「僕ね、朝の4時ごろからものすごく元気ですね」
その元気はいったいどこから…。
「基本的にヨットで1人で回っていると、24時間体制なんです。交代要員がいないから1時間くらいしか寝ない。だからずっと元気じゃなきゃいけないんです」
世界一周ってどれくらいかかります?
「26歳のころ、無寄港でやったときには176日、半年かかりました。無寄港というのは水と食料を全部積んで、風だけ。お坊さんの千日回峰行に近いですね」
こんな大変なことをしゃべっているのにもう究極のポジティブシンキング。
そんな白石さん、最近では児童養護施設の子供たちと交流を持つ。
「元気を出してほしいんです。今、施設にいる子供たちの9割には親がいる。虐待とか経済的な問題などで教育を放棄された子たちが多いんです。望んで入ってきた子たちではない。だから彼らは考え方ひとつで、いっぱしの人生を歩んでいけるし、オリンピック選手にもなれるだろうし、日本のために貢献できるだろうし、幸せになれると思うんです。そこを、僕は今までいろいろつらいことがあったけど、ご覧のように一人でも楽しく、どんな無風帯であろうが、どんな荒天であろうが楽しい人生だったのね。だからそういうことを感じてもらえればな、と思って毎月通ったり、イベントをしたりしています」