、建築家・安藤忠雄らが登壇。同プロジェクトの一環となる、渋谷のトイレを舞台にした新作映画製作を発表した。

「THE TOKYO TOILETプロジェクト」は、公共トイレの美化を推進するとともに、安全で清潔な公共トイレを通して東京の魅力を訪日客などにアピールすべく、2000年からスタートした公共トイレの改修プロジェクト。世界的に活躍する建築家やクリエイター16名が渋谷区17カ所の公共トイレの改修デザインを担当。現在までに12カ所が完成している。

 今回、監督にヴィム・ヴェンダース、主演に役所広司を迎え、同プロジェクトの一環として映像作品の制作が決定。THE TOKYO TOILETで改修された公共トイレを舞台に、現在の東京・渋谷を描く。

 同プロジェクトオーナーを務める柳井康治氏とクリエイティブディレクターの高崎卓馬氏は「完成したトイレは好評の声が多い一方、メンテナンスやきれいに使うことの大切さを改めてアピールする必要を感じた」と話し「アートの力で、人の意識を変換していけたら」と映画の企画意図を説明した。

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